飲料用受水タンク(ステンレス鋼板製パネルタンク)の設置の留意事項(製作図・配置・水質汚染防止・自主検査)
これは1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年12月4日(日)実施) 問題3の問題です。論点は「給水・給湯設備」(重要度B・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の(1)〜(4)に関する留意事項を、それぞれ解答欄の(1)〜(4)に具体的かつ簡潔に記述しなさい。
【問題3】鉄筋コンクリート造5階建ての1階受水タンク室に、飲料用受水タンク(ステンレス鋼板製パネルタンク(ボルト組立形))を設置する場合、次の(1)〜(4)に関する留意事項を、それぞれ解答欄の(1)〜(4)に具体的かつ簡潔に記述しなさい。
ただし、工程管理及び安全管理に関する事項は除く。
(1) 受水タンクの製作図を審査する場合の留意事項
(2) 受水タンクの配置に関する留意事項
(3) 受水タンク回りの給水管の施工に関し、水質汚染防止の観点からの留意事項
(4) 受水タンク据付け完了後の自主検査時における留意事項(配管及び保守点検スペースに関する事項は除く。)
解答欄
正解
気相部が塩素による腐食に耐える仕様(SUS329J4L又は防護材で覆ったステンレス鋼)となっているかを確認する。
56 字マンホールは有効内径60cm以上で、ほこりや雨水が入らない密閉形・施錠付きとなっているかを確認する。
オーバーフロー管と通気管の管端に防虫網が設けられ、有効容量と寸法が設計図書どおりであることを確認する。
設計用水平震度に対し、タンク本体・内部補強・架台とアンカーボルトの強度が十分か構造計算書で確認する。
タンクの周囲と下部は60cm以上、マンホールのある上部は100cm以上あけ、外部から六面点検ができるように配置する。
58 字タンクの上部や周囲に飲料水以外の配管や排水管を通さず、汚染のおそれのない位置に配置する。
受水タンク室には汚水槽や雑用水タンクなど汚染源となるものを置かず、タンクの直上に排水設備がない位置とする。
タンクはコンクリート基礎上の鋼製架台に水平に据え付け、床の排水と点検に支障がない高さを確保する。
オーバーフロー管と水抜き管は排水管に直結せず間接排水とし、150mm以上の排水口空間をとって管端に防虫網を設ける。
57 字タンクへの給水管の吐水口は、越流面から十分な吐水口空間をとって設け、逆流による汚染を防ぐ。
給水管の流入口と揚水管の取出し口はタンクの対角の位置に設け、タンク内に水が滞留しないようにする。
飲料水の給水管を雑用水や井水など他の系統の配管と接続せず、クロスコネクションをつくらない。
満水試験を行い、パネルの接合部やボルト回りから漏水がなく、タンク本体に変形がないことを確認する。
48 字アンカーボルトとパネル接合ボルトに締付け不足がなく、タンクが水平に据え付けられていることを確認する。
タンク内を清掃・水洗した後、次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒し、水質検査で基準に適合することを確認する。
マンホールのふたが密閉・施錠でき、通気口とオーバーフロー口の防虫網に破損がないことを確認する。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (1) ステンレス鋼板製パネルタンクの水面より上の気相部は、水道水から揮発した塩素が結露水に溶けて腐食しやすい。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第5編1.4.2.5では、ボルト組立形の気相部(溢水面下150mmまで)はSUS304以上の耐食性を有する鋼種を合成ゴム・合成樹脂・合成樹脂粉体ライニング(被覆厚0.3mm以上)等の防護材で覆ったものとし、SUS329J4Lでは防護材は不要とする。昭和50年建設省告示第1597号により、飲料用タンクには直径60cm以上の円が内接するマンホール(ほこり等が入らない構造)、オーバーフロー管・通気管の防虫網などが必要で、製作図でこれらと有効容量・耐震強度を確かめる。
- (2) 同告示により、飲料用タンクは外部から天井・底・周壁の保守点検を容易かつ安全に行えるように設け(六面点検)、上部に飲料水以外の配管等を設けない。一般に周囲・下部は60cm以上、マンホールのある上部は100cm以上の空間を確保する。
- (3) オーバーフロー管・水抜き管は排水管に直結すると排水が逆流してタンクが汚染されるので、間接排水とし、排水口空間を確保する。同仕様書では飲料用の貯水槽の間接排水の排水口空間は最小150mm以上としている。管端には防虫網を設ける。給水の吐水口空間、滞留の防止、クロスコネクションの禁止も水質汚染防止の要点である。
- (4) 同仕様書では、ステンレス鋼板製パネルタンク(ボルト組立形)は据付け後に満水試験を行って漏洩がないことを確認し、清掃・水洗のうえ飲料用は次亜塩素酸ソーダ溶液等で消毒する。ボルトの締付け、水平、マンホールの密閉・施錠も自主検査で確認する。設問で配管と保守点検スペースは除かれている。
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令和4年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年12月4日(日)実施) 問題3。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する