令和4年度 問題1 設問3論点:ダクトの施工重要度 B未着手

共板フランジのガスケット・便所換気ダクトの防火ダンパー・防振架台のストッパーボルト(改善策)

これは1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年12月4日(日)実施) 問題1 設問3の問題です。論点は「ダクトの施工」(重要度B・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。

(7)〜(9)に示す図について、適切でない部分の改善策を記述しなさい。

【問題1】次の設問1〜設問3の答えを解答欄に記述しなさい。

(7) 共板フランジ工法ダクトガスケット施工要領図(低圧ダクト)。ダクトのフランジの一つの角部をV字形に描いた図で、V字の底(ダクトの角)にボルト穴のあるコーナー金具がある。左右の共板フランジ(幅を「フランジ幅」と表示)の上に灰色のガスケットが貼られ、ガスケットはフランジ幅の中央付近からダクト内側寄りを通っている。左側のガスケットはコーナー金具のボルト穴よりダクト内側を曲がって回り込み、右側のフランジに少し入ったところで終わっている。右側のガスケットは上から下りてきて、角部の近くでフランジの外側寄りへ段違いに折れ、左側から回り込んだガスケットの端の外側に並んでコーナー金具の縁まで延びている。二つのガスケットは、コーナー金具のすぐ脇(角部から25mmほどの範囲)で細い線を挟んで横に並び、重なっている(継目がコーナー部にある)。右側のフランジの外縁に、コーナー金具の縁から段違いの位置までの寸法「25mm以上」が記入されている。図中の文字:フランジ幅、ガスケット、共板フランジ、25mm以上。
(8) 便所換気ダクト系統図。3階建て(1F〜3F、RF)の断面で、左側にダクトスペース(DS)があり、DSの両側の壁と各階の床・屋根スラブは耐火構造等の防火区画(ハッチング)である。屋上の機械室に排気用送風機があり、DS内の排気立てダクトは屋根スラブを貫通して送風機につながり、貫通部に防火ダンパー(FD)がある。各階でDSの右側の壁を貫通して便所へ枝ダクトが出て、天井の吸込口につながる。DS壁の貫通部のダンパーは、3階がFD(防火ダンパー)、2階がFD(防火ダンパー)、1階がSD(防煙ダンパー)で、1階の便所の天井にだけ煙感知器(S)がある。2階・3階の便所には煙感知器がない。凡例:SD:防煙ダンパー、FD:防火ダンパー、S:煙感知器、ハッチング 耐火構造等の防火区画、吸込口。
(9) 機器据付け完了後の防振架台。下から床スラブ、その上の下架台(鋼板)、防振材(積層ゴムのような防振材)を介して防振架台が載っている。ストッパーボルトは下架台に上下のナットで固定されて立ち上がり、防振架台の穴を通って上面のくぼみに出ている。ボルトの上端のダブルナットは、防振架台のくぼみの上面に接して締め付けられており、防振架台とナットの間にすき間がない。防振架台の穴とボルトの間には左右にすき間がある。図中の文字:ダブルナット、ストッパーボルト、防振架台、防振材、下架台。

解答欄

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本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

(7) 共板フランジ工法ダクトガスケット施工要領図(低圧ダクト)の改善策 模範解答

ガスケットの継目はコーナー部を避けてフランジの直線部に設け、25mm以上重ね合わせてすき間なく密着させる。

53 字
別解

コーナー部ではガスケットを切らずにボルトの内側を連続して回し、継目は直線部で25mm以上重ねてすき間をなくす。

継目を漏れやすいコーナー金具の付近に設けず、ボルト間の直線部で両端を25mm以上重ね合わせて設ける。

(8) 便所換気ダクト系統図の改善策 模範解答

2階のDS壁貫通部のFDを煙感知器連動の防煙ダンパー(SD又はSFD)とし、2階の便所に煙感知器を設ける。

53 字
別解

2階の枝ダクトは煙が上階へ流出するおそれがあるので、1階と同様に便所の煙感知器と連動して閉じるダンパーとする。

竪穴区画を貫通する2階の枝ダクトの温度ヒューズ式FDを、煙感知器連動の防火防煙ダンパー(SFD)に変更する。

(9) 機器据付け完了後の防振架台の改善策 模範解答

ストッパーボルトのダブルナットは防振架台に密着させず、運転時に接触しない程度のすき間をあけて固定する。

51 字
別解

ダブルナットを防振架台から数mm離して締め付け、地震時に当たる面には緩衝材を取り付けて防振効果を損なわないようにする。

据付け時にストッパーで仮固定した防振架台は、据付け完了後にナットを戻してすき間を確保し、防振材が働くようにする。

要点(書けていたものにチェック)(7) 共板フランジ工法ダクトガスケット施工要領図(低圧ダクト)の改善策(8) 便所換気ダクト系統図の改善策(9) 機器据付け完了後の防振架台の改善策
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. (7) 共板フランジ工法では、ガスケットは接合するフランジの全周に連続して貼り、コーナー部ではコーナー金具のボルトよりダクト内側を通す。コーナー部はコーナー金具の差込みとフランジの折返しで面が平らでなく、もともと空気が漏れやすい箇所なので、ここにガスケットの継目を重ねると、重ねた部分の段差で密着が不十分になり漏れの原因になる。図で他と違う点は、継目(二つのガスケットを並べて重ねた部分)がコーナー金具のすぐ脇にあることで、継目はコーナー部を避けて直線部に設け、25mm以上重ね合わせてすき間のないようにする。なお、公共建築工事標準仕様書・標準図にはガスケットの継目の位置の規定はなく、この判断は図とダクトの気密の考え方による。
  2. (8) DSの壁は耐火構造等の防火区画(竪穴区画)で、各階の枝ダクトがこれを貫通している。昭和48年建設省告示第2565号(防火区画を貫通する風道に設ける防火設備の構造方法)により、竪穴区画を貫通する風道に設けるダンパーは、二以上の階にわたり煙が流出するおそれのない場合などを除き、煙感知器と連動して閉鎖する防火ダンパーとし、煙感知器は当該風道の換気口等がある室(間仕切壁等で区画された場所)に設ける。
  3. 1階の便所で発生した煙は立てダクトを上がって2階・3階の枝ダクトへ、2階の煙は3階へ流出するおそれがあるので、1階・2階は煙感知器連動のダンパーが必要である。最上階の3階の枝ダクトから入った煙は立てダクトの頂部から排気用送風機へ向かい、ほかの階へ流出するおそれがないので、温度ヒューズ式のFDでよい。図では1階はSDと便所の煙感知器が正しく描かれているが、2階はFDだけで煙感知器も無いので、2階を煙感知器連動のダンパー(SD又はSFD)とし、2階の便所に煙感知器を設ける。
  4. (9) 防振架台のストッパーボルトは、地震時に防振架台の移動・転倒・浮上りを止めるためのもので、平常の運転時には防振架台に触れてはならない。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第3編2.1.1(3)(イ) は、ストッパーと防振架台との間隙は機器運転時に接触しない程度とし、地震時に接触するストッパーの面には緩衝材を取り付けるとしている。図ではダブルナットが防振架台に接して締め付けられており、振動がボルトを通して下架台・床へ伝わる(防振材が短絡される)ので、ナットと防振架台の間にすき間を設ける。
引っかけ:(7) は「25mm以上」の重ね代そのものではなく、継目の位置(コーナー部)が不適切。(8) は1階のSDが誤りなのではなく、煙感知器連動になっていない2階のFDが不適切。最上階の3階は煙がほかの階へ流出するおそれがないのでFDでよい。(9) はストッパーボルトがあること自体は正しく、ナットと防振架台が接していることが問題。

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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年12月4日(日)実施) 問題1 設問3。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する