ダムの施工(転流工・基礎掘削)
これは2級土木施工管理技士 第一次検定 令和4年度 前期(2022年6月5日(日)実施) No.23の問題です。論点は「ダム」(重要度B・解答の形は四肢択一)。採点すると、解き方 5 手順・選択肢 4 つそれぞれの解説・引っかけの指摘が読めます。
ダムの施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
解答欄
正解
正解:(3) ダムの基礎掘削工法の1つであるベンチカット工法は,長孔ボーリングで穴をあけて爆破し,順次上方から下方に切り下げ掘削する工法である。
解き方
- (3) が適当でない。ベンチカット工法は、掘削面を階段状にして平坦なベンチ(作業盤)をつくり、ベンチの上からクローラドリル等のせん孔機械(さく岩機)で発破孔をせん孔して爆破し、順次上方から下方へ階段状に切り下げていく工法である。発破孔はせん孔機械であけるもので、ボーリング(ボーリングマシンで地質調査やグラウチングの孔をあける作業)で穴をあけるのではないから、「長孔ボーリングで穴をあけて」とする点が適当でない。後の試験(令和4年度後期・令和6年度前期)では、同じ趣旨の文が「せん孔機械で穴をあけて爆破し」として適当な記述で出題されている。
- ダムの基礎掘削では基礎岩盤を傷めないことが重要で、岩盤面付近の仕上げ掘削は、岩盤を緩めないようブレーカや人力で行う。
- (1) は適当。ダム工事は一般に大規模で長期間にわたるため、工事に必要な設備・機械を十分に把握し、施工設備を適切に配置することが、安全で合理的な工事を行ううえで必要である。
- (2) は適当。転流工は、ダム本体工事を確実かつ容易に施工するため、工事期間中の河川の流れを迂回させるもので、川幅が比較的狭く流量が少ない我が国の河川では仮排水トンネル方式が多く用いられる。
- (4) は適当。重力式コンクリートダムの基礎処理のグラウチングには、基礎岩盤の表層部の弱部を補強・改良するコンソリデーショングラウチングと、基礎岩盤の浸透流を抑える(遮水する)カーテングラウチングがある。
選択肢ごとの解説
- (1)適当。大規模・長期間の工事なので、設備・機械を十分に把握し、施工設備を適切に配置することが安全で合理的な工事に必要である。
- (2)適当。転流工は工事期間中の河川の流れを迂回させるもので、我が国では仮排水トンネル方式が多く用いられる。
- (3)適当でない。ベンチカット工法の発破孔は、ベンチの上からクローラドリル等のせん孔機械であける。「長孔ボーリングで穴をあけて」が誤りである。
- (4)適当。重力式コンクリートダムの基礎処理には、コンソリデーショングラウチングとカーテングラウチングがある。
引っかけ:ベンチカット工法は「せん孔機械(さく岩機)で穴をあけて爆破し、上方から下方へ階段状に切り下げる」工法。掘削の順序(上方から下方)は正しいまま、穴をあける方法だけを「長孔ボーリング」に入れ替えたひっかけに注意する。
同じ論点の過去問
令和8年度 後期 No.28コンクリートダムの施工
令和8年度 前期 No.28フィルダムの施工
令和7年度 後期 No.28ダムの施工(準備工・転流工・基礎処理・RCD)
令和7年度 前期 No.28ダムの施工(基礎掘削・基礎処理等)
令和6年度 後期 No.28ダム(RCD工法・転流工・型式)
論点ページ:ダムの要点この論点の出題実績とよくある間違い
→令和4年度 前期の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した2級土木施工管理技士 第一次検定 令和4年度 前期(2022年6月5日(日)実施) No.23。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する