施工経験記述(安全管理・施工計画)
これは1級土木施工管理技士 第二次検定 令和6年度(2024年10月6日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した土木工事を1つ選び,工事概要を具体的に記述したうえで,次の〔設問1〕,〔設問2〕に答えなさい。なお,あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。
〔工事概要〕あなたが経験した土木工事に関し,次の事項について解答欄に明確に記述しなさい。
〔注意〕「経験した土木工事」は,あなたが工事請負者の技術者の場合は,あなたの所属会社が受注した工事内容について記述してください。例えば,あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。
なお,あなたの所属が発注機関の場合の発注者名は,所属機関名となります。
(1) 工事名
(2) 工事現場における施工管理上のあなたの立場
(3) 工事の内容
① 発注者名
② 工事場所
③ 工期
④ 主な工種
⑤ 施工量
〔設問1〕工事概要に記述した工事の「安全管理」に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。
ただし,交通誘導員の配置のみに関する記述は除く。
(1) 具体的な現場状況と特に留意した安全管理上の技術的課題と,その課題を解決するために検討した項目
(2) (1)で記述した検討項目の対応処置とその評価
〔設問2〕工事概要に記述した工事の「施工計画」の作成に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。
ただし,設問1と同一内容の解答は不可とする。
(1) 施工計画立案に先立ち行った現場の事前調査で判明した施工上の課題
(2) (1)で記述した課題について施工計画の作成にあたり反映した対応処置とその評価
解答欄
正解
令和5年度 ○○川△△地区護岸整備工事
19 字市道○○線道路改良工事(○○工区)
○○地区公共下水道管渠布設工事(その3)
現場代理人
5 字監理技術者
主任技術者
工事主任(施工管理担当)
発注者側の監督員
○○県△△土木事務所
10 字○○市建設部道路課
株式会社○○建設(所属会社が二次下請の場合の一次下請業者名)
○○県△△市□□町地内
11 字○○県○○郡△△町大字□□地内
令和5年10月2日~令和6年3月22日
19 字令和4年7月1日~令和5年2月28日
護岸工(ブロック積),根固め工,仮締切り工,土工
24 字道路土工(切土・盛土),擁壁工,排水構造物工,舗装工
管渠工(開削),土留め工,舗装復旧工
ブロック積護岸 A=1,250m²,根固めブロック(2t型)180個,大型土のう仮締切り L=220m,掘削 V=3,400m³
64 字切土 V=12,000m³,盛土 V=8,500m³,L型擁壁 L=160m,アスファルト舗装 A=3,200m²
下水道管(φ300mm)L=420m,マンホール 12基,軽量鋼矢板土留め L=420m
本工事は右岸の延長220mに護岸を築造するもので,堤防天端の市道沿い(地上高約8m)に6.6kVの配電線が並行していた。2t型根固めブロック180個を25t吊ラフテレーンクレーンで天端から据え付けるため,ジブやつり荷が配電線に接近して接触・感電災害を起こすことが安全管理上の技術的課題であった。そこで,①配電線との離隔距離の確保,②クレーンの据付け位置と作業半径,③接近を防ぐ監視と合図の方法を検討した。
202 字(別の例:道路改良工事)市道拡幅に伴い深さ3.5mの水路床掘りを行う計画であったが,隣接する家屋まで約2mしかなく,地盤は地下水位の高い緩い砂質土であった。掘削中の土砂崩壊による作業員の被災と家屋の損傷を防ぐことが課題であり,①土留めの工法,②掘削と支保工設置の手順,③点検と計測の方法を検討した。
(別の例:橋梁下部工)河川敷で高さ9mの橋台躯体を施工するため,枠組足場上での鉄筋・型枠作業が約3か月続き,冬期の強風も予想された。高所からの墜落・転落災害の防止が課題であり,①足場の構造と墜落防止設備,②昇降設備,③悪天候時の作業中止基準と点検の方法を検討した。
①電力会社と協議して配電線に防護管を取り付け,ジブ・つり荷との離隔距離を2.0m以上確保することとした。②据付け位置ごとに作業半径とジブ角度を図上で確かめてクレーンの据付け位置を6か所に定め,作業範囲制限装置でジブの上限高さと旋回範囲を制限した。③配電線下はトラロープと標識で立入禁止とし,専任の監視員を置いて合図を統一した。その結果,180個の据付けを接触・感電災害なく終えられ,対策は有効であったと評価する。
206 字(左の別例の続き)①軽量鋼矢板と切梁による土留めを採用した。②1段目の切梁を設置するまでは掘削深さを1.0m以内とする手順を定めた。③毎日の作業開始前に土留めの変形・湧水を点検し,家屋側に沈下の計測点を設けて毎日測定した。その結果,崩壊や家屋の変状を生じずに施工でき,対策は有効であった。
(左の別例の続き)①足場は手すり高さ85cm以上とし,中さん・幅木を設けた二側足場とした。②昇降設備は階段式とした。③10分間の平均風速10m/s以上で作業を中止し,悪天候や組立て・変更の後は点検者を指名して作業開始前に点検させて記録した。その結果,墜落災害なく完了でき,有効であった。
事前調査で近くの水位観測所の記録と試掘の結果を確認したところ,冬期でも降雨時には河川水位が約1m上昇することと,床掘り箇所の河床が透水性の高い砂礫層で湧水が多いことが判明した。このため,護岸基礎の床掘りとコンクリート打設をドライな状態で行える仮締切りと排水の方法を定め,増水時にも工程を確保できる施工計画とすることが課題となった。
165 字(別の例:道路改良工事)試掘を含む事前調査で,施工区間の地下に通信ケーブルと水道管(φ150mm)が占用台帳と異なる深さで埋設されていることが判明した。掘削機械による埋設物の損傷を防ぎながら,工程どおりに側溝と擁壁を施工する計画とすることが課題となった。
(別の例:下水道工事)現地踏査で,施工箇所は幅員6mの生活道路で通学路に指定され,朝夕に多くの児童が通行することが判明した。歩行者の通行を確保しながら作業帯と資材の搬入経路を設ける施工計画とすることが課題となった。
仮締切りは大型土のう2段積(天端は平水位+1.5m)とし,延長220mを約55mずつ4区間に分け,区間ごとに床掘り・基礎コンクリート・ブロック積を終えて順次切り替える計画とした。湧水は床掘り内の釜場からφ100mmの水中ポンプ2台で排水し,濁水は沈砂槽を通して放流した。予報雨量が日30mm以上のときは前日に機械と資材を堤防上へ退避させる手順とした。その結果,基礎をドライな状態で打設でき,工期内に完成したので計画は適切であった。
215 字(左の別例の続き)占用者と立会いのうえ埋設物の位置を地表に明示し,埋設物の上下左右1m以内は人力掘削とする計画とした。施工順序を入れ替え,埋設物のない区間から着手して工程の遅れを防いだ。その結果,埋設物を損傷することなく工期内に完成でき,計画は適切であった。
(左の別例の続き)作業帯を延長30mごとに区切り,歩行者通路を幅1.5m以上確保してバリケードで分離した。登下校の時間帯(7時30分~8時30分,15時~16時30分)は資材の搬入を行わない工程とした。その結果,歩行者の事故や苦情なく工期内に完成でき,計画は適切であった。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 工事概要は,実際に携わった土木工事について契約上の工事名・発注者・場所・工期・工種・数量を書く。設問の記述で使う工種・数量を工事概要に入れておき,内容を一致させる。
- 設問の解答欄は各8行(1行約30字として240字程度)。設問1は,(1)に「現場状況(数値・位置関係)→安全管理上の技術的課題→検討した項目(①②③)」,(2)に「検討項目①②③ごとの対応処置→結果と評価」を書く。交通誘導員の配置だけの記述は不可。
- 設問2は,(1)に「事前調査で分かった事実→施工上の課題」,(2)に「施工計画に反映した処置→結果と評価」を書き,設問1と別の内容にする。設問2の(1)は検討した項目を求めていないので,課題まででよい。この記述例は当サイトが作成した架空の工事である。
同じ論点の過去問
令和6年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級土木施工管理技士 第二次検定 令和6年度(2024年10月6日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する