施工経験記述(安全管理)
これは1級土木施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年10月2日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した土木工事の現場において,その現場状況から特に留意した安全管理に関して,次の〔設問1〕,〔設問2〕に答えなさい。
〔注意〕あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。
〔設問1〕あなたが経験した土木工事に関し,次の事項について解答欄に明確に記述しなさい。
〔注意〕「経験した土木工事」は,あなたが工事請負者の技術者の場合は,あなたの所属会社が受注した工事内容について記述してください。従って,あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。
なお,あなたの所属が発注機関の場合の発注者名は,所属機関名となります。
(1) 工事名
(2) 工事の内容
① 発注者名
② 工事場所
③ 工期
④ 主な工種
⑤ 施工量
(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場
〔設問2〕上記工事の現場状況から特に留意した安全管理に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。
ただし,交通誘導員の配置のみに関する記述は除く。
(1) 具体的な現場状況と特に留意した技術的課題
(2) 技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容
(3) 上記検討の結果,現場で実施した対応処置とその評価
解答欄
正解
一般国道○○号 ○○橋下部工事
15 字○○川橋梁下部工工事(その2)
県道○○線 ○○高架橋下部工事
市道○○線 ボックスカルバート築造工事
国土交通省○○地方整備局○○河川国道事務所
21 字○○県○○建設事務所
○○建設株式会社(所属会社が二次下請の場合の一次下請業者名)
○○県○○市△△町地内
11 字○○県○○郡△△村大字□□地内
令和3年7月1日~令和4年3月18日
18 字令和2年10月5日~令和3年6月30日
場所打ち杭工,橋台躯体工,土工(掘削・埋戻し),仮設工
27 字橋脚躯体工,鋼矢板締切り工,場所打ち杭工,土工
場所打ちボックスカルバート工,型枠支保工,土工,舗装復旧工
場所打ち杭(オールケーシング工法 φ1,200mm L=21m)24本,逆T式橋台 2基(コンクリート 1,150m³,鉄筋 98t),掘削 V=2,600m³
80 字壁式橋脚 1基(コンクリート 420m³),鋼矢板締切り(Ⅲ型 L=12m)96枚,場所打ち杭 φ1,500mm 9本
場所打ちボックスカルバート(内空4.0m×3.5m)L=45m,コンクリート 620m³,掘削 V=3,100m³
監理技術者
5 字現場代理人
主任技術者
工事主任(施工管理担当)
発注者側の監督職員
本工事は橋長68mの橋梁の逆T式橋台2基を築造するもので,基礎の場所打ち杭φ1,200mmを24本施工した。A1橋台のヤードは旧水田を埋め立てた箇所で,表層2mが軟らかい粘性土であり,コーン指数は約250kN/m²と小さかった。自重約75tの全旋回式掘削機と80t吊クローラクレーンが並んで稼働するため,地盤の支持力不足による杭施工機械の転倒災害を防ぐことが技術的課題であった。
189 字(別の例:橋脚工)○○川の河道内に壁式橋脚1基を築造するため,鋼矢板で締め切った内部を深さ4.5m掘削した。施工は非出水期であったが,上流域の降雨で河川水位が短時間に上昇するおそれがあった。締切り内で作業する作業員が浸水や締切りの変状により被災することを防ぐことが技術的課題であった。
(別の例:ボックスカルバート工)内空4.0m×3.5mの場所打ちボックスカルバートL=45mを築造するもので,頂版の型枠支保工は支柱高さ約3.8m,1回の打込み量は約120m³であった。打込み時の偏った荷重や水平力で支保工が倒壊し,作業員が被災することを防ぐことが技術的課題であった。
①作業地盤の支持力:表層の支持力が機械の接地圧に対して不足すると不同沈下で機械が傾くため,メーカーの資料からクローラの最大接地圧を約150kN/m²と求め,安全率を2として300kN/m²以上の支持力を得られる地盤改良の深さと強度を検討した。②荷重の分散方法:鉄筋かごやケーシングを吊るときはクローラ前端の接地圧が局部的に大きくなるため,敷鉄板の厚さと敷き方を検討した。③機械の配置と作業手順:作業半径が大きいほど転倒モーメントが増えるため,杭ごとの据付け位置と作業半径,杭の施工順序を検討した。
248 字(左の別例の続き)①作業中止の基準:増水に気付くのが遅れると退避が間に合わないため,上流の水位観測所の水位と締切り天端の関係を調べ,退避に要する時間を確保できる基準水位を検討した。②締切りの安全性:水位差が大きくなると鋼矢板の変形や湧水が増えるため,支保工の点検方法と変位の管理値を検討した。③退避の方法:締切り内から全員が速やかに退避できるよう,昇降設備の位置と連絡の方法を検討した。
(左の別例の続き)①支保工の構造:鉛直荷重に加え水平荷重で支柱が倒れるおそれがあるため,設計荷重(コンクリート・型枠の重量に作業荷重150kg/m²を加える)と設計荷重の5/100の水平荷重に対する支柱・水平つなぎの配置を検討した。②打込み順序:偏った載荷で支保工が傾くため,打込み順序と1層の高さを検討した。③点検体制:打込み中の沈下・変形を早く見つけるため,監視の方法を検討した。
①ヤードの表層1.0mをセメント系固化材で改良し,平板載荷試験で300kN/m²以上の支持力があることを確認した。②その上に厚さ22mmの敷鉄板を縦横2層に敷き,毎日の作業開始前にずれと沈下を点検した。③杭ごとにクレーンの作業半径が10m以内となる据付け位置を図示し,施工済み杭の空掘り部の上を機械が通らない施工順序とした。旋回範囲はバリケードで立入禁止とした。その結果,機械の傾きや沈下なく24本の杭を施工でき,対策は有効であった。改良の範囲は今後,着工前の地盤調査で早く決めたい。
242 字(左の別例の続き)①上流観測所の水位が締切り天端の2.0m下に相当する値に達したら作業を中止して全員を退避させる基準とし,水位を通報装置で常時監視した。②鋼矢板頭部の変位を毎日測定し,管理値を超えたら作業を中止することとした。③昇降設備は階段式を2か所に設け,退避の合図はサイレンに統一した。その結果,2回の増水時にも速やかに退避でき,被災なく完成したので有効であった。
(左の別例の続き)①パイプサポートは3本以上継いで用いず,高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けて変位を防いだ。支保工の計画は工事開始の30日前までに労働基準監督署長へ届け出た。②打込みは中央から両側へ均等に1層0.5mで進めた。③作業主任者と監視員が打込み中の沈下・変形を点検した。その結果,倒壊や変形なく打ち終えることができ,有効であった。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 工事概要は,実際に携わった土木工事について契約上の工事名・発注者・場所・工期・工種・数量・立場を書く。設問2で使う工種・数量を工事概要に入れておき,内容を一致させる。
- 設問2は「現場の状況(数値・位置関係)→安全管理上の技術的課題」「検討した項目→検討理由→検討内容」「検討項目ごとの対応処置→結果と評価」の順に書き,(2)と(3)を①②③で対応させる。(1)は課題までで,検討した項目は(2)に書く。交通誘導員の配置だけの記述は不可。
- この記述例は当サイトが作成した架空の工事(橋梁下部工)で,杭施工機械の転倒防止を題材にした。別の例として河川内の締切り工とボックスカルバートの型枠支保工を示した。
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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級土木施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年10月2日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する