施工経験記述(安全管理・工程管理)
これは1級土木施工管理技士 第二次検定 令和8年度(2026年10月4日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した土木工事を1つ選び,工事概要を具体的に記述したうえで,次の〔設問1〕,〔設問2〕に答えなさい。なお,あなたが経験した工事でないことが判明した場合は,失格となります。
〔工事概要〕あなたが経験した土木工事に関し,次の事項について明確に記述しなさい。
〔注意〕「経験した土木工事」は,あなたが工事請負者の技術者の場合は,あなたの所属会社が受注した工事内容について記述してください。例えば,あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。
なお,あなたの所属が発注機関の場合の発注者名は,所属機関名となります。
(1) 工事名
(2) 工事現場における施工管理上のあなたの立場
(3) 工事の内容
① 発注者名
② 工事場所
③ 工期
④ 主な工種
⑤ 施工量
〔設問1〕工事概要に記述した工事における,労働者の災害防止に向けた「安全管理」の取組に関し,次の事項について具体的に記述しなさい。
ただし,交通誘導員の配置のみに関する記述は除く。
(1) 具体的な現場状況と特に留意した安全管理上の技術的課題と,その課題を解決するために検討した項目
(2) (1)で記述した検討項目の対応処置とその評価
〔設問2〕工事概要に記述した工事の「工程管理」に関し,次の事項について具体的に記述しなさい。
(1) 施工に際し特に留意した工程管理上の技術的課題と,その課題を解決するために検討した項目
(2) (1)で記述した検討項目の対応処置とその評価
解答欄
正解
令和6年度 県道○○線 ○○川橋橋梁下部工事
22 字○○処理区公共下水道管渠築造工事(その2)
国道○号○○地区舗装修繕工事
現場代理人
5 字監理技術者
主任技術者
工事主任(施工管理担当)
発注者側の監督員
○○県△△県土整備事務所
12 字国土交通省○○国道事務所
株式会社○○建設(所属会社が二次下請の場合の一次下請業者名)
○○県△△市□□町地内
11 字○○県○○郡△△町大字□□地内
令和6年10月7日~令和7年6月27日
19 字令和5年8月1日~令和6年3月15日
橋台工(逆T式橋台),基礎工(鋼管杭・中掘り工法),仮設工(仮締切り・作業ヤード)
41 字管渠工(開削),土留め工,舗装復旧工
舗装工(切削オーバーレイ),路盤工,区画線工
橋台躯体コンクリート V=640m³(2基),鋼管杭(φ600mm,L=14m)24本,大型土のう仮締切り L=180m,掘削 V=2,300m³
73 字下水道管(φ350mm)L=480m,マンホール 14基,鋼矢板土留め L=480m
切削オーバーレイ A=8,200m²(t=50mm),上層路盤 A=900m²,区画線 L=3,100m
本工事は河川敷に逆T式橋台2基を築造するもので,基礎の鋼管杭(φ600mm,L=14m)24本を中掘り工法で施工した。作業地盤は旧河道の緩い砂質シルトで表層のN値が2~4と小さく,総重量約65tの杭打機と50tクローラクレーンが走行・旋回すると,地盤の沈下により機械が転倒し作業員が被災するおそれがあった。そこで,杭打機等の転倒防止を安全管理上の技術的課題とし,①作業地盤の支持力の確認と改良,②敷鉄板と機械の配置,③作業中の監視と中止基準を検討した。
226 字(別の例:下水道工事)幅員6mの市道で深さ3.2mの管渠掘削を行う計画で,地盤は地下水位がGL-1.5mの緩い砂層であり,道路の両側に家屋が近接していた。掘削中の土砂崩壊と土留めの変形による作業員の被災を防ぐことが安全管理上の課題であり,①土留めの工法と構造,②掘削と支保工設置の手順,③点検の方法を検討した。
(別の例:舗装工事)夜間に国道の切削オーバーレイを片側交互通行で施工する計画で,作業帯は幅3.5mと狭く,切削機・ダンプ・フィニッシャ・ローラが後進や旋回を繰り返した。暗い中で建設機械と作業員の接触を防ぐことが安全管理上の課題であり,①機械の配置と作業手順,②照明と作業員の視認性,③立入禁止と合図の方法を検討した。
①平板載荷試験で作業地盤の支持力を確かめ,不足する範囲は表層60cmをセメント系固化材で改良し,再試験で杭打機の接地圧の1.5倍以上の支持力を確認した。②厚さ22mmの敷鉄板を2枚重ねで敷き並べ,杭打機とクレーンの移動経路・据付け位置を作業計画に図示して周知した。③杭打機に傾斜計を付けて作業指揮者に常時監視させ,傾きが1度を超えたら作業を止め,10分間平均風速10m/s以上で中止した。その結果,24本を転倒等の災害なく施工でき,対策は有効であったと評価する。
231 字(左の別例の続き)鋼矢板土留めと切梁2段を採用し,各段の切梁を設置するまで次の段の掘削を行わない手順とした。土止め支保工作業主任者を選任し,作業開始前と大雨の後に部材の変形・湧水を点検させた。その結果,崩壊などの災害なく完了でき,有効であった。
(左の別例の続き)機械ごとに作業範囲を区分して手順書に図示し,後進時は誘導者の合図に従う手順に統一した。投光機を20mごとに置き,作業員に反射ベストを着用させた。ローラに人検知警報装置を付け,旋回範囲を立入禁止とした。その結果,接触災害なく完了でき,有効であった。
河川区域内の作業は河川管理者の許可条件により11月1日から5月31日までの非出水期に限られ,5月末までに仮締切りを撤去する必要があった。ところが,A1橋台の杭の施工中に旧護岸の基礎とみられる玉石混じりの地中障害物に当たり,撤去に12日を要したため,このままでは躯体の完成と仮締切りの撤去が出水期に間に合わないおそれがあった。そこで,12日の遅れを取り戻すことを工程管理上の課題とし,①作業の並行化,②躯体工の施工サイクルの短縮,③進捗の管理方法を検討した。
228 字(別の例:下水道工事)着工後の試掘で,計画路線のガス管と水道管が台帳と異なる位置に埋設されていることが判明し,管理者との協議と防護で約3週間の遅れが見込まれた。道路使用許可の期限内に管渠の布設を終えることが工程管理上の課題であり,①施工順序,②作業班の編成,③進捗の管理方法を検討した。
(別の例:舗装工事)道路管理者との協議で施工は21時~翌6時に限られ,毎朝の交通開放までに舗装を仕上げて表面温度を50℃以下に下げる必要があった。1晩の施工量が計画を下回ると工期内に完成しないことが工程管理上の課題であり,①1晩の施工延長と機械編成,②開放までの時間の確保,③日々の出来高管理を検討した。
①ネットワーク工程表でクリティカルパスを見直し,A1橋台の躯体工をA2橋台の杭打ちと並行して始め,鉄筋・型枠の作業班を1班増やして両橋台の躯体工を2班で同時に進めた。②竪壁の鉄筋は作業ヤードで先組みしてクレーンで建て込み,型枠は大型パネルとして,1ロットの施工日数を9日から6日に短縮した。③毎週の工程会議で計画と実績の出来高累計曲線を比べ,遅れが2日を超えたら手順を見直した。その結果,5月22日に仮締切りを撤去でき,遅れを取り戻せたので有効であった。
227 字(左の別例の続き)協議中の区間を後回しにし,埋設物のない区間から施工する順序に変えた。管布設班を1班増やして2班体制とし,マンホールをプレキャスト製品に変えて据付け日数を短縮した。毎日の出来高を工程表に記入して遅れを確認した。その結果,期限内に布設を終えられ,有効であった。
(左の別例の続き)切削機とフィニッシャを各1台増やし,1晩の施工延長を150mから200mとした。舗設は4時までに終えるよう時刻ごとの作業目標を定め,散水で舗装の冷却を早めた。毎朝の施工延長を工程表に記入して遅れを確認した。その結果,毎朝予定どおり開放でき,工期内に完成し有効であった。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 工事概要は,実際に携わった土木工事について契約上の工事名・発注者・場所・工期・工種・数量を書く。設問の記述で使う工種・数量(ここでは杭24本,河川内の仮締切り,橋台2基)を工事概要に入れておき,内容を一致させる。工期は設問2の「非出水期(11月~5月)」と矛盾しない期間にする。
- 設問1は「現場状況(地盤・機械・位置関係などの数値)→安全管理上の技術的課題→検討した項目」「検討項目ごとの対応処置→結果と評価」の順に書く。労働安全衛生規則の規定(車両系建設機械の転倒防止は第157条,くい打機の倒壊防止は第173条,悪天候時の作業中止など)に沿った処置を具体的な数値で示すと説得力が出る。交通誘導員の配置だけの記述は不可。
- 設問2は工程に影響した事実(河川の非出水期の制約,地中障害物による遅れの日数など)から工程管理上の課題を導き,「作業の並行化・施工サイクルの短縮・進捗の管理(ネットワーク工程表,出来高累計曲線)」などの処置と,遅れを取り戻せたか・工期内に完成したかの評価を書く。設問1と別の課題にする。この記述例は当サイトが作成した架空の工事である。
- 解答欄は,設問1・設問2とも(1)と(2)がそれぞれ8行(令和7年度と同じ)。1行30字前後として,(1)(2)とも240字程度にまとめる。
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令和8年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級土木施工管理技士 第二次検定 令和8年度(2026年10月4日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する