施工経験記述(安全管理)
これは1級土木施工管理技士 第二次検定 平成29年度(2017年10月1日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した土木工事の現場において,その現場状況から特に留意した安全管理に関して,次の〔設問1〕,〔設問2〕に答えなさい。
〔注意〕あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。
〔設問1〕あなたが経験した土木工事に関し,次の事項について解答欄に明確に記述しなさい。
〔注意〕「経験した土木工事」は,あなたが工事請負者の技術者の場合は,あなたの所属会社が受注した工事内容について記述してください。従って,あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。
なお,あなたの所属が発注機関の場合の発注者名は,所属機関名となります。
(1) 工事名
(2) 工事の内容
① 発注者名
② 工事場所
③ 工期
④ 主な工種
⑤ 施工量
(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場
〔設問2〕上記工事の現場状況から特に留意した安全管理に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。
ただし,交通誘導員の配置のみに関する記述は除く。
(1) 具体的な現場状況と特に留意した技術的課題
(2) 技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容
(3) 上記検討の結果,現場で実施した対応処置とその評価
解答欄
正解
平成28年度 県道○○線 ○○橋上部工工事
21 字一般国道○○号 ○○高架橋(鋼上部工)工事
○○川橋梁上部工架設工事(その2)
○○県△△土木事務所
10 字○○市建設局道路部(所属が発注機関の場合)
株式会社○○建設(所属会社が二次下請の場合の一次下請業者名)
○○県△△市□□町地内
11 字○○県○○郡△△町大字□□地内(○○川渡河部)
平成28年8月1日~平成29年3月24日
20 字平成27年10月1日~平成28年6月30日
鋼橋架設工(クレーン・ベント工法),支承工,床版工,橋梁付属物工
32 字鋼橋架設工(送出し工法),横取り工,床版工,仮設工(手延べ機・軌条設備)
鋼橋架設工(トラッククレーン工法),足場工,床版工,高欄工
3径間連続鋼鈑桁橋 橋長L=96.0m,幅員W=9.5m,鋼重268t(主桁4本),ベント4基,支承16基,RC床版A=912m²
65 字単純鋼箱桁橋 橋長L=52.0m,鋼重185t,送出し架設1式,手延べ機L=36m,RC床版A=520m²
2径間連続鋼鈑桁橋 橋長L=64.0m,鋼重172t,架設用クレーン120t吊1台,吊り足場A=1,450m²
監理技術者
5 字現場代理人
主任技術者
工事主任(架設担当)
発注者側の監督員
本工事は○○川を渡る3径間連続鋼鈑桁(橋長96m)を,河川敷に設けた高さ約9mのベント4基で仮受けしながら120t吊クローラクレーンで架設し,ジャッキで支承上に降下させるものであった。ベント位置は旧河道を埋めた緩い砂質土で,試掘と貫入試験ではN値が3~5と小さかった。架設中の桁を支えるベントが沈下・傾斜して桁が転倒・落下する災害を防ぐことが,安全管理上の技術的課題であった。
188 字(別の例:墜落防止)主桁の架設と高力ボルトの締付けを河川上の高さ約12mで行い,桁上での移動や添接部の作業が約2か月続いた。桁の架設が進むまでは足場を先行して設けられない箇所があり,冬期は川沿いの強い季節風も予想されたため,作業員の墜落災害を防ぐことが安全管理上の技術的課題であった。
(別の例:跨道部の架設)主桁のうち支間32mの1径間が交通量約12,000台/日の国道の上空にあり,夜間の全面通行止めの時間内に架設する計画であった。つり荷や工具の落下,架設直後の桁の転倒が起これば通行車両を巻き込む第三者災害となるため,その防止が安全管理上の技術的課題であった。
①ベント基礎の支持力:ベント1基に最大約900kNの反力が作用し,基礎が沈下すると桁が傾くため,平板載荷試験で地盤の支持力を確かめ,基礎の形式と大きさを検討した。②ベントの安定:架設中は風や桁の温度変化による水平力が加わるため,橋軸方向と直角方向の両方について照査水平荷重を用いて転倒を照査し,控えの配置と桁の支持位置を検討した。③降下作業と監視:複数の支点を同時に下げると反力が偏るため,降下の手順と,ベントの沈下・傾きの計測方法と管理値を検討した。
226 字(左の別例の続き)①墜落制止用器具の取付設備:桁上を移動する間も常に器具を使えるよう,親綱と支柱の設置時期と方法を検討した。②作業床:添接部の作業を作業床の上で行えるよう,吊り足場を設ける時期と構造を検討した。③悪天候時の措置:強風時に高所作業を行わせないため,作業中止の基準と作業再開前の点検の方法を検討した。
(左の別例の続き)①作業時間:通行止めの時間内に確実に作業を終えるため,1夜の架設量と作業手順を検討した。②落下防止:通行再開後も上空での作業が続くため,桁下の防護設備の構造を検討した。③転倒防止:架設直後の単独の主桁は横倒れしやすいため,対傾構の取付け順序と玉掛けを外す時期を検討した。
①平板載荷試験で支持力の不足が分かったため,ベント下を深さ1.0mまで砕石で置き換えて締め固め,厚さ0.5mの鉄筋コンクリート基礎を設けた。②ベントの橋軸・直角の両方向に控えワイヤを張り,桁の支持位置をベントの重心に合わせて偏心させないよう受け台を据えた。③降下は1支点ずつ1回50mm以内とし,ベントの沈下と傾きを毎日計測して沈下10mmを超えたら作業を止める体制とした。その結果,沈下は最大4mmにとどまり,事故なく架設を終えたので対策は有効であったと評価する。
233 字(左の別例の続き)①地組みの段階で主桁に親綱支柱を取り付けてから架設し,桁上ではフルハーネス型の墜落制止用器具を常に親綱に掛けさせた。②添接部には主桁の架設直後に手すり・中さん付きの吊り足場を設けた。③10分間の平均風速が10m/s以上で作業を中止し,点検者を指名して作業開始前に点検させた。その結果,墜落災害なく架設を終え,有効であった。
(左の別例の続き)①地組みした主桁2本を1ブロックとし,1夜に1ブロックを架設する手順として事前に作業員へ周知した。②架設後直ちに桁下に防護棚と落下防止ネットを設け,工具には落下防止ひもを付けた。③主桁2本を対傾構で連結してから玉掛けを外した。その結果,第三者災害なく架設でき,対策は有効であった。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 工事概要は,実際に携わった土木工事について契約上の工事名・発注者・場所・工期・工種・数量・立場を書く。設問2で使う工種・数量(架設工法・ベント・鋼重など)を工事概要に入れ,内容を一致させる。
- 設問2は「現場状況(工法・高さ・地盤などを数値で)→安全管理上の技術的課題(防ぐ災害)」「検討項目ごとの理由と内容」「検討に対応した処置→結果と評価」の順に書き,(2)と(3)の番号をそろえる。交通誘導員の配置だけの記述は不可。
- 鋼橋架設の安全対策は,労働安全衛生規則第517条の6~第517条の9(部材の落下・倒壊の防止方法を示した作業計画,控えの設置や補強材の取付け,鋼橋架設等作業主任者),クレーン等安全規則(移動式クレーンの転倒防止・つり荷の下への立入禁止・強風時の中止),土木工事安全施工技術指針 第14章(受架台の安定照査,ジャッキ降下は1橋脚ずつ)を根拠にすると書きやすい。この記述例は当サイトが作成した架空の工事(鋼橋の架設)である。
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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級土木施工管理技士 第二次検定 平成29年度(2017年10月1日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する