電気工事施工管理技士 第二次検定の頻出論点:問題ごとの出題パターンと答え方

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

記述が中心の第二次検定ですが、電気工事施工管理技士の場合、毎年の出題の形はかなり固定されています。当サイトが 1級(平成30年度〜令和8年度)と 2級(平成29年度〜令和7年度)の第二次検定(実地試験を含む)を整理すると、問題の並びはほぼ毎年同じで、テーマや語句が 1 年おきに交代し、技術用語は同じ用語が何度も出ていました。型ごとに、出題の並びと答え方をまとめます。

問題の構成

問題1級(令和6年度から)2級(令和3年度から)
問題1施工経験記述(問A・問B から選ぶ)施工経験記述(令和6年度から問A・問B から選ぶ)
問題2施工経験記述(品質管理または感電災害)2-1 施工管理上の留意事項か安全管理の語句/2-2 高圧受電設備の単線結線図
問題3労働災害を防止するための対策、または品質を確保するための方法技術用語(9 つから 3 つ)
問題4技術用語(12 から 4 つ)計算(四肢択一)
問題5計算(五肢択一)法規(四肢択一)
問題6法規(五肢択一)―

1級は令和3〜5年度が 5 問(問題1 施工経験記述、問題2 品質か安全、問題3 技術用語、問題4 計算、問題5 法規)で、令和6年度に施工経験記述が問題1・2 の 2 問に分かれて 6 問になりました。令和2年度以前(実地試験)は、1級・2級ともネットワーク工程表の計算と、法規の記述(1級は空欄の穴埋めと記述、2級は下線部の誤りの訂正)が出ていました。択一式の正答肢は令和4年度以降公表されていますが、記述式の解答は公表されません。

施工経験記述のテーマ

1級は、安全管理(墜落・飛来落下災害と感電災害)と、工程管理と品質管理の組合せがほぼ交互に出ています。平成30年度・令和2・5年度が安全管理、令和元・4年度が工程管理と品質管理、令和3年度は墜落・飛来落下災害と工程管理の組合せでした。令和6年度からも、令和6年度は工程管理と品質管理、令和7年度は墜落・飛来落下災害と感電災害、令和8年度は工程管理と品質管理で、同じ並びが続いています。

2級は、安全管理(平成29年度、令和元・3・5・7年度)と工程管理(平成30年度、令和2・4・6年度)が 1 年ごとに入れ替わっています。令和8年度(11 月 8 日)の問題はまだ出ていませんが、この順番が続けば工程管理の年に当たります。

  • 令和5年度までは、自分が経験した電気工事の概要(工事名・工事場所・電気工事の概要・工期・立場・業務の内容)を書いてから答える形
  • 令和6年度からは工事概要の欄がなく、「施設等が運用中でその制約を受ける電気工事」「狭い空間で機器を据え付ける作業」「夜間に限られる屋外作業」「土日祝日のみ施工が可能な電気工事」「関連工事と輻輳する現場」のような条件が問A・問B で示される
  • 安全管理の設問では、保護帽や墜落制止用器具の単なる着用だけの記述は配点しないと明記される。対策の内容は重複しないことも毎回指定される

書き方と記述例は施工経験記述のページにまとめています。

1級 問題3:品質を確保する方法と労働災害の防止

4 つの語句から 2 つを選び、それぞれ 2 つずつ具体的に書く問題です。品質(平成30年度、令和2・3・5・7年度)と安全(令和元・4・6・8年度)がほぼ 1 年おきに出ていて、語句の顔ぶれもほとんど変わりません(令和5年度までは問題2)。

型出た語句答えの材料
適正な品質を確保するための方法資材の管理(毎回)、電線管・合成樹脂製可とう電線管(PF管)・金属管・ケーブルラックの施工、機器・重量機器の取付け、電線相互の接続・盤への電線の接続受入検査と保管の方法、支持間隔・曲げ半径・接地、アンカーの選定と耐震の固定、締付けトルクとマーキング・絶縁抵抗の測定
労働災害を防止するための対策クレーン等・移動式クレーンによる揚重作業、高圧活線近接作業・高圧停電作業・高所作業車・電動機械器具を用いた作業、酸素欠乏危険場所での作業(毎回)、建設機械による掘削作業(毎回)作業計画と合図・立入禁止、絶縁用保護具と防具・検電・短絡接地、酸素濃度の測定と換気、土止め支保工と点検

酸素欠乏危険場所と掘削作業は、安全の年には毎回並びます。この 2 つと資材の管理は、準備した答えがそのまま使える語句なので、確実に書けるようにしておくと、残りの 1 つを選ぶ余裕ができます。「十分に注意する」ではなく、測定する値(酸素濃度 18% 以上など)や確認の手順を入れて書きます。

技術用語(1級 問題4・2級 問題3)

一覧の用語(1級は 12、2級は 9)から指定の数を選び、それぞれ技術的な内容を 2 つ書きます。技術的な内容とは、施工上の留意点、選定上の留意点、動作原理、発生原理、定義、目的、用途、方式、方法、特徴、対策などをいうと問題文に示されています。一覧は発電・変電・送配電・構内設備・情報通信・鉄道・道路・試験の順に並び、同じ用語が何度も出ます。

級3 回以上出た用語(出題年度)
1級(平成30年度〜令和8年度)電力デマンド制御・電気鉄道の電食防止対策(平成30年度、令和3・5・7年度)、水車のキャビテーション・架空電線路と比較した地中電線路の特徴(令和2・5・7年度)、電気鉄道の閉そく装置(令和2・5・8年度)、接地抵抗の低減方法(令和元・4・7年度)、コンバインドサイクル発電(令和元・3・7年度)、列車集中制御装置(CTC)(平成30年度、令和4・7年度)、交通信号の感応制御(平成30年度、令和4・8年度)、LANのスイッチングハブ(平成30年度、令和2・6年度)、多導体方式・スコット結線変圧器・遮断器(遮断装置)の保護協調(各 3 回)
2級(平成29年度〜令和7年度)電線の許容電流(平成29年度、令和3・5・7年度)、絶縁抵抗試験(平成30年度、令和2・4・6年度)、ループコイル式車両感知器(平成29年度、令和2・4・7年度)、風力発電・電車線路の帰線・超音波式車両感知器・自動列車停止装置(ATS)・漏電遮断器・架空送電線のたるみ・揚水式発電・力率改善・波付硬質合成樹脂管(FEP)(各 3 回)

1級で選びやすいのは、構内設備の電力デマンド制御・接地抵抗の低減方法・遮断器の保護協調と、試験の絶縁耐力試験・過電流継電器の動作試験です。2級は電線の許容電流(平成29年度、令和3・5・7年度)と絶縁抵抗試験(平成30年度、令和2・4・6年度)がほぼ 1 年おきに交代で出ていて、漏電遮断器や接地工事もよく並びます。1 つの用語について「目的」と「施工上の留意点」のように観点の違う 2 つを書けるよう、用語ごとに 2 行のメモを作っておくと本番で迷いません。

2級 問題2:施工管理・安全管理の語句と単線結線図

2-1 は施工管理と安全管理が 1 年おき

6 つの語句から 2 つを選んで、それぞれ 2 つずつ書きます。施工管理上留意すべき内容(平成29年度、令和元・3・5・7年度)では、機器の搬入、分電盤の取付け、低圧ケーブルの敷設、電動機への配管配線、資材の受入検査、低圧分岐回路の試験、電線相互の接続、ケーブルラックの施工などが繰り返し出ています。安全管理の語句(平成30年度、令和2・4・6年度)は、安全施工サイクル、ツールボックスミーティング(TBM)、危険予知活動(KYK)、安全パトロール、新規入場者教育と、墜落・飛来落下・感電災害の防止対策が中心です。

2-2 は高圧受電設備の単線結線図

一般送配電事業者から受電する高圧受電設備の単線結線図で、ア に示す機器の名称(略称でもよい)と機能を答えます。出た機器は、限流ヒューズ付高圧交流負荷開閉器(平成29年度・令和7年度)、高圧交流遮断器(平成30年度・令和4年度)、直列リアクトル(令和元年度)、断路器(令和2年度)、高圧進相コンデンサ(令和3年度)、地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(令和5年度)、避雷器(令和6年度)です。受電点から、地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)→ 断路器(DS)→ 遮断器(CB)→ 変圧器・コンデンサ(直列リアクトル付き)と並ぶ標準的な構成(主遮断装置が CB 形の場合)を、図記号と機能(開閉できる電流、保護の対象)といっしょに覚えておけば対応できます。

計算と法規の択一式

計算は配電と電気理論の基本

1級(令和3年度から 2 問の五肢択一)は、単相2線式配電線路の末端の電圧(令和3・4・6年度)、支線の許容引張強度から求める電線の水平張力(令和3・8年度)と引張強さ(令和5年度)、変圧器二次側の三相短絡電流(令和4年度)、RLC 直列回路の有効電力(令和6年度)、完全地絡時の金属製外箱の対地電圧(令和7年度)、単相3線式の変圧器の一次電流(令和8年度)が出ています。2級(2 問の四肢択一)は、キルヒホッフの法則(令和3・6年度)、単相3線式の変圧器の一次電流(令和3・6年度)、変圧器の効率(令和4・7年度)、RLC 直列回路、電圧降下、ホイートストンブリッジです。どれも第一次検定の電気理論と配電の計算の延長で、電卓なしで解ける値になっています。

法規は条文の空欄を選ぶ

1級は建設業法 2 問と電気事業法 1 問、2級は建設業法・労働安全衛生法・電気工事士法の各 1 問で、条文の 2 つの空欄(ア・イ)に当てはまる語句を選ぶ形です(令和3年度から)。1級の建設業法は、前払金を受けたときの下請負人への配慮(令和3・7年度)、下請負人の変更請求(令和3・8年度)、請負契約とみなす場合(令和4・7年度)、下請負人の工事の完成の検査(令和6年度)、著しく短い工期の禁止(令和6年度)など、元請負人と下請負人の関係の条文が中心です。電気事業法は、主任技術者の選任と指示に従う義務(令和6・8年度)、工事計画の届出と認可、主任技術者免状の監督の範囲が出ています。2級の電気工事士法は、第一種電気工事士の講習(令和3・6年度)と免状の交付(令和5・7年度)、法の目的(令和4年度)が交代で出ています。条文の言い回しをそのまま覚えるのが近道です。

よくある質問

施工経験記述は、自分の工事を書かなくてよくなったのですか?

令和6年度から、工事概要を書く欄はなくなりました。ただ、問題文は「あなたの電気工事の経験を踏まえ」て答えるよう求めていて、示された条件の電気工事について、自分の経験から問題や危険、対策を書く形です。過去の経験記述で作った事例は、条件に合わせて書き直せばそのまま使えます。

1級の問題3 は、品質と安全のどちらが出ますか?

平成30年度から令和8年度までは、品質(平成30年度、令和2・3・5・7年度)と安全(令和元・4・6・8年度)がほぼ交互です。この並びが続く保証はないので、両方の語句を準備してください。資材の管理、酸素欠乏危険場所での作業、掘削作業は、それぞれの年に毎回出ています。

技術用語はいくつ準備すればいいですか?

1級は 12 から 4 つ、2級は 9 から 3 つを選びます。過去に繰り返し出た用語を中心に、1級なら 10 前後、2級なら 8 前後を書けるようにしておくと、どの年の一覧でも必要な数を選べます。

択一式は自己採点できますか?

できます。令和4年度以降は、主催者が試験日の翌営業日から 1 年間、問題と択一式の正答肢番号を公表しています。記述式の正答は公表されません。

あわせて読む

出典・参考:一般財団法人 建設業振興基金 1級(平成30年度〜令和8年度)・2級(平成29年度〜令和7年度)電気工事施工管理技術検定 第二次検定(実地試験を含む)の試験問題と択一式の正答肢、建設業法・電気事業法・電気工事士法・労働安全衛生法(e-Gov、2026年10月時点)

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