電気工事施工管理技士の合格率の読み方:受検者の増加と「何問で受かるか」

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

電気工事施工管理技士の合格率は、直近 3 回で見ると、1級 第一次検定が 36.3〜41.5%、1級 第二次検定が 49.6〜69.6%、2級 第一次検定が 55.1〜60.3%、2級 第二次検定が 43.0〜51.8% です。年度ごとの上下は大きく、受検資格の変更や数え方の違いも重なっているので、表の数字だけで「難しくなった」「易しくなった」と読まないことが大切です。

合格基準は 60% の絶対基準

電気工事施工管理技術検定の合格基準は、1級・2級とも得点 60% 以上です。1級の第一次検定だけは、施工管理法(応用能力)の得点も 50% 以上(6 問中 3 問以上)が要ります。上位の何割を合格させる相対評価ではありません。合格率が低い年は基準点に届いた人が少なかったというだけで、周りの受検者と点を競う試験ではないということです。

ただし受検の手引には、試験の実施状況などを踏まえて基準を変える可能性がある旨も書かれていて、実際に基準が下がった回があります(2級 第一次検定の令和元年度後期と令和2年度は 40 問中 22 問)。ただ、下がることを当てにはできません。準備の段階では 7 割の得点を目標に置いてください。

各年度の受検者数・合格者数・合格率は難易度・合格率のページに表でまとめています。この記事では、その数字をどう読むかを扱います。

1級 第一次検定:令和6年度から受検者が大きく増えた

年度受検者数合格者数合格率
令和5年度16,265 人6,606 人40.6%
令和6年度23,927 人8,784 人36.7%
令和7年度24,821 人10,290 人41.5%
令和8年度27,387 人9,947 人36.3%

令和6年度に、第一次検定の受検資格が「その年度中に 19 歳以上になる人」に変わり、学歴や実務経験がなくても受けられるようになりました。受検者は令和5年度の 16,265 人から令和6年度の 23,927 人へ、1 年で約 1.5 倍に増えています。令和8年度は 27,387 人で、さらに増えました。

受検者の層が広がった令和6年度の合格率は 36.7% で、令和7年度は 41.5%、令和8年度は 36.3% でした。受検者が増える前の令和3〜5年度も 38.3〜53.3% と動いていて、受検者数と合格率の関係を数年分の数字で言い切ることはできません。平成29年度から令和8年度までの 10 回は 36.3%(令和8年度)〜56.1%(平成30年度)の間にあり、直近は「4 割前後」と考えて準備するのが現実的です。

令和8年度の合格率は、主催者の発表資料に率の記載がなく、受検者数と合格者数から当サイトが計算した値です。令和2年度以前は学科試験の値です。

1級 第二次検定:5 割前後から 7 割台まで大きく動く

第二次検定の合格率は、令和3年度 58.8%、令和4年度 59.0%、令和5年度 53.0%、令和6年度 49.6%(受検者 8,250 人・合格者 4,093 人)、令和7年度 69.6%(9,494 人・6,607 人)でした。令和8年度(10 月 18 日実施)の発表は令和9年1月8日の予定です。

令和6年度は、施工経験記述が「示された条件の電気工事について書く」形に変わった最初の年で、合格率が 5 割を切りました。ところが翌年度は 69.6% と、平成30年度から令和7年度までの 8 回で 3 番目に高い値です(いちばん高いのは平成30年度の 73.7%、次が令和2年度の 72.7%)。新しい形式のせいで難しくなった、とは言い切れない動きです。記述の練習を早めに始めておけば、どちらの年に当たっても対応できます。

不合格の人には評定が通知されます。B は得点が 40% 以上で合格基準に届かなかった人、C は 40% 未満の人です。B なら記述の質を上げれば届く距離、C なら計算・法規の択一式を含めて基礎から組み直す段階と受け止めると、次の年の計画を立てやすくなります。

2級 第一次検定:5 割前後から 6 割

直近の回は、令和6年度前期 49.8%、令和6年度後期 47.5%、令和7年度前期 60.3%、令和7年度後期 55.1%(受検者 6,841 人・合格者 3,772 人)、令和8年度前期 57.4%(4,646 人・2,669 人)です。平成29年度から令和8年度前期までの 16 回(平成30年度後期を除く)は 43.8%(令和5年度後期)〜65.3%(平成30年度前期)の間にあり、1級の第一次検定より合格率は高めです。

後期の受検者数には、第一次検定だけの人と、同じ日に第二次検定も受けた人の両方が入っています。前期は第一次検定だけの回で、直近の受検者は 4,000 人台と後期より少なめです。前期と後期のどちらかが易しいという傾向は、公表値からは読み取れません。

合格基準が 40 問中 22 問に下げられた令和元年度後期と令和2年度も、合格率は 56.1%・58.5% で、ほかの回と大きくは変わりませんでした。基準が引き下げられた回でも、合格率が跳ね上がるわけではないということです。2級は1級より合格率が高めですが、受検者の半分近くは不合格になる試験だと考えて、7 割の得点を目標に準備してください。

前期の合格率(令和5年度以降)は、主催者の発表資料の受検者数・合格者数から計算した値です。平成30年度後期は、同日受検を含む合計を一次資料で確かめられなかったので扱っていません。

2級 第二次検定:数え方で 4 割にも 6 割にも見える

建設業振興基金の結果表では、令和5年度 43.0%(受検者 6,543 人・合格者 2,816 人)、令和6年度 51.4%(4,782 人・2,460 人)、令和7年度 51.8%(5,023 人・2,600 人)です。

この受検者数には、同じ日の第一次検定で基準に届かず、第二次検定を採点されなかった人も含まれています。国土交通省が第一次検定の合格者(と第二次検定のみの受検者)だけで数えた値を発表していた令和3・4年度は、その数え方だと 68.7%・61.8% でした(結果表の数え方では 50.4%・46.7%)。つまり、第一次検定を突破した人の 6 割以上が第二次検定に合格していた計算です。2級の第二次検定の合格率が低く見えるのは、同日受検の第一次検定の不合格者が分母に入っているためでもあります。

1級の第二次検定(直近 3 回は 49.6〜69.6%)と比べて 2級が低く見えるのも、この数え方の違いが大きな理由です。級の難しさを比べるときは、同じ数え方の値どうしで比べてください。

何問正解すれば受かるか

検定解答数合格ライン補足
1級 第一次検定60 問(89 問から)36 問かつ施工管理法(応用能力)6 問中 3 問
2級 第一次検定40 問(62 問から)24 問分野ごとの基準はない
1級 第二次検定記述 4 問+五肢択一 2 問得点の 60%配点は非公表。択一式の正答肢は公表される
2級 第二次検定記述 3 問+四肢択一 2 問得点の 60%配点は非公表。同日受検で第一次が基準未満なら採点されない

1級は応用能力の 6 問が関門

応用能力は令和3年度から 6 問の五肢択一で、基準は 6 問中 3 問のまま変わっていません(令和3〜8年度)。落とせるのは 3 問までなので、施工計画・工程管理・品質管理の 3 分野で 1 問ずつ確実に取れる準備をしておくと安心です。ネットワーク工程表の計算問題は、手順どおりに解けば答えが一つに決まるので得点源になります。

1級の必須問題は、電気工学 6 問・設計と契約 2 問・応用能力 6 問・施工管理 7 問の計 21 問です(令和8年度)。必須で 15 問取れれば、選択の 39 問から 21 問で合格ラインに届きます。

2級は必須 9 問と施工管理で土台を作る

2級の必須は、電気工学 4 問・設計と契約 1 問・能力問題 4 問の 9 問だけで、残りの 31 問は選択です。必須で 6 問取り、選択の 31 問から 18 問取れば 24 問に届きます。選択問題は範囲が広いぶん、得意な分野だけで解答数を埋められるように、法規と施工管理を厚くしておくのが確実です。

第二次検定は全問に答えることが前提

第二次検定は配点が非公表のため、何問正解すればよいかは示せません。ただ、択一式(1級の問題5・6、2級の問題4・5)は正答が一つに決まります。ここで取り切ったうえで、施工経験記述と記述問題の解答欄をすべて埋めるのが、60% に届くための最低条件です。

よくある質問

1級と2級ではどちらが難しいですか?

出題の範囲はほぼ同じですが、1級は問題数が多く、応用能力の基準(6 問中 3 問)があります。直近 3 回の第一次検定の合格率は、1級が 36.3〜41.5%、2級が 55.1〜60.3% で、第一次検定は1級のほうが低くなっています。

受検者が増えると不利になりますか?

基準は得点 60% で固定されているので、受検者の数が自分の合否を左右することはありません。1級 第一次検定は令和6年度に受検者が約 1.5 倍になりましたが、翌年度の合格率は 41.5% に上がっています。

2級の第二次検定の合格率が1級より低いのはなぜですか?

建設業振興基金の結果表の受検者数には、同じ日の第一次検定で基準に届かず採点されなかった人も含まれるためです。第一次検定の合格者だけで数えた値が公表されていた令和3・4年度は、60% を超えていました。

第二次検定に落ちたとき、点数は教えてもらえますか?

点数ではなく評定が通知されます。B は得点が 40% 以上で合格基準未満、C は 40% 未満です。1級の第一次検定の不合格者には、正解した問題数が通知されます。

あわせて読む

出典・参考:一般財団法人 建設業振興基金の結果表・実施結果(令和8年度 1級 第一次検定、令和7年度 1級、令和7年度 2級 ほか)、国土交通省の報道発表(令和4年度以前。令和4年度 2級 第二次検定 ほか)、令和8年度 1級 受検の手引(合格基準・成績の通知)

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