平成30年度 問題4論点:技術用語の記述重要度 A未着手

技術用語の技術的な内容(12の用語から4つ選んで2つずつ)

これは1級電気工事施工管理技士 第二次検定 平成30年度(2018年10月14日(日)実施) 問題4の問題です。論点は「技術用語の記述」(重要度A・解答の形は記述・五肢択一)。採点すると、解き方 2 手順・引っかけの指摘が読めます。

電気工事に関する次の用語の中から4つを選び,番号と用語を記入のうえ,技術的な内容を,それぞれについて2つ具体的に記述しなさい。

ただし,技術的な内容とは,施工上の留意点,選定上の留意点,動作原理,発生原理,定義,目的,用途,方式,方法,特徴,対策などをいう。

1. 汽力発電のタービン発電機

2. スコット変圧器

3. 送電線の多導体方式

4. 送電線の分路リアクトル

5. 電力デマンド制御

6. CB形のキュービクル式高圧受電設備

7. 交流無停電電源装置(UPS)

8. LANのスイッチングハブ

9. 列車集中制御装置(CTC)

10. 電気鉄道の電食防止対策

11. 交通信号の感応制御

12. 過電流継電器(OCR)の動作試験

(本試験では12の用語から4つを選んで解答する。ここではすべての用語に2つずつ記述例を示すので,自己採点は選んだ4つの用語で行う。)

解答欄

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本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

1. 汽力発電のタービン発電機(1つ目) 模範解答

蒸気タービンで駆動される同期発電機で,2極又は4極の高速機のため,回転子は遠心力に耐える細長い円筒形(横軸形)とする。

59 字
別解

蒸気タービンと直結して3,000又は3,600min⁻¹で回転する2極の円筒形回転子の同期発電機である。

1. 汽力発電のタービン発電機(2つ目) 模範解答

大容量機は発熱が大きいため,固定子や回転子の冷却に水素ガスや水を用い,水素冷却は風損が小さく冷却効率が高い。

54 字
別解

回転子が細長く危険速度に近い回転域があるので,据付け時の軸心調整と振動の監視を確実に行う。

2. スコット変圧器(1つ目) 模範解答

三相電源から位相が90°異なる2組の単相電源を得る変圧器で,T座とM座の2台の単相変圧器を組み合わせて結線する。

56 字
別解

三相を二相に変換する結線の変圧器で,M座の中点にT座の一端をつなぎ,T座の巻数をM座の√3/2倍とする。

2. スコット変圧器(2つ目) 模範解答

2組の単相負荷が平衡していれば三相側の電流も平衡するので,電気鉄道のき電用や非常用の単相負荷の電源に用いる。

54 字
別解

単相負荷を三相電源に接続する際の電圧不平衡を抑えるため,交流電気鉄道の変電所のき電用変圧器に使われる。

3. 送電線の多導体方式(1つ目) 模範解答

1相の電線を2本以上の素導体に分け,スペーサで一定の間隔に保って架線する方式で,超高圧の送電線に用いる。

52 字
別解

1相当たり複数の素導体をスペーサで保持して架線する方式で,等価的に電線の太さを大きくしたことになる。

3. 送電線の多導体方式(2つ目) 模範解答

電線表面の電位の傾きが小さくなるのでコロナ放電の発生が抑えられ,インダクタンスが減り送電容量が増える。

51 字
別解

素導体どうしの衝突を防ぐためスペーサを設けるが,着氷雪や強風で生じるサブスパン振動への対策が必要になる。

4. 送電線の分路リアクトル(1つ目) 模範解答

送電線路に並列に接続するリアクトルで,長距離送電線やケーブル系統の静電容量による進み電流を補償する。

50 字
別解

変電所の母線や変圧器の三次巻線に並列に接続し,遅れ無効電力を消費する調相設備である。

4. 送電線の分路リアクトル(2つ目) 模範解答

軽負荷時のフェランチ効果による受電端電圧の上昇を抑え,系統電圧を適正に保つために投入する。

45 字
別解

深夜など軽負荷時に投入し,重負荷時には開放して,系統の電圧と無効電力を調整する。

5. 電力デマンド制御(1つ目) 模範解答

需要電力を一定時限(30分)ごとに監視し,予測した需要電力が目標値を超えそうなとき負荷を遮断・抑制する制御である。

57 字
別解

30分ごとの平均使用電力(デマンド)を予測し,契約電力を超えないよう警報を出し空調などの負荷を制御する。

5. 電力デマンド制御(2つ目) 模範解答

最大需要電力を抑えることで契約電力を下げ,基本料金を削減するとともに受電設備容量の抑制や省エネルギーにつながる。

56 字
別解

制御する負荷は,空調・換気など一時停止しても支障の少ないものを選び,優先順位を決めて順に遮断する。

6. CB形のキュービクル式高圧受電設備(1つ目) 模範解答

主遮断装置に高圧交流遮断器(CB)を用い,過電流継電器や地絡継電器と組み合わせて事故電流を遮断する方式である。

55 字
別解

受電設備の主遮断装置に遮断器を使用し,保護継電器で過負荷・短絡・地絡を検出して遮断するキュービクルである。

6. CB形のキュービクル式高圧受電設備(2つ目) 模範解答

PF・S形に比べ大容量の受電に使え,一般に受電設備容量4,000kVA以下に用いられ,保護協調が取りやすい。

54 字
別解

CBの遮断容量は受電点の短絡電流以上のものを選び,電力会社の配電用変電所の保護装置と動作協調を取る。

7. 交流無停電電源装置(UPS)(1つ目) 模範解答

整流器・インバータ・蓄電池で構成し,商用電源の停電や瞬時電圧低下時にも蓄電池から負荷へ無瞬断で交流電力を供給する。

57 字
別解

常時インバータ給電方式では,商用電源を整流器で直流にし,インバータで安定した交流に変換して負荷に供給する。

7. 交流無停電電源装置(UPS)(2つ目) 模範解答

電算機・通信機器など重要負荷の電源に用い,UPSの故障や保守時に商用へ切り替えるバイパス回路を設ける。

51 字
別解

容量は負荷の皮相電力と突入電流から選定し,蓄電池は必要な停電補償時間を満たす容量とする。

8. LANのスイッチングハブ(1つ目) 模範解答

受信したフレームの宛先MACアドレスを読み取り,該当する機器が接続されたポートにだけ転送する集線装置である。

54 字
別解

MACアドレステーブルを学習して宛先のポートにのみデータを送るレイヤ2の中継装置である。

8. LANのスイッチングハブ(2つ目) 模範解答

不要なポートにデータを送らないので衝突が起きにくく,ネットワーク全体の通信速度の低下を防げる。

47 字
別解

VLAN機能で論理的にネットワークを分割でき,PoE対応品は端末にLANケーブルで給電できる。

9. 列車集中制御装置(CTC)(1つ目) 模範解答

指令所で線区内の列車の運行状況を表示し,各駅の信号機や転てつ器を遠隔で集中して制御する装置である。

49 字
別解

中央の指令所から各駅の進路を遠隔で設定し,線区全体の列車運行を一元的に管理する装置である。

9. 列車集中制御装置(CTC)(2つ目) 模範解答

駅の運転取扱い要員を減らせ,ダイヤ乱れ時も指令所で全体を見て運転整理ができ,輸送の効率と安全性が向上する。

53 字
別解

列車番号を追跡して進路を自動で設定するPRC(自動進路制御)と組み合わせて用いられる。

10. 電気鉄道の電食防止対策(1つ目) 模範解答

帰線のレール電位を下げるため,レールの継目にレールボンドを施し,変電所間隔を短くするなどして帰線抵抗を小さくする。

57 字
別解

レールから大地への漏れ電流を減らすため,道床の排水を良くしてレールと大地間の絶縁を高く保つ。

10. 電気鉄道の電食防止対策(2つ目) 模範解答

埋設金属管側では,選択排流器や強制排流器でレールに電流を戻す排流法を行い,管の塗覆装を強化する。

48 字
別解

埋設管とレールの間隔を大きく取り,管の継手に絶縁継手を入れて迷走電流の流入を防ぐ。

11. 交通信号の感応制御(1つ目) 模範解答

車両感知器で交通量を検出し,その量に応じて青信号の時間を変える制御で,交通量の変動が大きい交差点に用いる。

53 字
別解

車両感知器の情報で信号の表示時間を交通の到着状況に合わせて変化させる制御方式である。

11. 交通信号の感応制御(2つ目) 模範解答

全感応制御は全流入路,半感応制御は従道路だけに感知器を設け,従道路に車両がある場合だけ青を出す。

48 字
別解

交通量が少ないときの無駄な待ち時間を減らし,交差点の処理効率を高められる。

12. 過電流継電器(OCR)の動作試験(1つ目) 模範解答

試験器で継電器に電流を流し,限時要素の動作時間が整定値と動作特性曲線に合っているかを確かめる試験である。

52 字
別解

整定電流値の300%・700%などの電流を流して動作時間を測定し,許容誤差以内であることを確認する。

12. 過電流継電器(OCR)の動作試験(2つ目) 模範解答

最小動作電流試験,瞬時要素の動作試験,遮断器と連動させた連動試験を行い,遮断器が確実に開放することを確認する。

55 字
別解

試験時は誤って受電用遮断器を開放しないよう,トリップ回路を切り離すか連動試験の手順を関係者と確認する。

要点(書けていたものにチェック)1. 汽力発電のタービン発電機(1つ目)1. 汽力発電のタービン発電機(2つ目)2. スコット変圧器(1つ目)2. スコット変圧器(2つ目)3. 送電線の多導体方式(1つ目)3. 送電線の多導体方式(2つ目)4. 送電線の分路リアクトル(1つ目)4. 送電線の分路リアクトル(2つ目)5. 電力デマンド制御(1つ目)5. 電力デマンド制御(2つ目)6. CB形のキュービクル式高圧受電設備(1つ目)6. CB形のキュービクル式高圧受電設備(2つ目)7. 交流無停電電源装置(UPS)(1つ目)7. 交流無停電電源装置(UPS)(2つ目)8. LANのスイッチングハブ(1つ目)8. LANのスイッチングハブ(2つ目)9. 列車集中制御装置(CTC)(1つ目)9. 列車集中制御装置(CTC)(2つ目)10. 電気鉄道の電食防止対策(1つ目)10. 電気鉄道の電食防止対策(2つ目)11. 交通信号の感応制御(1つ目)11. 交通信号の感応制御(2つ目)12. 過電流継電器(OCR)の動作試験(1つ目)12. 過電流継電器(OCR)の動作試験(2つ目)
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. 選んだ用語ごとに,定義・原理・目的と,特徴・用途・選定や施工上の留意点など,異なる観点から2つ書く。
  2. 数値や方式名(例:三相から位相差90°の二相,30分デマンド,2極の円筒形回転子)を入れると具体的になる。電気設備の技術基準の解釈や内線規程・高圧受電設備規程に関わる数値は,一般的な値として書けばよい。
引っかけ:1つの用語の2つの記述が同じ内容の言い換えになっていると,2つ目は得点になりにくい。定義・原理と,特徴・用途・施工上の留意点のように観点を分けて書く。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級電気工事施工管理技士 第二次検定 平成30年度(2018年10月14日(日)実施) 問題4。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する