工事進行基準(2年目・見積総原価の変更あり)
これは建設業経理士2級 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第1問 (5)(配点 4点)の問題です。論点は「工事進行基準・完成工事高」(重要度A・解答の形は記号+勘定科目+金額)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
次の各取引について仕訳を示しなさい。使用する勘定科目は下記の<勘定科目群>から選び、その記号(A〜X)と勘定科目を書くこと。
前期に着工した請負金額 ¥28,000,000 のA工事については、工事進行基準を適用して収益計上している。前期における工事原価発生額は ¥1,666,000 であり、当期は ¥9,548,000 であった。工事原価総額の見積額は当初 ¥23,800,000 であったが、当期において見積額を ¥24,920,000 に変更した。工事進捗度の算定について原価比例法によっている場合、当期の完成工事高に関する仕訳を示しなさい。
A現金B当座預金C受取手形D完成工事未収入金E未成工事支出金F仮払法人税等G機械装置H工事未払金J貸倒引当金K未払法人税等L資本金Mその他資本剰余金N利益準備金Q完成工事高R完成工事原価S貸倒損失T貸倒引当金戻入益U償却債権取立益W固定資産売却益X法人税、住民税及び事業税
解答欄
正解
| 記号 | 借方科目 | 金額 | 記号 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| D | 完成工事未収入金 | 10,640,000 | Q | 完成工事高 | 10,640,000 |
解き方
- 前期の完成工事高:進捗率 = 1,666,000 ÷ 23,800,000(当初の見積額)= 7%。28,000,000 × 7% = 1,960,000。
- 当期末までの累計:進捗率 = (1,666,000 + 9,548,000) ÷ 24,920,000(変更後の見積額)= 11,214,000 ÷ 24,920,000 = 45%。28,000,000 × 45% = 12,600,000。
- 当期の完成工事高 = 12,600,000 − 1,960,000 = 10,640,000。借方 完成工事未収入金 / 貸方 完成工事高。
引っかけ:前期分は当初の見積額 23,800,000 で、当期の累計は変更後の見積額 24,920,000 で計算する。当期発生額だけで進捗率を出したり、前期分まで変更後の見積額で計算し直したりしない。
現行基準との関係:「工事進行基準」は廃止された「工事契約に関する会計基準」の用語で、現行の「収益認識に関する会計基準」(2021年4月1日以後開始する事業年度から適用)では、建設工事を「一定の期間にわたり充足される履行義務」として、原価比例法(インプット法)で見積った進捗度に応じて収益を認識する。見積総原価の変更は会計上の見積りの変更として、変更後の見積りによる累計進捗度で計算し直し、前期までの計上額との差額を当期の収益にするため、計算手順と答えは本問と同じになる。本試験は引き続き「工事進行基準」の表現で出題している。なお、収益認識基準では請求前の部分は契約資産にあたるが、建設業の財務諸表様式では完成工事未収入金に含めて表示するのが一般的で、本試験でも借方は完成工事未収入金とする。
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論点ページ:工事進行基準・完成工事高の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第32回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第1問 (5)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する