工事進行基準(2年目・見積総原価の変更あり)
これは建設業経理士2級 第31回(2022年9月11日(日)実施) 第1問 (4)(配点 4点)の問題です。論点は「工事進行基準・完成工事高」(重要度A・解答の形は記号+勘定科目+金額)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
次の各取引について仕訳を示しなさい。使用する勘定科目は下記の<勘定科目群>から選び、その記号(A〜X)と勘定科目を書くこと。
甲工事(工期は 5 年、請負金額 ¥550,000,000、総工事原価見積額 ¥473,000,000)は、前期より着工し、工事進行基準を適用している。当期末において、実行予算の見直しを行い、追加の工事原価見積額 ¥5,000,000 を認識した。前期の工事原価発生額 ¥70,950,000、当期の工事原価発生額 ¥72,450,000 であった。当期の完成工事高に関する仕訳を示しなさい。
A現金B当座預金C受取手形D完成工事未収入金E建物F建設仮勘定G投資有価証券H営業外支払手形J工事未払金K社債L修繕引当金M完成工事補償引当金N資本金Q資本準備金R完成工事高S完成工事原価T完成工事補償引当金繰入額U社債利息W有価証券利息X修繕費
解答欄
正解
| 記号 | 借方科目 | 金額 | 記号 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| D | 完成工事未収入金 | 82,500,000 | R | 完成工事高 | 82,500,000 |
解き方
- 前期の完成工事高:進捗率 = 70,950,000 ÷ 473,000,000 = 15%。550,000,000 × 15% = 82,500,000。
- 当期末の見積総原価 = 473,000,000 + 5,000,000 = 478,000,000。累計発生原価 = 70,950,000 + 72,450,000 = 143,400,000。累計進捗率 = 143,400,000 ÷ 478,000,000 = 30%。
- 累計完成工事高 = 550,000,000 × 30% = 165,000,000。当期分 = 165,000,000 − 82,500,000 = 82,500,000。
- 借方 完成工事未収入金 82,500,000 / 貸方 完成工事高 82,500,000。
引っかけ:見積総原価が変わったときは、当期発生原価だけで進捗率を出してはいけない。「変更後の見積総原価で累計進捗率を出し、前期までの計上額を引く」手順で計算する。前期の進捗率は変更前の 473,000,000 で計算する点にも注意。
現行基準との関係:「工事進行基準」は廃止された「工事契約に関する会計基準」の用語で、現行の「収益認識に関する会計基準」(2021年4月1日以後開始する事業年度から適用)では、建設工事を「一定の期間にわたり充足される履行義務」として、原価比例法(インプット法)で見積った進捗度に応じて収益を認識する。見積総原価の変更は会計上の見積りの変更として、変更後の見積りによる累計進捗度で計算し直し、前期までの計上額との差額を当期の収益にするため、計算手順と答えは本問と同じになる。本試験は引き続き「工事進行基準」の表現で出題している。なお、収益認識基準では請求前の部分は契約資産にあたるが、建設業の財務諸表様式では完成工事未収入金に含めて表示するのが一般的で、本試験でも借方は完成工事未収入金とする。
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論点ページ:工事進行基準・完成工事高の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第31回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第31回(2022年9月11日(日)実施) 第1問 (4)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する