第30回 第1問 (4)論点:工事進行基準・完成工事高重要度 A配点 4点未着手

工事進行基準(2年目・請負金額の増額あり)

これは建設業経理士2級 第30回(2022年3月13日(日)実施) 第1問 (4)(配点 4点)の問題です。論点は「工事進行基準・完成工事高」(重要度A・解答の形は記号+勘定科目+金額)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。

次の各取引について仕訳を示しなさい。使用する勘定科目は下記の<勘定科目群>から選び、その記号(A〜X)と勘定科目を書くこと。

前期に着工したS工事については、前期より工事進行基準を適用している。S工事の工期は 4 年、請負金額 ¥45,000,000、総工事原価見積額 ¥37,500,000、前期の工事原価発生額 ¥7,500,000、当期の工事原価発生額 ¥11,250,000 であった。なお、当期において得意先との交渉により、請負金額を ¥5,000,000 増額することができた。当期の完成工事高に関する仕訳を示しなさい。

A現金B当座預金C別段預金D受取手形E完成工事未収入金F機械装置G仮払消費税H未収消費税J手形貸付金K支払手形L減価償却累計額M仮受消費税N未払消費税Q借入金R資本金S利益準備金T新株式申込証拠金U完成工事高W固定資産売却益X固定資産売却損

解答欄

借方

貸方

借方・貸方は 3 行まで使えます。使わない行は空欄のままにしてください。

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

記号借方科目金額記号貸方科目金額
E完成工事未収入金16,000,000U完成工事高16,000,000

解き方

  1. 前期の完成工事高 = 45,000,000 × (7,500,000 ÷ 37,500,000) = 45,000,000 × 20% = 9,000,000。
  2. 当期末までの累計進捗率 = (7,500,000 + 11,250,000) ÷ 37,500,000 = 50%。請負金額は増額後の 45,000,000 + 5,000,000 = 50,000,000 を使う。累計の完成工事高 = 50,000,000 × 50% = 25,000,000。
  3. 当期の完成工事高 = 25,000,000 − 9,000,000 = 16,000,000。借方 完成工事未収入金 E / 貸方 完成工事高 U。
引っかけ:増額後の請負金額で「累計」を計算し直し、前期分(増額前の請負金額で計上した 9,000,000)を引くのが正しい手順。当期発生原価の割合 30% に 50,000,000 を掛けて 15,000,000 とするのは誤り。
現行基準との関係:「工事進行基準」は廃止された「工事契約に関する会計基準」の用語で、現行の「収益認識に関する会計基準」(2021年4月1日以後開始する事業年度から適用)では、建設工事を「一定の期間にわたり充足される履行義務」として、原価比例法(インプット法)で見積った進捗度に応じて収益を認識する。請負金額の増額は契約変更(取引価格の変更)にあたり、変更後の取引価格で累計の収益を計算し直して前期までの計上額との差額を当期に計上する(累積的なキャッチアップ)ため、計算手順と仕訳は本問と同じになる。本試験は引き続き「工事進行基準」の表現で出題している。なお、収益認識基準では請求前の部分は契約資産にあたるが、建設業の財務諸表様式では完成工事未収入金に含めて表示するのが一般的で、本試験でも借方は完成工事未収入金とする。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第30回(2022年3月13日(日)実施) 第1問 (4)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する