株主資本等変動計算書(配当と利益準備金・吸収合併・増資・当期純利益)
これは建設業経理士1級 財務諸表 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第4問(配点 14点)の問題です。論点は「純資産・持分・株主資本等変動計算書」(重要度A・解答の形は仕訳(記号+勘定科目+金額)または金額(千円))。採点すると、解き方 6 手順・引っかけの指摘が読めます。
次の<資料>に基づき、20×7年3月期(20×6年4月1日〜20×7年3月31日)の株主資本等変動計算書(一部)を完成し、①〜⑦にあてはまる金額を解答用紙の所定の欄に記入しなさい。なお、金額がマイナスの場合には、金額の前に△をつけること。
<資料>
1.20×6年6月24日に開催された定時株主総会において、剰余金の処分が次のとおり承認された。
(1) 繰越利益剰余金を財源とし、株主への配当金を 1株につき 330円にて実施する。なお、この時点における当社の発行済株式総数は 32,000株である。あわせて、会社法で規定する額の利益準備金を計上する。
(2) 別途積立金を新たに 3,000 千円計上する。
2.20×6年7月25日に㈱A建設を吸収合併した。同社の諸資産(時価)は 360,000 千円、諸負債(時価)は 240,000 千円であった。合併の対価として、同社の株主に対して当社の新株 10,000株(時価@15,000円)を交付し、資本金増加額は 90,000 千円、資本準備金増加額は 40,000 千円、およびその他資本剰余金増加額は 20,000 千円とした。
3.20×6年12月15日に増資を行い、2,000株を 1株につき 16,500円で発行した。払込金は全額当座預金に預け入れた。資本金は、会社法で規定する最低額を計上することとした。なお、増資に当たり手数料その他の支出として 500 千円を現金で支払った。
4.20×7年3月31日に決算を行った結果、当期純利益は 67,000 千円であることが判明した。
- (入力のしかた)マイナスの金額は △ の代わりに − を付けて入力する(例:−1,000)。表の①〜⑦以外の欄は本試験でも記入しない。
解答欄
正解
| 株主資本 | 資本金 | 資本準備金 | その他資本剰余金 | 資本剰余金合計 | 利益準備金 | 別途積立金 | 繰越利益剰余金 | 利益剰余金合計 | 株主資本合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 当期首残高 | 295,000 | 12,300 | 26,500 | 38,800 | 26,400 | 5,000 | 30,600 | 62,000 | 395,800 |
| 当期変動額 | |||||||||
| 剰余金の配当 | 1,056 | -10,560 | |||||||
| 別途積立金の積立 | |||||||||
| 吸収合併 | 90,000 | 60,000 | |||||||
| 新株の発行 | 16,500 | ||||||||
| 当期純利益 | 67,000 | ||||||||
| 当期変動額合計 | |||||||||
| 当期末残高 | 635,240 | ||||||||
解き方
- ① 配当額 = 32,000株 × 330円 = 10,560 千円。会社法の利益準備金の積立額 = 配当額 × 1/10 = 1,056。上限は資本金 295,000 × 1/4 = 73,750 − (資本準備金 12,300 + 利益準備金 26,400) = 35,050 で、1,056 はこれを下回るので全額積み立てる。仕訳:(借)繰越利益剰余金 11,616 /(貸)未払配当金 10,560・利益準備金 1,056。
- ② 剰余金の配当による利益剰余金合計の変動 = 繰越利益剰余金 △11,616 + 利益準備金 1,056 = △10,560。利益準備金の積立は利益剰余金の中の振替なので、合計は配当額の分だけ減る。
- ③④ 吸収合併の対価 = 10,000株 × 15,000円 = 150,000 を、資本金 90,000・資本準備金 40,000・その他資本剰余金 20,000 に分ける。③ 資本金 90,000、④ 資本剰余金合計 = 40,000 + 20,000 = 60,000。受け入れた純資産 360,000 − 240,000 = 120,000 との差額 30,000 はのれんになり、株主資本には影響しない。
- ⑤ 払込金額 = 2,000株 × 16,500円 = 33,000。会社法の最低額は 1/2 なので資本金 16,500、残りの 16,500 が資本準備金。手数料 500 は株式交付費(費用または繰延資産)で、株主資本は動かない。
- ⑥ 当期純利益 67,000 は繰越利益剰余金の増加。
- ⑦ 株主資本合計の当期末残高 = 期首 395,800 − 配当 10,560 + 吸収合併 150,000 + 新株の発行 33,000 + 当期純利益 67,000 = 635,240。別途積立金の積立(繰越利益剰余金 △3,000・別途積立金 +3,000)は合計に影響しない。
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第33回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務諸表 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第4問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する