部門別計算・基準操業度・人件費・間接費配賦の用語選択

これは建設業経理士1級 原価計算 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第2問(配点 10点)の問題です。論点は「部門別計算(補助部門費の配賦:直接・階梯式・相互配賦法、複数基準)」(重要度B・解答の形は記号(AまたはB/ア〜ナ等)5〜10か所)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。

次の文章の【 】の中に入るべき最も適切な用語を下記の<用語群>の中から選び、その記号(ア〜タ)を解答用紙の所定の欄に記入しなさい。

(1) 補助部門の【1】とは、補助経営部門が相当の規模になった場合に、これを独立した経営単位とし、部門別計算上、施工部門として扱うことと解釈される。

(2) 間接費の配賦に際して、数年という景気の 1 循環期間にわたってキャパシティ・コストを平均的に吸収させようとする考えで選択された操業水準を【2】という。

(3) 経費のうち、従業員給料手当、退職金、【3】および福利厚生費を人件費という。

(4) 個別原価計算における間接費は、原則として、【4】率をもって各指図書に配賦する。

(5) 補助部門費の施工部門への配賦方法のうち、補助部門間のサービスの授受を計算上すべて無視して配賦計算を行う方法を【5】という。

  • <用語群>
  • ア 実際配賦 イ 相互配賦法 ウ 変動予算 エ 実現可能最大操業度
  • オ 長期正常操業度 カ 実行予算 キ 施工部門化 ク 予定配賦
  • コ 変動予算 サ 法定福利費 シ 階梯式配賦法 ス 労務管理費
  • セ 社内センター化 ソ 直接配賦法 タ 次期予定操業度

解答欄

それぞれの空欄に当てはまるものを選んで「採点する」を押してください。

正解

空欄1キ
空欄2オ
空欄3サ
空欄4ク
空欄5ソ

解き方

  1. 1(キ 施工部門化):補助経営部門(機械部門・車両部門・仮設部門など)が相当の規模になったとき、これを独立した経営単位として部門別計算上は施工部門と同じように扱うことを「補助部門の施工部門化」という。「社内センター化(セ)」は補助部門を社内のコストセンターまたはプロフィットセンターとして扱い、損料などで工事に費用を負担させる仕組みを指す言葉なので、ここでは施工部門化が適切になる。
  2. 2(オ 長期正常操業度):基準操業度のうち、数年(景気の 1 循環期間)にわたる平均的な操業水準を選び、キャパシティ・コスト(固定費)を平均的に製品・工事に吸収させようとするものが長期正常操業度になる。実現可能最大操業度(エ)は実現可能な最大の操業水準、次期予定操業度(タ)は次の 1 年間の予定操業水準を指す。
  3. 3(サ 法定福利費):建設業法施行規則の完成工事原価報告書では、経費のうち従業員給料手当・退職金・法定福利費・福利厚生費を「人件費」として内書きする。労務管理費(ス)は人件費に含まれない。
  4. 4(ク 予定配賦):個別原価計算における間接費は、原則として予定配賦率をもって各指図書に配賦する(『原価計算基準』三三)。実際配賦(ア)では計算が遅れ、操業度の変動で単位原価が変動するため原則ではない。
  5. 5(ソ 直接配賦法):補助部門間の用役の授受を計算上すべて無視し、補助部門費を施工部門にだけ配賦する方法が直接配賦法になる。階梯式配賦法(シ)は配賦順序を決めて一方向の授受だけを考慮し、相互配賦法(イ)は補助部門相互の授受を考慮する。
引っかけ:1は「社内センター化」と迷いやすい。「部門別計算上、施工部門として扱う」という文なので施工部門化を選ぶ。2は「景気の 1 循環期間」「平均的に吸収」が長期正常操業度のキーワードになる。3は労務管理費ではなく法定福利費が人件費の内訳になる。用語群にはウとコの両方に「変動予算」があるが、どの空欄にも入らない。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 原価計算 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第2問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する