第30回 第3問 問2〔固定費〕論点:部門別計算(補助部門費の配賦:直接・階梯式・相互配賦法、複数基準)重要度 B配点 8点未着手

階梯式配賦法・複数基準による補助部門費配賦表(固定費を用役提供能力で配賦)

これは建設業経理士1級 原価計算 第30回(2022年3月13日(日)実施) 第3問 問2〔固定費〕(配点 8点)の問題です。論点は「部門別計算(補助部門費の配賦:直接・階梯式・相互配賦法、複数基準)」(重要度B・解答の形は金額(+記号A/B)、第30回のみ配賦表)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。

鉄筋工事を請負う当社は、第 1 部門と第 2 部門で工事を実施している。また、各施工部門に共通して補助的なサービスを提供している修繕部門、運搬部門および管理部門を独立させて、部門ごとの原価管理を実施している。次の<資料>にもとづいて、下の設問に答えなさい。なお、計算の過程で端数が生じた場合は、各補助部門費の配賦すべき金額の計算結果の段階で円未満を四捨五入すること。

問2 補助部門の固定費と変動費とを区別し、それぞれ適切な配賦基準によって配賦する場合の補助部門費配賦表を作成しなさい。ただし、補助部門費の配賦の順番は、解答用紙に示したとおりとする。また、補助部門の固定費は消費部門にとっても固定費、変動費は消費部門にとっても変動費として処理すること。

〔固定費〕の配賦表を作成する(配賦の順番:管理部門費 → 修繕部門費 → 運搬部門費)。

  • 1.各原価部門における当月の部門固有費実際発生額は次のとおりである。(単位:円)
第 1 部門第 2 部門修繕部門運搬部門管理部門
固定費3,080,0002,580,000438,800376,000400,000
変動費1,640,0001,920,000360,0001,224,000200,000
合計4,720,0004,500,000798,8001,600,000600,000
  • 2.修繕部門の用役提供能力の規模は、長期平均的な用役消費量に合わせて決定されている。各施工部門および運搬部門の平均操業度のもとで必要となる修繕作業時間(年間)および当月における実際修繕作業時間は次のとおりである。
平均操業度実際修繕作業時間
第 1 部門1,268 時間99 時間
第 2 部門812 時間81 時間
運搬部門314 時間9 時間
計2,394 時間189 時間
  • 3.運搬部門の用役提供能力の規模は、完全操業度に消費される用役を提供できるように決定されている。各施工部門および修繕部門の実際的生産能力のもとでの運搬距離(年間)および当月における実際運搬距離は次のとおりである。
実際的生産能力実際運搬距離
第 1 部門1,500 km120 km
第 2 部門1,200 km60 km
修繕部門300 km20 km
計3,000 km200 km
  • 4.各部門における従業員数および実際作業時間は次のとおりである。なお、従業員数は、管理部門用役の消費能力を示すものであり、また、管理部門の変動費は、当社全体の作業時間数に応じて発生する。
第 1 部門第 2 部門修繕部門運搬部門管理部門
従業員数50 人30 人10 人10 人4 人
作業時間数9,000 時間7,000 時間2,000 時間2,000 時間700 時間
  • 5.補助部門費は、階梯式配賦法により各関係部門に配賦している。

解答欄

問2〔固定費〕 補助部門費配賦表(単位:円)
項目第 1 部門第 2 部門(運搬部門)(修繕部門)(管理部門)
部門費合計
補助部門費
(管理部門費)
(修繕部門費)
(運搬部門費)
合計

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

問2〔固定費〕 補助部門費配賦表(単位:円)
項目第 1 部門第 2 部門(運搬部門)(修繕部門)(管理部門)
部門費合計3,080,0002,580,000376,000438,800400,000
補助部門費
(管理部門費)200,000120,00040,00040,000
(修繕部門費)253,600162,40062,800478,800
(運搬部門費)266,000212,800478,800
合計3,799,6003,075,200

解き方

  1. 複数基準配賦法では、補助部門の固定費は用役を提供する能力(消費能力)の割合で、変動費は実際の消費量で配賦する。固定費表の配賦順は管理 → 修繕 → 運搬で、列の並び(運搬・修繕・管理)が問1 と入れ替わっているので、部門費合計の行は資料 1 の固定費を列の順に写す(運搬部門 376,000、修繕部門 438,800)。
  2. 管理部門費(固定費)400,000:消費能力を示す従業員数で配賦する。管理部門自身を除く 50 + 30 + 10 + 10 = 100 人。第 1 部門 400,000 × 50 ÷ 100 = 200,000、第 2 部門 × 30 ÷ 100 = 120,000、運搬部門 × 10 ÷ 100 = 40,000、修繕部門 40,000。
  3. 修繕部門費(固定費):固有費 438,800 + 管理部門から 40,000 = 478,800。用役提供能力は平均操業度で、1,268 + 812 + 314 = 2,394 時間(運搬部門は後順位なので含める)。478,800 ÷ 2,394 = 200 円/時間。第 1 部門 200 × 1,268 = 253,600、第 2 部門 200 × 812 = 162,400、運搬部門 200 × 314 = 62,800。
  4. 運搬部門費(固定費):固有費 376,000 + 40,000 + 62,800 = 478,800。用役提供能力は実際的生産能力で、修繕部門は先順位なので除き 1,500 + 1,200 = 2,700 km。第 1 部門 478,800 × 1,500 ÷ 2,700 = 266,000、第 2 部門 × 1,200 ÷ 2,700 = 212,800。
  5. 合計:第 1 部門 3,080,000 + 200,000 + 253,600 + 266,000 = 3,799,600、第 2 部門 2,580,000 + 120,000 + 162,400 + 212,800 = 3,075,200。検算:3,799,600 + 3,075,200 = 6,874,800 = 固定費の部門費合計。
引っかけ:固定費表は列の順番が「運搬・修繕・管理」で、配賦順も管理 → 修繕 → 運搬に変わる。部門費合計を問1 と同じ並びで書き写すと運搬部門と修繕部門を取り違える。固定費の配賦基準は実際消費量ではなく能力(従業員数・平均操業度・実際的生産能力)を使い、運搬部門費は先順位の修繕部門の 300 km を分母に入れない。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 原価計算 第30回(2022年3月13日(日)実施) 第3問 問2〔固定費〕。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する