第32回 第3問 論点:機械等経費の損料計算(社内センター)重要度 B配点 14点未着手

大型クレーンの損料計算(運転時間当たり・供用日当たり損料額、現場への配賦額、損料差異)

これは建設業経理士1級 原価計算 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第3問(配点 14点)の問題です。論点は「機械等経費の損料計算(社内センター)」(重要度B・解答の形は金額(+記号A/B)、第30回のみ配賦表)。採点すると、解き方 7 手順・引っかけの指摘が読めます。

当社の大型クレーンに関する損料計算用の<資料>は次のとおりである。下の設問に解答しなさい。なお、計算の過程で端数が生じた場合は、計算途中では四捨五入せず、最終数値の円未満を四捨五入すること。

問1 大型クレーンの運転 1 時間当たり損料額と供用 1 日当たり損料額を計算しなさい。ただし、減価償却費については、両損料額の算定にあたって年当たり減価償却費の半額ずつをそれぞれ組み入れている。

問2 問1 の損料額を予定配賦率として利用し、M現場とN現場への配賦額を計算しなさい。

問3 初年度 3 月次における大型クレーンの損料差異を計算しなさい。なお、有利差異の場合は「A」、不利差異の場合は「B」を解答用紙の所定の欄に記入すること。

  • 1.大型クレーンは本年度期首において ¥32,000,000(基礎価格)で購入したものである。
  • 2.耐用年数 8 年、償却費率 90%、減価償却方法は定額法を採用する。
  • 3.大型クレーンの標準使用度合は次のとおりである。 年間運転時間 1,000 時間 年間供用日数 200 日
  • 4.年間の管理費予算は、基礎価格の 7% である。
  • 5.修繕費予算は、定期修繕と故障修繕があるため、次のように設定する。損料計算における修繕費率は、各年平均化するものとして計算する。
  •  修繕費予算 1〜3 年度 各年度 ¥2,100,000
  •        4〜8 年度 各年度 ¥2,500,000
  • 6.初年度 3 月次における大型クレーンの現場別使用実績は次のとおりである。
現場供用日数運転時間
M現場4 日15 時間
N現場12 日58 時間
その他の現場3 日14 時間
  • 7.初年度 3 月次の実績額は次のとおりである。 管理費 ¥210,500 修繕費 ¥402,500 減価償却費は月割経費である。

解答欄

円
円
円
円
円
A=有利差異、B=不利差異

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

問1 運転 1 時間当たり損料額4,150 円
問1 供用 1 日当たり損料額20,200 円
問2 M現場への配賦額143,050 円
問2 N現場への配賦額483,100 円
問3 初年度 3 月次の損料差異168,150 円
問3 記号B

解き方

  1. 損料計算では、減価償却費の半額と修繕費を年間運転時間で割って「運転時間当たり損料」、減価償却費の残り半額と管理費を年間供用日数で割って「供用日当たり損料」を求める。
  2. 年当たり減価償却費 = 32,000,000 × 90% ÷ 8 年 = 3,600,000。その半額 1,800,000 ずつを両損料に組み入れる。
  3. 管理費予算 = 32,000,000 × 7% = 2,240,000(供用日当たり損料に組み入れる)。修繕費予算は各年平均化するので (2,100,000 × 3 年 + 2,500,000 × 5 年) ÷ 8 年 = 18,800,000 ÷ 8 = 2,350,000(運転時間当たり損料に組み入れる)。
  4. 問1:運転 1 時間当たり損料額 = (1,800,000 + 2,350,000) ÷ 1,000 時間 = 4,150。供用 1 日当たり損料額 = (1,800,000 + 2,240,000) ÷ 200 日 = 20,200。
  5. 問2:M現場 = 20,200 × 4 日 + 4,150 × 15 時間 = 80,800 + 62,250 = 143,050。N現場 = 20,200 × 12 日 + 4,150 × 58 時間 = 242,400 + 240,700 = 483,100。
  6. 問3:損料差異 = 当月の配賦額(予定)- 当月の実際発生額。配賦額はその他の現場も含めた全現場分で、供用日数 4 + 12 + 3 = 19 日、運転時間 15 + 58 + 14 = 87 時間 → 20,200 × 19 + 4,150 × 87 = 383,800 + 361,050 = 744,850。
  7. 実際発生額 = 減価償却費(月割)3,600,000 ÷ 12 = 300,000 + 管理費 210,500 + 修繕費 402,500 = 913,000。差異 = 744,850 - 913,000 = -168,150。配賦額が実際発生額より少ない配賦不足なので不利差異(B)になる。
引っかけ:管理費は供用日当たり損料、修繕費は運転時間当たり損料に組み入れる(逆にしない)。修繕費率は初年度の 2,100,000 ではなく 8 年間を平均した 2,350,000 を使う。減価償却費は「償却費率 90%」を掛けてから耐用年数で割る。問3 の配賦額はM・N現場だけでなくその他の現場も含めた合計と比較し、実際発生額には月割の減価償却費 300,000 を忘れずに加える。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 原価計算 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第3問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する