施工経験記述(施工の計画・品質低下の防止・工程遅延の防止)
これは2級建築施工管理技士 第二次検定 令和3年度(2021年11月14日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した建築工事のうち,あなたの受検種別に係る工事の中から,施工の計画を行った工事を1つ選び,工事概要を具体的に記述したうえで,次の1.から2.の問いに答えなさい。
なお,建築工事とは,建築基準法に定める建築物に係る工事とし,建築設備工事を除くものとする。
〔工事概要〕
イ.工事名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容(新築等の場合:建物用途,構造,階数,延べ面積又は施工数量,主な外部仕上げ,主要室の内部仕上げ/改修等の場合:建物用途,建物規模,主な改修内容及び施工数量)
ニ.工期等(工期又は工事に従事した期間を年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
ヘ.あなたの業務内容
1. 工事概要であげた工事であなたが担当した工種において,施工の計画時に着目した項目を①の中から異なる3つを選び,②から④について具体的に記述しなさい。
ただし,②の工種名は同一の工種名でもよいが,③及び④はそれぞれ異なる内容を記述するものとする。また,コストについてのみ記述したものは不可とする。
① 着目した項目
a 施工方法又は作業方法
b 資材の搬入又は荷揚げの方法
c 資材の保管又は仮置きの方法
d 施工中又は施工後の養生の方法(ただし,労働者の安全に関する養生は除く)
e 試験又は検査の方法
② 工種名
③ 現場の状況と施工の計画時に検討したこと
④ 施工の計画時に検討した理由と実施したこと
2. 工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず,あなたの今日までの工事経験を踏まえて,「品質低下の防止」及び「工程遅延の防止」について,それぞれ①及び②を具体的に記述しなさい。
ただし,1. ③及び④と同じ内容の記述は不可とする。
① 施工の計画時に検討することとその理由
② 防止対策とそれに対する留意事項
解答欄
正解
○○市△△二丁目共同住宅新築工事
16 字○○株式会社△△営業所新築工事
○○町立△△小学校校舎大規模改修工事
○○県○○市△△二丁目
11 字○○県△△郡□□町大字○○
○○県○○市△△町三丁目
共同住宅,鉄筋コンクリート造,地上5階,延べ面積2,640m²,外壁:二丁掛タイル張り,主要室:床フローリング張り,壁・天井せっこうボード下地ビニルクロス張り
79 字事務所,鉄骨造,地上3階,延べ面積1,280m²,外壁:押出成形セメント板張り,主要室:床タイルカーペット敷き,天井ロックウール化粧吸音板張り
小学校校舎,RC造3階建て,延べ面積3,900m²,主な改修内容:屋上防水改修(改質アスファルトシート防水)1,300m²,外壁塗装改修2,600m²
令和元年6月〜令和2年8月
13 字2019年9月〜2020年5月
令和2年7月〜令和3年1月(従事期間)
工事主任
4 字現場代理人
主任技術者
躯体・仕上工事の施工管理(施工計画・工程管理・品質管理)
28 字建築工事全般の施工管理(施工図の作成,協力業者との工程調整)
防水・外壁改修工事の施工管理(工程管理・品質管理)
a 施工方法又は作業方法
12 字e 試験又は検査の方法
c 資材の保管又は仮置きの方法
コンクリート工事
8 字鉄骨工事
防水工事
前面道路が幅員6mで,ポンプ車を1台しか据えられなかった。基準階の床・梁のコンクリート約120m³を1日で連続して打ち込む打込み順序と配車計画を検討した。
77 字柱・梁の現場溶接部が約240箇所あり,建方の後すぐにデッキプレート敷込みに移る工程であった。溶接部の超音波探傷試験の時期と方法を検討した。
校舎は授業を続けながらの改修で,校庭の一部しか資材置場に使えなかった。屋上へ荷揚げした改質アスファルトシート約150巻の保管方法を検討した。
打重ね時間間隔が長いとコールドジョイントが生じるため,打込み区画と順序を定め,生コン車の配車を15分間隔として打重ね時間間隔を外気温25℃未満で150分以内に管理した。
84 字不合格箇所の補修が後工程と重なると手戻りになるため,節ごとの溶接完了後すぐに超音波探傷試験を行い,合格を確認してからデッキプレート敷込みに進めた。
シートは横置きにすると変形し,雨にぬれると接着不良の原因になるため,屋上の大梁の近くに分散して台の上に縦置きとし,雨に当たらないようシートで覆った。
b 資材の搬入又は荷揚げの方法
15 字b 資材の搬入又は荷揚げの方法
d 施工中又は施工後の養生の方法
内装工事
4 字鉄骨工事
塗装工事(外壁改修)
前面道路は朝夕に通学路となり,搬入車両の駐停車の時間が限られていた。各住戸のせっこうボード約3,200枚の搬入と各階への荷揚げの方法を検討した。
72 字敷地の北側が幅員4mの道路で,柱・梁の部材を積んだトレーラーが進入できなかった。鉄骨部材約180tの搬入経路と荷揚げの方法を検討した。
外壁塗装の時期が12月となり,朝夕の気温が5℃を下回る日が多い予報で,教室の窓や手すりに塗料が付着するおそれもあった。塗装面の養生方法を検討した。
児童の通行時間帯の搬入は危険で遅れの原因にもなるため,搬入を9時〜15時に限定した。前日に階ごとの数量を決め,ロングスパンエレベーターでパレットごと各階へ荷揚げした。
83 字大型車が進入できないと部材が届かず建方が止まるため,監督職員の承諾を得て部材を4t車で運べる長さに分割し,建方順序に合わせて搬入して25tラフテレーンクレーンで直接建て込んだ。
低温や結露で塗膜が乾燥不良を起こすため,気温5℃以下や湿度85%以上のときは塗装せず,塗装後は乾燥するまでシートで囲い,窓と手すりはフィルムで覆った。
d 施工中又は施工後の養生の方法
16 字c 資材の保管又は仮置きの方法
e 試験又は検査の方法
内装工事
4 字内装工事
防水工事
住戸の床フローリング張り完了後も,設備器具付けやクリーニングの作業員が多数出入りする工程であった。仕上げ面の傷や汚れを防ぐ養生の方法を検討した。
72 字敷地いっぱいに建つ建物で場内に資材置場がなく,天井のロックウール化粧吸音板約2,400枚を各階で張付けまで仮置きする必要があった。保管方法を検討した。
既存の防水層を撤去して屋上約1,300m²を改質アスファルトシート防水に改修する工事で,直下は教室であった。漏水を防ぐための重ね部の検査方法を検討した。
後工程の台車や脚立による傷を防ぐ必要があったため,張付け完了後すぐに養生シートを敷き,その上に厚さ2.5mmのプラスチック段ボールを敷き並べて継目をテープで留めた。
82 字吸音板は湿気を吸うと反りや汚れが生じるため,搬入は使用する階ごとに2日分とし,外部建具の取付け後の室内で台木の上に平積みにして,シートで覆った。
重ね部の接着不良は漏水の原因になるため,施工の都度検査することとし,重ね部の全長で改質アスファルトがはみ出していることを確認し,写真を残してから次工程に進めた。
外壁タイルの浮きや剥落は第三者災害や大規模な補修につながるため,施工計画時に下地コンクリート面の処理方法と張付け後の接着力の確認方法を検討する。
72 字コンクリートのコールドジョイントやジャンカは漏水と耐久性の低下につながるため,打込み区画・打重ね時間間隔と締固めの方法を検討する。
シーリングの接着不良は外壁からの漏水につながるため,被着体に合ったシーリング材とプライマーの選定,施工時の気象条件を検討する。
下地面は高圧水洗浄で目荒らしし,張付けモルタルは2m²以内ごとに塗り付ける。施工後は引張接着試験を行い,0.4N/mm²以上かつ下地との界面破壊が50%以下であることを確認する。
89 字打重ね時間間隔は外気温25℃未満で150分以内とし,棒形振動機は60cm以下の間隔で挿入する。打込み前に打込み区画と配車間隔を生コン工場と打ち合わせておく。
被着体に合ったシーリング材を選び,プライマー塗布後は製造所の指定時間内に充填する。降雨時や被着体が濡れているとき,気温5℃以下のときは施工しない。
鉄骨建方の遅れは床・外壁など後続工程すべての遅れにつながるため,施工計画時に鉄骨の製作図の承認と工場製作の工程,建方用クレーンの手配時期を検討する。
74 字梅雨期の降雨で屋上防水や外壁工事が止まると内装工事に移れなくなるため,雨天でも進められる作業の順序と予備日の設け方を検討する。
仕上材や設備機器の納期が遅れると仕上工事の着手が遅れるため,材料の承認時期と発注時期を工程表に組み込むことを検討する。
製作図の承認を工程表に明記して早めに承認し,工場の製作工程を毎週確認する。強風による作業中止に備え,建方の工程には予備日を設けておく。
67 字外部の工程を屋上防水と外壁で先行させ,雨天日は内部の墨出しや軽量鉄骨下地の作業に振り替えられるよう,作業員と資材を事前に手配しておく。
材料の承認・発注・搬入の日程を工程表に記入して担当者を決め,週1回の工程会議で納期を確認する。納期の長い材料は代替品も事前に検討しておく。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 経験記述は受検者自身の工事を書く問題なので,ここに示すのは当サイトが作った架空の工事による記述例である。工事概要(イ〜ヘ)は,用途・構造・階数・延べ面積・外部仕上げ・内部仕上げを具体的な数値と材料名で書き,1.・2.の記述と矛盾しないようにする。
- 1. は「施工の計画時に着目した項目」a〜eから異なる3つを選び,項目ごとに②工種名,③現場の状況(数値を含む)と検討したこと,④検討した理由と実施したこと,を対応させて書く。③④は3つの事例で異なる内容にし,コストのみの記述は不可。d の養生は品質を守るための養生(仕上げ面の保護・寒中の採暖など)で,労働者の安全に関する養生は不可。
- 記述例の数値の根拠:コンクリートの打重ね時間間隔は一般に外気温25℃未満で150分以内,25℃以上で120分以内とされる。タイルの引張接着試験は100m²ごと及びその端数につき1個以上かつ全体で3個以上,判定は0.4N/mm²以上かつ下地との接着界面の破壊率50%以下(標仕 11.1.7(3)・表11.1.2),密着張りの張付けモルタルの1回の塗付け面積は2m²/人以内(標仕 11.2.6(3))。
- 2. は工事概要の工事や受検種別にかかわらず,「品質低下の防止」と「工程遅延の防止」それぞれについて,①施工の計画時に検討することとその理由,②防止対策とそれに対する留意事項を書く。1.③④と同じ内容は不可。
同じ論点の過去問
令和3年度の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した2級建築施工管理技士 第二次検定 令和3年度(2021年11月14日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する