経験記述(施工の計画・産業廃棄物の削減)
これは2級建築施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年11月10日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した建築工事のうち,あなたの受検種別に係る工事の中から,施工の計画を行った工事を1つ選び,工事概要を具体的に記入したうえで,次の1.から2.の問いに答えなさい。
なお,建築工事とは,建築基準法に定める建築物に係る工事とし,建築設備工事を除くものとする。
〔工事概要〕
イ.工事名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容(新築等の場合:建物用途,構造,階数,延べ面積又は施工数量,主な外部仕上げ,主要室の内部仕上げ/改修等の場合:建物用途,建物規模,主な改修内容及び施工数量)
ニ.工期(年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
ヘ.業務内容
1. 工事概要であげた工事であなたが担当した工種において,次の項目a.からe.のうちから異なる項目を3つ選び,施工の計画に当たり,①事前に検討したこととその検討をもとに実際に行ったこと,②何故検討する必要があったのかその理由を,工種名をあげて具体的に記述しなさい。
ただし,①事前に検討したことと実際に行ったことは,選んだ各項目ごとにそれぞれ異なる内容とし,コストについてのみの記述は不可とする。
なお,工種名については,同一の工種名でなくてもよい。
項目 a.施工方法又は作業方法
b.資材の搬入又は荷揚げの方法
c.資材の保管又は仮置きの方法
d.施工中又は施工後の養生の方法(ただし,労働者の安全に関する養生は除く)
e.試験又は検査の方法と時期
2. 工事概要であげた工事及び受検種別にかかわらず,あなたの今日までの建築工事の経験に照らし,建設現場で発生する産業廃棄物を減らすため,①有効な方法や手段と,②その方法や手段を実際に行う場合に留意すべきことを,2つの事例について具体的に記述しなさい。
ただし,方法や手段が同一の記述及び1.の実際に行ったことと同一の記述は不可とする。
解答欄
正解
○○市△△町事務所ビル新築工事
15 字(仮称)○○マンション新築工事
○○市立△△小学校校舎改修工事
○○県△△市□□町2丁目
12 字○○県○○郡△△町大字□□地内
東京都○○区△△3丁目
事務所,鉄筋コンクリート造,地上4階建,延べ面積1,980m²,外壁:45二丁掛けタイル改良圧着張り,主要室:床 タイルカーペット,壁 せっこうボード下地ビニルクロス張り,天井 岩綿吸音板張り
96 字共同住宅,鉄骨造,地上5階建,延べ面積2,450m²,外壁:押出成形セメント板張り 耐候性塗料塗り,屋根:アスファルト防水,主要室:床 複合フローリング張り,壁・天井 せっこうボード下地ビニルクロス張り
校舎,鉄筋コンクリート造3階建 延べ面積3,200m²,外壁改修(既存タイル面の浮き部アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法820m²),屋上防水改修(改質アスファルトシート防水950m²)
平成29年4月~平成30年2月
15 字2017年6月~2018年3月
平成30年7月~平成31年1月
工事主任
4 字現場代理人
主任技術者
建築工事全般の施工管理(工程管理・品質管理・安全管理)
27 字鉄骨工事・防水工事・内装工事の施工管理
外壁改修・屋上防水改修工事の施工管理
a
1 字c
a
コンクリート工事
8 字防水工事
外壁改修工事
柱・壁・スラブの打込み方法を事前に検討し,打込み区画を2工区に分け,ポンプ車1台に棒形振動機2台を配置して挿入間隔60cm以下とし,打重ね時間間隔を再振動可能時間以内に管理して打ち込んだ。
94 字屋上アスファルト防水に用いるルーフィング類の保管方法を検討し,屋内の乾燥した場所に縦置きで保管し,砂付ルーフィングは重ね部分を上に向けて立て,雨掛かりと変形を防いだ。
タイル浮き部の補修方法を事前に検討し,打診で浮きの範囲をマーキングして,アンカーピンを一般部分16本/m²,ひさしのはななどの指定部分25本/m²とし,穿孔位置はタイル目地に移してエポキシ樹脂を注入した。
7~8月の高温期の打込みで,打重ねが遅れるとコールドジョイントや豆板が生じ,外壁からの漏水や耐久性の低下につながるため。
60 字ルーフィング類が吸湿したり変形したりすると,張付け時にふくれや接着不良が生じ,防水性能が低下するため。
浮きの範囲や部位に応じた本数と位置で固定しないと,補修後も浮きが進んでタイルが剥落し,校舎を使う児童に危害が及ぶため。
b
1 字b
e
内装工事
4 字鉄骨工事
防水改修工事
各階のせっこうボード約2,000枚の荷揚げ方法を検討し,外部サッシ取付け前に階ごとの使用量に仕分けて,25tラフテレーンクレーンで各階の開口部に設けた荷取りステージへ荷揚げした。
89 字鉄骨部材の搬入方法を検討し,建方順序に合わせて1日分ずつの部材をトレーラーで搬入する計画とし,前面道路の交通量が少ない時間帯に搬入して荷降ろしと同時に建て込んだ。
既存防水層撤去後の下地の検査方法と時期を検討し,撤去後すぐに下地の浮き・ひび割れ・含水状態を打診・目視・水分計で全面確認し,補修後に監督職員の確認を受けてから新しい防水層を張り付けた。
工事用エレベーターのかごに長尺のボードが入らず,内装工事の開始後に人力で運ぶと工程が遅れ,ボードの角欠けも生じるため。
59 字敷地内に部材の仮置き場がなく,一度に搬入すると仮置きによる部材の曲がりや建方順序の混乱が生じるため。
既存下地の浮きや含水を残したまま防水層を張ると,ふくれや接着不良が生じて漏水の原因となるため。
e
1 字d
b
タイル工事
5 字内装工事
防水改修工事
外壁タイルの接着状態の確認方法と時期を検討し,足場解体前に全面打診を行い,張付け後2週間以上経過した時点で引張接着試験を100m²ごとに1個以上,全体で3個以上行った。
84 字フローリング張り後の養生方法を検討し,張付け完了後にポリエチレンシートと合板で床全面を覆い,後工程の作業動線となる部分は二重に養生して引渡し前まで残した。
改質アスファルトシートの荷揚げ方法を検討し,授業のない早朝に児童の動線から離れた校舎裏側から移動式クレーンで屋上へ荷揚げし,荷は1か所に集中させずに分散して置いた。
道路に面した外壁のタイルが剥落すると通行人の被害につながり,足場解体後は補修が困難になるため,足場のある間に確認する必要があった。
65 字後工程の塗装・建具工事の作業で床に傷や汚れが生じると張替えが必要となり,工程にも影響するため。
授業中の校舎で荷揚げが児童の動線と交わると危険であり,屋上の一部に荷重が集中すると既存の下地や防水層を傷めるため。
内装のせっこうボードを,割付図に基づき工場でプレカットした寸法で搬入し,現場で発生する端材を減らす。
50 字資材の梱包を簡易化し,通い箱や繰り返し使えるパレットで搬入して,梱包材の発生を減らす。
鉄筋を加工図に基づいて工場で切断・加工して搬入し,現場での切断くずの発生を減らす。
施工図で開口や設備の位置を早期に確定して割付けを決め,寸法の誤りがないよう発注前に図面と照合する。
49 字納入業者と事前に梱包方法を協議し,通い箱やパレットの回収時期と置き場所を決めておく。
加工図を早期に確定し,定尺の組合せを考えて切断ロスが少なくなるよう加工業者と協議する。
型枠にデッキプレートやシステム型枠などの転用できる材料を用い,合板型枠の使用量と廃材を減らす。
47 字コンクリートの打込み数量を正確に算定して発注し,残コンクリート・戻りコンクリートの発生を減らす。
建具や設備機器を,工場で組み立てたユニットで搬入し,現場での加工と端材・梱包材を減らす。
転用回数を考えた工区割りと工程を計画し,転用時の損傷を防ぐよう解体・運搬・保管を丁寧に行う。
46 字打込み終盤に残量を確認して最終の発注量を調整し,出荷の連絡を工場と密に行う。
ユニットの寸法・重量を事前に確認し,搬入経路と揚重方法を計画して搬入時の損傷を防ぐ。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 当サイト作成の架空の工事による記述例。模範例は鉄筋コンクリート造の事務所ビル新築,別解の1つ目は鉄骨造の共同住宅新築,2つ目は小学校校舎の外壁・屋上防水改修の例で,各欄の別解は同じ順に対応する。工事概要は新築なら建物用途・構造・階数・延べ面積・主な外部仕上げ・主要室の内部仕上げをすべて書き,1.・2.の記述と矛盾しないようにする(例:夏期の打込み → 工期に7~8月を含める)。
- 1.は項目a.~e.から異なる3つを選び,事例ごとに「事前に検討したこと」と「実際に行ったこと」を一続きで書く。施工の留意事項と同じく,数値や具体的な方法を入れる(例:棒形振動機の挿入間隔60cm以下(標仕 6.6.5),寒中の養生は打込み後5日間以上コンクリート温度を2℃以上(標仕 6.7.1),タイルの引張接着試験は100m²ごと及び端数につき1個以上かつ全体で3個以上(標仕 11.1.7),タイル浮き部のアンカーピンは一般部分16本/m²・指定部分25本/m²(公共建築改修工事標準仕様書 令和7年版 4.3.11・4.4.9))。
- ②の理由は,工事の条件(時期・敷地・仕上げ・周辺)と,検討しなかった場合に生じる品質・工程上の不具合を結び付けて書く。
- 2.は工事概要の工事にかかわらない一般的な経験として,産業廃棄物を「減らす」方法(プレカット・工場加工,梱包材の削減,転用できる型枠,発注数量の適正化など)を2つ書く。分別やリサイクルは発生量そのものを減らす方法ではないので,書くなら「再使用」「発生抑制」に結び付ける。
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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した2級建築施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年11月10日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する