令和7年度 問題1 設問2論点:空気調和の計画・方式重要度 B未着手

空調用冷温水配管システム図の改善策と配管方式

これは1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年12月7日(日)実施) 問題1 設問2の問題です。論点は「空気調和の計画・方式」(重要度B・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 6 手順・引っかけの指摘が読めます。

下図に示す空調用冷温水配管システム図について、適切でない部分のうち、2箇所の改善策を解答欄の(1)と(2)に記述しなさい。

また、この図における二次側冷温水管の配管方式の特徴を解答欄の(3)に記述しなさい。

空調用冷温水配管システム図。地下1階(B1F)の熱源機械室に吸収冷温水機2台と冷温水ポンプ(定流量)2台があり、各系統は「一次還りヘッダー → CHR → 吸収冷温水機 → 冷温水ポンプ → CH → 往きヘッダー」の順につながる(ポンプは吸収冷温水機の出口側にあり、往きヘッダーへ送り出す向き)。往きヘッダーと二次還りヘッダーの間にヘッダーバイパス管があり、ヘッダーバイパス弁(電動二方弁)が付いている。二次還りヘッダーと一次還りヘッダーの間の管に流量計(F、熱源台数制御用)がある。往きヘッダーから2本の冷温水往き管(CH)が出て、左右2系統の立て管として1F〜4Fに立ち上がる。各階にユニット形空気調和機が左右に1台ずつあり、往き管(CH)の枝管は冷温水コイルの上部に接続され、コイルの下部から出た管が電動二方弁を通って冷温水還り管(CHR)の立て管につながる。各系統の還り立て管は1Fから4Fへ向かって各階の還りを集めながら上がり、4Fの空調機より高い位置で折り返して別の立て管(CHR)として下り、二次還りヘッダーに戻る(リバースリターン)。各系統の往き立て管(CH)の頂部から膨張管・空気抜き管(E、破線)がRFに立ち上がり、屋上の開放式膨張タンクの側面上部(水面より上)に接続されている。還り立て管の折り返し部(頂部)にはEの接続がない。開放式膨張タンクの底部から2本の管(E)が出ており、それぞれ弁を介して、左はこの空気抜き管へ、右はタンク側面下部から出る膨張管(E)へつながっている。この膨張管は屋上から下がって二次還りヘッダーに接続されている。凡例:CH:冷温水往き管、CHR:冷温水還り管、E:膨張管、空気抜き管。

解答欄

0 / 60 字
0 / 60 字
0 / 80 字

本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

(1) 改善策 模範解答

冷温水コイルへの接続は、往き管をコイルの下部に、還り管をコイルの上部につなぎ、コイル内の空気が抜けやすいようにする。

58 字
別解

冷温水ポンプを吸収冷温水機の入口側(一次還りヘッダー側)に移し、熱源機に冷温水を押し込む配置とする。

膨張タンク回りの膨張管に設けた弁を撤去し、誤って閉じても配管内が異常昇圧しないよう、膨張管には弁を設けない。

ヘッダーバイパス管を一次還りヘッダー側に接続し、流量計で負荷側の還り流量だけを計測して熱源機の台数制御を行う。

(2) 改善策 模範解答

膨張タンク回りの膨張管に設けた弁を撤去し、誤って閉じても配管内が異常昇圧しないよう、膨張管には弁を設けない。

54 字
別解

冷温水ポンプを吸収冷温水機の入口側(一次還りヘッダー側)に移し、熱源機に冷温水を押し込む配置とする。

ヘッダーバイパス管を一次還りヘッダー側に接続し、流量計で負荷側の還り流量だけを計測して熱源機の台数制御を行う。

冷温水コイルへの接続は、往き管をコイルの下部に、還り管をコイルの上部につなぎ、コイル内の空気が抜けやすいようにする。

(3) 二次側冷温水管の配管方式の特徴 模範解答

リバースリターン方式で、各空調機を通る往き管と還り管の長さの和がほぼ等しく、摩擦損失がそろうため、流量の偏りが生じにくい。

61 字
別解

還り管を最上階で折り返して戻すリバースリターン方式であり、各コイルの配管抵抗が均等になって流量調整が容易になる反面、配管量と配管スペースが増える。

リバースリターン方式。最下階の空調機は往きが短く還りが長く、最上階は往きが長く還りが短いので、どの階でも循環経路の長さがほぼ同じになり水量がバランスする。

要点(書けていたものにチェック)(1) 改善策(2) 改善策(3) 二次側冷温水管の配管方式の特徴
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. 図の流れを追う。熱源側は一次還りヘッダー → 吸収冷温水機 → 冷温水ポンプ(定流量)→ 往きヘッダー、負荷側は往きヘッダー → 各空調機のコイル → 電動二方弁 → 二次還りヘッダーで、負荷側は電動二方弁で流量が変わり、余った水はヘッダーバイパス弁を通って還り側へ戻る。
  2. 冷温水コイルの接続:図では往き管がコイルの上部に、還り管がコイルの下部につながっている。コイルは下部から入れて上部から出すのが原則で、こうするとコイル内の空気が水の流れに乗って押し出され、コイル上部に空気がたまって伝熱面積が減ることを防げる。コイルの空気抜き弁はコイルの上部に付ける。公共建築設備工事標準図(冷温水コイル及び加湿器廻り配管要領)でも、往き管(CH)をコイルの下部に、還り管(CHR)をコイルの上部に接続し、上部に空気抜弁を設けている。
  3. 冷温水ポンプの位置:図ではポンプが吸収冷温水機の出口側にあり、熱源機の圧力損失がポンプの吸込み側にかかる。膨張管の接続点からポンプまでの間で圧力が下がるため、熱源機内やポンプの吸込み側が負圧になり、空気の吸込みやキャビテーションのおそれがある。ポンプは熱源機の入口側に置き、熱源機に押し込む配置とする。
  4. 膨張管の弁:図では開放式膨張タンクの底部から出る2本の管(E)に、それぞれ弁が付いている。膨張管は水の温度変化による膨張・収縮を膨張タンクへ逃がす管で、弁を誤って閉じると逃げ場がなくなり、配管や機器が異常昇圧して破損するおそれがある。公共建築設備工事標準図(膨張タンク廻り配管要領)でも、膨張管には弁を設けていない(弁が付くのは給水管と排水管)。
  5. 流量計の位置:ヘッダーバイパス管が二次還りヘッダーに接続されているので、二次還りヘッダーから一次還りヘッダーへ流れる水量は、負荷側の還り水量とバイパス水量の合計、つまり定流量の冷温水ポンプの吐出し量の合計になり、負荷の変化をとらえられない。熱源台数制御用の流量計は負荷側の流量を計測できる位置に要るので、ヘッダーバイパス管を一次還りヘッダー側(流量計より下流)に接続するか、流量計を負荷側の往き管・還り管に設ける。
  6. 二次側は、各系統の還り立て管が下階から上階へ還りを集めながら上がり、最上階の上で折り返して下りるリバースリターン方式である。1階の空調機は往きが短く還りが長く、4階は往きが長く還りが短いので、どの空調機を通っても配管長の和がほぼ等しく、流量のバランスがとりやすい。
引っかけ:「適切でない部分のうち2箇所」なので、冷温水コイルへの接続(上下が逆)、ポンプの位置(熱源機の出口側)、膨張管の弁、流量計の位置(バイパス水量まで計測してしまう)のうち2つを書けばよい。(3) は方式の名前だけでなく特徴(配管長・抵抗が均等になる)まで書く。

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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級管工事施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年12月7日(日)実施) 問題1 設問2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する