重量機器のアンカーボルト・ダクト・器具排水管と排水横枝管・防火区画を貫通する配管の改善策
これは1級管工事施工管理技士 第二次検定 平成28年度(2016年12月4日(日)実施) 問題1 設問1の問題です。論点は「配管の施工」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 7 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
(1)〜(4)に示す各図について、適切でない部分の改善策を具体的かつ簡潔に記述しなさい。
【問題1】次の設問1及び設問2の答えを解答欄に記述しなさい。




解答欄
正解
基礎は床スラブと一体に配筋した鉄筋コンクリートとし、アンカーボルトは埋込み式か、つなぎ筋に緊結した箱抜き式とする。
57 字重量機器のアンカーボルトは、鉄筋と緊結しない箱抜き式とせず、基礎コンクリートの打設時に埋め込んで固定する。
基礎を床スラブの鉄筋と緊結して一体とし、箱抜きのアンカーボルトは基礎のつなぎ筋に緊結してからモルタルを充填する。
分岐ダクトのVDは消音エルボの上流側に移し、VDで発生する気流音を消音エルボで減衰させてから吹出口へ送る。
53 字消音エルボはVDより下流の吹出口に近い側に設け、ダンパーで発生した騒音が吹出口から室内に出ないようにする。
分岐ダクトの風量調整ダンパーは主ダクトからの分岐の近くに設け、その下流に消音エルボを配置する。
器具排水管は、排水横枝管に水平から45°以内の鋭角で、水平に近い角度で合流させる。
41 字A−A'断面で水平から60°になっている器具排水管の合流角度を、45°以内に改めて水平に近く合流させる。
器具排水管は排水横枝管の側面上部から45°以内の角度で接続し、横枝管内の流れを乱さないようにする。
排水管は貫通部と両側1m以内を鋼管等の不燃材料とするか、国土交通大臣の認定を受けた耐火二層管等を用いる。
52 字VP呼び径100は外径が告示の数値を超えるので、床の貫通部から上下1m以内を排水用鋳鉄管などの不燃材料の管に替える。
硬質ポリ塩化ビニル管のまま貫通させる場合は、国土交通大臣の認定を受けた区画貫通の工法や耐火二層管で施工する。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (1) 図のコンクリート基礎には鉄筋がなく、床スラブの鉄筋ともつながっていない。アンカーボルトは箱抜きにJ形ボルトを入れてモルタルを詰めただけで、どの鉄筋とも緊結されていない。重量機器は地震時に大きな水平力と引抜き力を受けるので、この形では基礎ごと滑ったり、アンカーボルトがモルタルごと抜けたりするおそれがある。
- 公共建築設備工事標準図(機械設備工事編)の基礎施工要領(一)では、基礎は「床スラブと一体に配筋する場合」と「コンクリート床に独立して設置する場合」があり、アンカーボルトの取付方法は、ア 埋込アンカー、イ 箱抜きアンカー(つなぎ筋に緊結する場合)、ウ 箱抜きアンカー(鉄筋とは緊結しない場合)の3つがある。ボイラー・冷凍機・受水タンクなどの重量機器は、床スラブと一体に配筋した基礎でア又はイを用いる組合せだけが認められており、図の形(独立した基礎・鉄筋と緊結しない箱抜き)はどちらも使えない。
- (2) 風量調整ダンパー(VD)は羽根で気流を絞るので、気流音(発生騒音)が出る。図では分岐ダクトのVDが消音エルボの下流、吹出口のすぐ手前にあるので、VDで出た音は消音されないまま吹出口から室内に出てしまう。VDを消音エルボの上流側(主ダクトからの分岐の近く)に移せば、VDの音も消音エルボで減衰させることができる。消音器・消音エルボは、ダンパーなど騒音を出すものより下流(室内側)に置くのが原則である。
- (3) 公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)第2編2.4.8(1)では、ドレン管を除き、排水横枝管等が合流する場合は、必ず45°以内の鋭角をもって水平に近く合流させるとしている。図の立面図ではY形の継手で流れの方向に合流しているが、A−A'断面では器具排水管が水平に対して60°の急な角度で横枝管に入っている。
- 上から急角度で落ちてくる排水は、横枝管の中の流れにぶつかって流れを乱し、管内の圧力変動や、上流側の器具のトラップの封水が失われる原因になる。45°以内の角度で水平に近く合流させれば、排水は横枝管の流れに沿って円滑に合流する。
- (4) 給水管・排水管などが防火区画(ここでは1時間耐火構造の床)を貫通する場合、管と区画とのすき間はモルタルその他の不燃材料で埋める(建築基準法施行令第112条、本試験当時は第15項)。図はこの点は満たしている。さらに管自体について、施行令第129条の2の5第1項第七号(本試験当時。現行は第129条の2の4)の次のいずれかに適合させる必要がある。イ 貫通部とその両側1m以内を不燃材料で造る。ロ 管の外径が、用途・材質・肉厚に応じて国土交通大臣が定める数値(平成12年建設省告示第1422号)未満である。ハ 国土交通大臣の認定を受けたもの。
- 告示第1422号の表で、1時間の耐火性能が求められる区画を貫通する覆いのない硬質塩化ビニルの排水管は、肉厚6.6mm以上でも外径90mm未満に限られる。VP呼び径100は外径114mmなのでロに当たらず、モルタル充填だけでは不適切である。貫通部と両側1m以内を鋼管・排水用鋳鉄管などの不燃材料にするか、大臣認定を受けた耐火二層管・区画貫通工法を用いる。
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平成28年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級管工事施工管理技士 第二次検定 平成28年度(2016年12月4日(日)実施) 問題1 設問1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する