既製杭の施工方法と支持力
これは2級土木施工管理技士 第一次検定 平成29年度 第2回(2018年2月25日(日)実施) No.9の問題です。論点は「基礎工・土留め」(重要度A・解答の形は四肢択一)。採点すると、解き方 3 手順・選択肢 4 つそれぞれの解説・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
既製杭の施工に関する次の記述のうち,適当でないものはどれか。
解答欄
正解
正解:(2) 打込み杭工法は,一般に中掘り杭工法に比べ杭の支持力が小さい。
解き方
- 打込み杭工法は、既製杭をハンマで打撃して地盤に貫入させる工法である。杭の周辺や先端の地盤を締め固めながら打ち込むので、大きな支持力が得られる。打止め時の貫入量とリバウンド量から支持力を確かめられるのも特長である。
- 中掘り杭工法は、杭の中空部をアースオーガで掘削しながら杭を沈設する工法である。打撃を用いないので騒音・振動は小さいが、掘削で杭の周辺や先端の地盤が緩みやすい。そのため最終打撃方式やセメントミルク噴出攪拌方式などの先端処理で支持力を確保するが、一般に打込み杭工法に比べて支持力は小さい。したがって「打込み杭工法のほうが支持力が小さい」とした (2) が適当でない。
- (1) プレボーリング杭工法は、アースオーガで掘削した孔に杭を建て込む埋込み杭工法で、打込み杭工法より騒音・振動が小さい。(3) プレボーリング杭工法では、掘削孔の先端部に根固め液(セメントミルク)を注入して根固部をつくり、支持力を確保する。(4) 中掘り杭工法の先端処理には、所定の深さまで沈設した杭をハンマで打ち込む最終打撃方式がある(道路橋示方書IV下部構造編 23.7.10)。
選択肢ごとの解説
- (1)適当。打撃で貫入させる打込み杭工法は、掘削孔に杭を建て込むプレボーリング杭工法より騒音・振動が大きい。
- (2)適当でない。打込み杭工法は周辺地盤を締め固めながら打ち込むので、掘削で地盤を緩めやすい中掘り杭工法より一般に支持力が大きい。
- (3)適当。掘削孔の先端部にセメントミルク(根固め液)を注入して根固部をつくり、支持力を確保する。
- (4)適当。中掘り杭の先端処理には、ハンマで支持層に打ち込む最終打撃方式がある。
引っかけ:中掘り杭工法やプレボーリング杭工法などの埋込み杭工法は、低騒音・低振動である反面、掘削で地盤を緩めやすい。そのため根固めや最終打撃などの先端処理で支持力を確保する。「騒音・振動が小さい」長所に引きずられて「支持力も大きい」と取り違えないこと。
現行法令との関係:道路橋示方書IV下部構造編の杭の支持力の推定式は平成29年の改定で見直された。その値は令和7年の改定(2026年4月1日以降に着手する設計に適用)の表-15.4.2・表-15.4.3にも引き継がれている。杭先端の極限支持力度の特性値は、中掘り杭工法のセメントミルク噴出攪拌方式(砂220N・砂れき250N)が打込み杭工法(130N)を上回るようになった。一方、最大周面摩擦力度の特性値は打込み杭工法(砂質土5N、粘性土c又は6N)が中掘り杭工法(砂質土2N、粘性土0.8c又は4N)より大きく、最終打撃方式の先端には打込み杭工法の値を用いる。杭の支持力は先端と周面の合計なので、杭が短く先端の割合が大きい場合などは計算上の大小が逆転することもある。それでも施工法の一般的な比較では、周辺地盤を締め固める打込み杭工法のほうが支持力が大きいとされ、令和8年度前期の試験でも同じ趣旨で出題されている。この問題の答えは変わらない。
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論点ページ:基礎工・土留めの要点この論点の出題実績とよくある間違い
→平成29年度 第2回の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した2級土木施工管理技士 第一次検定 平成29年度 第2回(2018年2月25日(日)実施) No.9。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する