造園施工管理技士は独学で受かるか:講座を使う価値がある場面

公開 ・執筆・編集:試験対策プロジェクトチーム(スタジオインサイト)

造園施工管理技士の第一次検定は、主催者が試験問題と正答を公表しているので、解説つきの過去問で独学できる試験です。第二次検定は解答が公表されず、植栽・移植や安全の措置を自分の言葉で書く設問が中心なので、書いた答えが条件に合っているかを確かめる手段が要ります。講座にお金をかけるかどうかは、この 2 つを分けて考えると判断しやすくなります。

独学で足りる範囲と、人の目が欲しい範囲

第一次検定:公表された問題と正答で完結する

第一次検定の試験問題と正答肢は、試験の翌日の 13 時から 1 年間、主催者のサイトに掲載されます(令和8年度の 1級は 9 月 7 日から)。四肢択一で、同じ論点が数値や語句を入れ替えて繰り返し出るので、過去問を論点ごとに解き、誤りの記述を正しく言い直せるようにすれば合格ラインに届きます。能力問題の「適当なものを全て選びなさい」も、4 つの記述を 1 つずつ判断する練習で対応できます。講座の利点は学習の順番が決まっていることと質問できる相手がいることですが、覚える中身は過去問と解説で手に入るものと変わりません。

第二次検定:穴埋め・判定は独学、記述は第三者の目

第二次検定のうち、クレーン等安全規則などの数値の穴埋め、株立物の合否の判定、長谷川式土壌貫入計や透水試験の読み取り、ネットワーク式工程表の日数は、答えが一つに決まるので独学で仕上がります。難しいのは、根回しの後の作業、植付け後の養生、張芝の留意事項、高所作業車や刈払機の安全の措置を「具体的に 2 つ記述しなさい」と問われる設問です。主催者は第二次検定の解答を公表しておらず、配点も分かりません。書いた文が〔工事に係る条件〕(工期の季節・樹種・供用中か・架空線の有無)に合っているか、除外された内容に触れていないかは、本人には見えにくいところです。

令和5年度までは自分の工事を書く施工経験記述が必須で、その添削が講座の大きな役割でした。令和6・7年度は 1級・2級とも施工経験記述がなく、記述の中心が施工の手順・目的・措置に移っています。講座を選ぶときは、現在の構成に合わせた記述の添削があるかを確かめてください。

独学が向いている人、講座が向いている人

独学が向いている講座が向いている
経験植栽・移植や張芝の現場に立ち会ったことがあり、作業の名前に迷わない土木・建築・設計から受検し、根回しや支柱の取付けを見たことが少ない
造園一般樹種の性質や花壇植物を、表にして自分で覚えられる庭園の役石・役木や植物の名前を、図や写真の説明つきで覚えたい
進め方過去問を自分のペースで回せる締切や課題がないと続かない
記述社内に 1級造園施工管理技士がいて、答えを読んでもらえる書いた文を見てくれる人が身近にいない
受検の回数初めての受検で、時間が取れる同じ勉強のしかたで一度不合格になった

多くの人は両方の列に当てはまる項目があります。その場合は「第一次検定は独学、第二次検定の記述だけ添削を頼む」のように、場面ごとに分けると費用を抑えられます。

通信講座・スクール・社内研修

通信講座

動画とテキストで自分の時間に進められ、第二次検定の記述の添削がつくものが多い形です。選ぶときは、添削の回数と返却までの日数が直前期に間に合うかを確かめます。1級の第二次検定は 12 月上旬なので、第一次検定(9 月上旬)の後に申し込んでも添削を 2 回受けられる日程かどうかが分かれ目です。2級の後期で第一次・第二次を同じ日に受ける人は、10 月中に添削が戻ってくるかを確かめてください。

資格スクール(通学・ライブ配信)

決まった日に講義があるので、短期間で集中して仕上げたい人や、自分で計画を立てるのが苦手な人に向きます。ネットワーク式工程表の完成や株立物の判定のように、手順を見ながら覚えたい問題では、講師に質問できることが役に立ちます。費用は通信講座より高いことが多く、植栽の繁忙期と講義日が重ならないかが前提です。

会社の研修・社内の勉強会

造園会社では、受検手数料や講座費用の補助、有資格者による記述の添削、過去問の勉強会を用意しているところがあります。自社の現場の手順を知っている先輩が見てくれるので、根回し・移植・張芝の記述を磨くにはもっとも効率のよい方法です。まず自社の制度を確かめ、補助があれば講座、なければ独学に社内の添削を組み合わせる、という順で考えるとよいでしょう。

費用の考え方

講座の費用は会社やコースで幅が大きいので、ここでは金額ではなく比べ方を書きます。比べる相手は「講座の費用」と「不合格だったときに失うもの」です。

受検手数料(非課税)は、1級が第一次検定 17,200 円・第二次検定 17,200 円、2級が第一次検定のみ 8,600 円・第二次検定のみ 8,600 円・第一次と第二次を同じ日に受ける場合 17,200 円で、インターネット申込では別に事務手続手数料 250 円がかかります(令和8年度)。不合格になると、この手数料のほかに、1級なら 1 年、2級なら半年から 1 年、資格を使えない期間が延びます。造園工事業は指定建設業なので、元請として大きな工事を受ける会社では 1級の資格者がいるかどうかが受注の前提になります。「1 年早く受かる見込みがどれだけ上がるか」で講座の費用を判断するのが筋です。

反対に、第一次検定だけを受ける年に第二次検定まで含む総合コースを申し込むのは、効果の出にくい使い方です。講座にお金をかけるなら、第二次検定の記述の添削に集中させてください。

講座の費用・内容は各社の案内で最新のものを確認してください。当サイトは特定の講座をすすめていません。

記述を人に見てもらうときの確認点

第二次検定の記述を読んでもらうときは、次の 4 つを見てもらうと効果が大きくなります。どれも自分では気づきにくく、採点者には一目で分かる点です。

  • 条件に合っているか。工期が真夏や厳寒期にかかるのに時期の対策を書いていないか、過湿を嫌うクロマツに水極めを書いていないか、供用中の公園なのに利用者の安全に触れていないか
  • 除外された内容を書いていないか。「安全管理に関する内容は除く」「灌水に関する内容は除く」「保護帽に関するものは除く」とあるのに、その内容で 1 つ分を埋めていないか
  • 問われた形で答えているか。「目的」を問われて手順を書いていないか、「名称」を問われて説明を書いていないか、「2 つ」と言われて同じことを言い換えていないか
  • 方法・部位・数値まで書けているか。根鉢の大きさ(根元直径の 3〜5 倍程度)、支柱の結束(杉皮を巻いてシュロ縄で割り縄がけ)、目土の厚さのように、具体的に書ける内容を「注意する」で済ませていないか

添削は少なくとも 2 回受けられるように、下書きを早めに出してください。1 回目で条件と観点のずれを直し、2 回目で具体性と文の短さを整えます。

独学の人がそろえるもの

独学で進める人は、講座が用意しているものを自分で代わりにそろえると、独学の弱点を補えます。

  1. 学習計画:試験日から逆算した週ごとの到達点(学習スケジュールの記事に例があります)
  2. 教材:解説つきの過去問(当サイトの1級 第一次検定・2級 第一次検定・1級 第二次検定・2級 第二次検定)と、記述の根拠を確かめるための公共用緑化樹木等品質寸法規格基準(案)・公園緑地工事共通仕様書などの公開されている基準
  3. 進み具合の記録:論点ごとの正答率をつけ、6 割を切った論点を毎週つぶす
  4. 記述の確認:社内の有資格者か、同じ試験を受ける同僚と読み合う。それが難しければ、添削だけを受けられる講座を探す
  5. 模擬試験:本番と同じ時間で、直近の回を通しで解く

よくある質問

第一次検定だけなら講座は要りませんか?

造園の現場経験があり、過去問を回す時間が取れる人なら要りません。土木や建築から受ける人で、植栽や移植の作業を見たことが少ない場合は、図や写真の多い入門書で作業の流れを先に押さえると、過去問の解説が読みやすくなります。

第二次検定は独学で受かりますか?

規則の数値の穴埋め、株立物の判定、工程表は独学で十分です。施工の手順・目的・安全の措置の記述は解答が公表されないので、社内の有資格者や講座の添削で第三者に読んでもらうと、条件や除外事項とのずれを直せます。

添削は何回受ければよいですか?

少なくとも 2 回です。1 回目で条件・除外事項・観点のずれを直し、2 回目で方法や数値の具体性と文の簡潔さを整えます。

第二次検定の過去問の解答はどこで確かめられますか?

主催者は第二次検定の解答を公表していません。当サイトの第二次検定の模範解答・別解・採点の要点は、問題文と公開されている基準から当サイトが作成したものです。

あわせて読む

出典・参考:一般財団法人 全国建設研修センター 1級造園施工管理技術検定・2級造園施工管理技術検定(令和8年度の受検手数料)、令和8年度 1級 第一次検定 受検の手引(試験問題と正答肢の公表)、1級 第二次検定 受検の手引(第二次検定の解答は公表しない)

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