第30回 第3問 論点:財務諸表の空欄推定(第3問:比率から金額を逆算)重要度 A配点 20点未着手

貸借対照表・損益計算書の空欄推定(現金預金・投資有価証券・資本剰余金・受取利息配当金)と自己資本経常利益率

これは建設業経理士1級 財務分析 第30回(2022年3月13日(日)実施) 第3問(配点 20点)の問題です。論点は「財務諸表の空欄推定(第3問:比率から金額を逆算)」(重要度A・解答の形は百万円単位のBS・PL(一部抜粋)の空欄A〜Dを関連データの比率から逆算し、指定比率を1つ算定(4点×5))。採点すると、解き方 9 手順・引っかけの指摘が読めます。

次の<資料>に基づいて(A)〜(D)の金額を算定するとともに、自己資本経常利益率も算定し、解答用紙の所定の欄に記入しなさい。この会社の会計期間は1年である。なお、解答に際しての端数処理については、解答用紙の指定のとおりとする。

<資料> 1.貸借対照表、2.損益計算書(一部抜粋)、3.関連データは次のとおり。

貸借対照表(資産の部)百万円
現金預金(A)
受取手形×××
完成工事未収入金196,000
未成工事支出金×××
材料貯蔵品1,000
 流動資産合計×××
建物104,000
機械装置36,400
工具器具備品12,800
車両運搬具32,000
建設仮勘定18,000
土地×××
投資有価証券(B)
 固定資産合計×××
資産合計×××
貸借対照表(負債・純資産の部)百万円
支払手形×××
工事未払金×××
短期借入金35,200
未払法人税等47,600
未成工事受入金68,000
 流動負債合計388,000
長期借入金×××
 固定負債合計×××
 負債合計×××
資本金156,000
資本剰余金(C)
利益剰余金60,000
 純資産合計×××
負債純資産合計×××
損益計算書(一部抜粋)百万円
完成工事高840,000
完成工事原価×××
 完成工事総利益×××
販売費及び一般管理費41,900
 営業利益×××
営業外収益 受取利息配当金(D)
営業外収益 その他1,400
営業外費用 支払利息2,700
営業外費用 その他610
 経常利益×××
関連データ(注1)数値
経営資本営業利益率4.50 %
流動比率(注2)120.00 %
棚卸資産滞留月数1.25 月
受取勘定滞留月数4.20 月
金利負担能力12.30 倍
借入金依存度16.90 %
経営資本回転率1.20 回
総資本回転率1.05 回
  • (注1)算定にあたって期中平均値を使用することが望ましい比率についても、便宜上、期末残高の数値を用いて算定している。
  • (注2)流動比率の算定は、建設業特有の勘定科目の金額を控除する方法によっている。

解答欄 主要比率表(算式)を別タブで開く

百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
百万円
百万円未満を切り捨て
%
小数点第3位を四捨五入し、第2位まで記入

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

(A)現金預金89,000 百万円
(B)投資有価証券82,000 百万円
(C)資本剰余金96,000 百万円
(D)受取利息配当金1,710 百万円
自己資本経常利益率10.03 %

解き方

  1. 総資本回転率=完成工事高÷総資本=1.05 回 → 総資本(=資産合計=負債純資産合計)=840,000÷1.05=800,000。月商=完成工事高÷12=840,000÷12=70,000。
  2. 経営資本回転率=完成工事高÷経営資本=1.20 回 → 経営資本=840,000÷1.2=700,000。経営資本=総資本−(建設仮勘定+投資有価証券)なので 800,000−18,000−B=700,000 → B 投資有価証券=82,000。
  3. 経営資本営業利益率=営業利益÷経営資本×100=4.50% → 営業利益=700,000×4.5%=31,500。
  4. 金利負担能力=(営業利益+受取利息及び配当金)÷支払利息=12.30 倍 → 31,500+D=2,700×12.3=33,210 → D 受取利息配当金=1,710。
  5. 借入金依存度=(短期借入金+長期借入金+社債)÷総資本×100=16.90% → 借入金合計=800,000×16.9%=135,200 → 長期借入金=135,200−35,200=100,000(=固定負債合計)。負債合計=388,000+100,000=488,000。純資産合計=800,000−488,000=312,000 → C 資本剰余金=312,000−156,000−60,000=96,000。
  6. 棚卸資産滞留月数=棚卸資産÷月商=1.25 月 → 棚卸資産(未成工事支出金+材料貯蔵品)=70,000×1.25=87,500 → 未成工事支出金=87,500−1,000=86,500。
  7. 受取勘定滞留月数=(受取手形+完成工事未収入金)÷月商=4.20 月 → 受取手形+完成工事未収入金=70,000×4.2=294,000 → 受取手形=294,000−196,000=98,000。
  8. 流動比率(建設業特有の科目を控除)=(流動資産−未成工事支出金)÷(流動負債−未成工事受入金)×100=120.00% → (流動資産−86,500)÷(388,000−68,000)=1.2 → 流動資産合計=320,000×1.2+86,500=470,500。A 現金預金=470,500−98,000−196,000−86,500−1,000=89,000。
  9. 経常利益=営業利益 31,500+営業外収益(1,710+1,400)−営業外費用(2,700+610)=31,300。自己資本経常利益率=経常利益÷自己資本×100=31,300÷312,000×100=10.032… → 10.03%(注1のとおり期末の純資産合計を使う)。
引っかけ:経営資本は総資本から建設仮勘定と投資有価証券(投資資産)を控除した額で、土地は控除しない。金利負担能力の分子は営業利益に受取利息及び配当金を加えたもので、経常利益ではない。借入金依存度の分子は短期借入金と長期借入金の合計(この問題では社債なし)。流動比率は(注2)のとおり分子から未成工事支出金、分母から未成工事受入金を控除する。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務分析 第30回(2022年3月13日(日)実施) 第3問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する