仮設物の計画(仮設ゴンドラ・起伏式タワークレーン・棚足場)
これは1級建築施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年10月19日(日)実施) 問題2の問題です。論点は「仮設工事」(重要度B・解答の形は記述)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
建築工事における次の1.から3.の仮設物の設置を計画するに当たり,検討すべき事項及びその理由を,それぞれ2つ具体的に記述しなさい。
ただし,1.から3.の解答はすべて異なる内容の記述とし,申請手続,届出及び仮設物設置後の運用管理に関する記述は除くものとする。
また,使用資機材に不良品はないものとする。
1. 仮設ゴンドラ
2. 起伏式(ジブ)タワークレーン
3. 枠組足場を用いた棚足場
解答欄
正解
事項:突りょうの設置位置と,その反力に対する屋上スラブ・パラペットの強度。理由:突りょうの転倒や移動によるゴンドラの落下を防ぐため。
66 字事項:ゴンドラの昇降範囲の直下の立入禁止区域と,歩行者や車両の通路の位置。理由:工具や部材の落下による第三者災害を防ぐため。
事項:作業床をつるワイヤロープとは別に設けるライフラインの取付け位置と固定方法。理由:ワイヤロープの破断時にも作業者の墜落を防ぐため。
事項:外壁の庇やルーバー等の突出物と,作業床の寸法・昇降経路との取合い。理由:昇降中に作業床が引っ掛かって傾き,作業者が墜落するのを防ぐため。
71 字事項:ゴンドラ用電源の容量と専用回路,ケーブルの配線経路と養生の方法。理由:電力不足による停止やケーブルの損傷による感電を防ぐため。
事項:作業範囲と外壁の割付けに応じたゴンドラの台数と作業床の長さ。理由:無理な姿勢での作業や盛替えの多発による墜落を防ぐため。
事項:揚重物の最大質量と作業半径に応じた機種の定格荷重,及び建物全体と荷取り場を作業範囲に含む設置位置。理由:過負荷による転倒や吊り荷の落下を防ぐため。
76 字事項:ジブの旋回・起伏範囲と隣接建物,道路上空,架空電線との離隔。理由:吊り荷やジブの接触・落下による第三者災害や感電を防ぐため。
事項:躯体完了後のクレーンの解体方法,解体用クレーンの配置と搬出経路。理由:屋上での解体作業の安全を確保し,撤去不能となる事態を防ぐため。
事項:クレーン基礎の構造と支持地盤の耐力,又は建物で支持する場合の躯体の補強。理由:自重,吊り荷,風による荷重でクレーンが転倒するのを防ぐため。
72 字事項:クライミングの方法と時期,及びクライミング架台を支持する躯体の強度。理由:クライミング時の支持不良によるクレーンの転倒を防ぐため。
事項:地下躯体や外部足場との干渉を避けたマストの位置と,建物の開口部の補強。理由:躯体の欠損や足場との接触による倒壊を防ぐため。
事項:足場を支持する床スラブの耐力と,敷板・ジャッキ型ベース金具による脚部の固定。理由:床のたわみや脚部の沈下・滑動による足場の倒壊を防ぐため。
72 字事項:壁つなぎが取れない場合の水平構面や鉛直面の筋かい,控えの配置。理由:足場全体の剛性を確保し,水平力による倒壊を防ぐため。
事項:作業床端部の手すり・中桟・幅木の設置と,昇降用の階段の位置。理由:作業床端部からの墜落と昇降時の転落を防ぐため。
事項:天井仕上げ面に合わせた作業床の高さと,作業床の全面敷き込み。理由:無理な姿勢での作業や,作業床の隙間からの墜落・物の落下を防ぐため。
69 字事項:天井内の設備配管やダクトと足場との干渉,設備工事の作業空間。理由:足場の盛替えや部材の取外しによる足場の強度低下を防ぐため。
事項:資材の荷揚げ位置と,作業床に載せる資材の量に応じた最大積載荷重。理由:作業床への過積載による足場の変形・倒壊を防ぐため。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- 仮設物の「設置を計画する段階」で検討すること(位置・規模・能力・支持する構造体の強度・周囲との離隔や取合い)と,それを検討しないと起きる災害や不具合(転倒・落下・墜落・第三者災害)を対にして書く。
- 仮設ゴンドラは,突りょう(つり元)の設置位置と反力に対する躯体の強度,外壁の突出物との取合い,昇降範囲の直下の立入禁止区域,作業床をつるワイヤロープとは別のライフラインの取付け位置などを検討する。ゴンドラ安全規則には作業床からの墜落防止(墜落制止用器具の使用)や落下物の危険防止の定めがあり,計画段階でその取付け設備や区画を決めておく。
- 起伏式(ジブ)タワークレーンは,揚重物の最大質量と作業半径から定格荷重を満たす機種と設置位置を決め,基礎・マスト支持(又は建物支持とクライミング)の構造,ジブの旋回範囲と隣地・道路・架空電線との関係,躯体完了後の解体方法を検討する。起伏式はジブを起こして作業半径を小さくできるので,隣地上空への旋回を避けやすい。
- 棚足場は,天井仕上げなどのために室内に枠組足場を組み,最上部に作業床を全面に張る足場である。支持する床スラブの耐力と脚部の固定,壁つなぎが取れないことによる筋かい・控えの配置,天井面に合わせた作業床の高さ,手すり・中桟・幅木,昇降設備などを検討する。
- 申請手続・届出(設置届・計画の届出など)と,設置後の点検・合図・作業中止などの運用管理の記述は除外されている。1.から3.で同じ内容(例えば「立入禁止区域の設定」を2回)を書かない。
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令和7年度の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級建築施工管理技士 第二次検定 令和7年度(2025年10月19日(日)実施) 問題2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する