施工経験記述(品質管理・工程管理)
これは2級土木施工管理技士 第二次検定 令和6年度(2024年10月27日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した土木工事を1つ選び,工事概要を具体的に記述したうえで,次の〔設問1〕,〔設問2〕に答えなさい。なお,あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。
〔工事概要〕あなたが経験した土木工事に関し,次の事項について解答欄に明確に記述しなさい。
〔注意〕「経験した土木工事」は,あなたが工事請負者の技術者の場合は,あなたの所属会社が受注した工事内容について記述してください。例えば,あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。
なお,あなたの所属が発注機関の場合の発注者名は,所属機関名となります。
(1) 工事名
(2) 工事現場における施工管理上のあなたの立場
(3) 工事の内容
① 発注者名
② 工事場所
③ 工期
④ 主な工種
⑤ 施工量
〔設問1〕工事概要に記述した工事の「品質管理」に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。
(1) 具体的な現場状況と特に留意した品質管理上の技術的課題
(2) (1)で記述した技術的課題を解決するために検討した項目とその対応処置
〔設問2〕工事概要に記述した工事の「工程管理」に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。
(1) 施工条件や現場周辺の状況の観点から,工程管理上,留意した事項(工事着手前,工事中のいずれでも可)
(2) (1)で記述した留意事項に対して講じた対策とその理由
解答欄
正解
令和5年度 市道○○線道路改良工事
17 字令和4年度 ○○川△△地区護岸工事
○○地区公共下水道管渠布設工事(その2)
主任技術者
5 字現場代理人
工事主任(施工管理担当)
現場監督(施工管理担当)
発注者側の監督員
○○市建設部道路課
9 字○○県△△土木事務所
株式会社○○建設(所属会社が二次下請の場合の一次下請業者名)
○○県○○市△△町地内
11 字○○県○○郡△△町大字□□地内
令和5年10月16日~令和6年3月15日
20 字令和4年11月1日~令和5年5月31日
道路土工,擁壁工(現場打ちL型擁壁),排水構造物工,舗装工
29 字護岸工(ブロック積),基礎工,仮締切り工,土工
管渠工(開削),土留め工,埋戻し工,舗装復旧工
掘削 V=850m³,L型擁壁(H=1.5m)L=60m,U型側溝(300)L=180m,アスファルト舗装 A=1,100m²
63 字ブロック積護岸 A=480m²,基礎工(プレキャスト基礎ブロック)L=120m,大型土のう仮締切り L=120m,掘削 V=900m³
下水道管(φ200mm)L=210m,マンホール 7基,軽量鋼矢板土留め L=210m,舗装復旧 A=650m²
本工事は市道の拡幅に伴い,延長60mの現場打ちL型擁壁(H=1.5m)を築造するもので,擁壁のコンクリート打設は1月中旬から2月上旬に計画されていた。現場は山間部にあり,近くの観測所の記録では日平均気温が4℃以下となり,夜間は-5℃程度まで下がる日が多かった。このため,打込み後のコンクリートの初期凍害を防止し,所要の強度と耐久性を確保することが品質管理上の技術的課題であった。
189 字(別の例:水路工事)ボックスカルバート(内空2.0m×2.0m)L=40mの底版・側壁のコンクリートを7月下旬から8月に打設する計画で,日平均気温は25℃を超え,日中は30℃以上になると予想された。運搬中のスランプの低下や打込み後の急激な乾燥による,ひび割れやコールドジョイントを防止することが品質管理上の技術的課題であった。
(別の例:下水道工事)市道内に下水道管(φ200mm)L=210mを開削で布設し,埋戻し後に舗装を復旧する工事で,掘削深さは約1.5mであった。試掘で確認した発生土は細粒分が多い粘性土で含水比が高く,そのまま埋め戻すと十分に締め固められないおそれがあった。埋戻し土が沈下すると舗装のひび割れや段差の原因となり,車両や歩行者の通行に支障が出るため,埋戻し部の締固め度を確保することが品質管理上の技術的課題であった。
初期凍害を防ぐため,寒中コンクリートとして次の項目を検討し処置した。①材料と配合:早強ポルトランドセメントとAE剤を用い,空気量を4.5%とした。②打込み時の温度:コンクリート温度を10℃以上とし,荷卸し時に毎車測って確認した。③養生方法:打込み後はシートで囲ってジェットヒータで給熱し,圧縮強度が5N/mm²に達するまでコンクリート温度を5℃以上に保ち,その後2日間は0℃以上を保った。
194 字(左の別例の続き)暑中コンクリートとして次の項目を検討し処置した。①混和剤:遅延形のAE減水剤を用いた。②運搬と打込み:練混ぜから打込み終了までを1.5時間以内とし,打込み時のコンクリート温度を35℃以下で管理した。打込み前には型枠に散水して湿らせた。③養生方法:打込み後は散水と養生マットで5日以上湿潤に保った。
(左の別例の続き)①埋戻し材料:発生土に代えて締め固めやすい購入山砂を用いることとし,搬入時に粒度と含水比を確かめた。②まき出し厚さと締固め方法:まき出し厚さを1層20cm以下とし,各層をタンパで締め固めた。管の両側は偏りが出ないよう左右均等に埋め戻して締め固めた。③締固め度の確認方法:延長50mごとに砂置換法で現場密度を測り,締固め度が特記仕様書の規定値(最大乾燥密度の90%以上)を満たすことを確認した。
施工箇所は小学校の通学路に指定された幅員5mの市道で,全面通行止めができず,片側交互通行で施工する条件であった。また,登下校の時間帯(7時30分~8時30分,14時30分~16時)は重機作業と資材の搬入が制限され,1日の実作業時間が約5時間に限られた。さらに擁壁は寒中養生の日数も見込む必要があったため,作業時間の制約の中で工期内に完成させる工程の確保に留意した。
182 字(別の例:河川護岸工事)施工箇所は河川内で,河川管理者の許可条件により出水期(6月~10月)は河川内で作業できず,11月から5月末までの非出水期のうちに仮締切りの撤去まで終える必要があった。延長120mの基礎コンクリートを現場打ちとすると型枠と養生に日数を要し,冬期は保温養生も必要になる。また,降雨による増水で作業できない日も見込まれたため,約7か月の限られた期間内に,床掘りから護岸の完成,仮締切りの撤去までを終える工程の確保に留意した。
(別の例:下水道工事)施工箇所の市道には水道管とガス管が近接して埋設されており,試掘の結果,一部の区間で台帳と異なる位置にあることが分かった。埋設物の管理者との立会い・協議に日数を要し,その区間の着手が遅れるおそれがあったため,全体工程への影響を抑えることに留意した。
全延長180mを60mずつ3工区に分け,擁壁班と側溝班の2班体制で工区をずらして並行作業とした。擁壁は延長10mごとの6ロットに分け,養生中に次のロットの鉄筋・型枠を組み立てた。資材は登下校の時間帯を避けて前日の午後に搬入し,現場内に仮置きした。理由は,作業時間の制約と寒中養生による日数の増加を,並行作業と待ち時間の削減で吸収し,工期内に完成させるためである。
181 字(左の別例の続き)発注者と協議して,基礎コンクリートを現場打ちからプレキャスト製品に変更した。型枠の組立てと養生が不要になり,基礎工の日数を約2週間短縮できるためである。また,延長120mを60mずつ2工区に分け,ブロック積は2班体制で上下流の2か所から同時に施工した。2工区を並行して進め,5月中旬までにブロック積を終えるためである。増水が予想される日は仮締切り内の作業を休み,資材の搬入準備に充てた。降雨で中断しても5月中に仮締切りを撤去するためである。
(左の別例の続き)協議が必要な区間を後に回し,埋設物の支障がない下流側の区間から施工する順序に変更した。協議は着手前から並行して進め,立会いの日程を工程表に組み込んで管理した。理由は,協議の待ち時間に作業を止めずに工程を進め,工期内に完成させるためである。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 工事概要は,実際に携わった土木工事について契約上の工事名・自分の立場・発注者・場所・工期・工種・数量を書く。設問の記述で使う工種・数量・時期を工事概要に入れておき,内容を一致させる。
- 設問1は,(1)に「現場状況(規模・時期・気象などを数値で)→品質管理上の技術的課題」を書き,(2)に「①検討項目:対応処置(数値)」の形で検討した項目ごとの対応処置を書く。検討した項目は(1)ではなく(2)に書く。設問は結果や評価までは求めていないので対応処置を中心にし,字数に余裕があれば結果を一言添える程度でよい。寒中・暑中コンクリートや締固めの管理値は示方書・指針の標準と合わせる。
- 設問2は「施工条件・周辺状況→工程上の影響→留意した事項」「講じた対策(工区分割・班編成・工法変更など)→その理由」の順に書き,設問1と別の内容にする。この記述例は当サイトが作成した架空の工事である。
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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した2級土木施工管理技士 第二次検定 令和6年度(2024年10月27日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する