施工経験記述(安全管理又は品質管理)
これは2級土木施工管理技士 第二次検定 平成28年度(2016年10月23日(日)実施) 問題1の問題です。論点は「施工経験記述」(重要度A・解答の形は記述)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
あなたが経験した土木工事の現場において,工夫した安全管理又は工夫した品質管理のうちから1つ選び,次の〔設問1〕,〔設問2〕に答えなさい。
〔注意〕あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。
〔設問1〕あなたが経験した土木工事に関し,次の事項について解答欄に明確に記述しなさい。
〔注意〕「経験した土木工事」は,あなたが工事請負者の技術者の場合は,あなたの所属会社が受注した工事内容について記述してください。従って,あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。
なお,あなたの所属が発注機関の場合の発注者名は,所属機関名となります。
(1) 工事名
(2) 工事の内容
① 発注者名
② 工事場所
③ 工期
④ 主な工種
⑤ 施工量
(3) 工事現場における施工管理上のあなたの立場
〔設問2〕上記工事で実施した「現場で工夫した安全管理」又は「現場で工夫した品質管理」のいずれかを選び,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。
ただし,安全管理については,交通誘導員の配置のみに関する記述は除く。
(1) 特に留意した技術的課題
(2) 技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容
(3) 上記検討の結果,現場で実施した対応処置とその評価
解答欄
正解
平成27年度 ○○処理区公共下水道管渠築造工事(第3工区)
29 字平成27年度 ○○地区汚水管渠布設工事
○○市公共下水道 △△幹線管渠築造工事(その2)
○○市上下水道局下水道建設課
14 字○○町建設課
株式会社○○建設(所属会社が二次下請の場合の一次下請業者名)
○○県○○市△△町二丁目地内
14 字○○県○○郡△△町大字□□地内
平成27年7月6日~平成27年12月18日
21 字平成26年10月1日~平成27年3月20日
管渠工(開削工法),土留め工(建込み簡易土留め),マンホール工,舗装復旧工
37 字管渠工(開削),仮設工(ウェルポイント),マンホール工,取付管工
管渠工(小口径管推進工法・開削工法),マンホール工,舗装工
下水道管(硬質塩化ビニル管φ200mm)L=320m,1号組立マンホール 9基,掘削 V=820m³,舗装復旧 A=520m²
63 字下水道管(φ150mm)L=480m,小型マンホール 14基,取付管 40箇所,舗装復旧 A=760m²
小口径管推進(φ250mm)L=85m,開削部の下水道管(φ200mm)L=240m,マンホール 8基
現場代理人
5 字主任技術者
工事主任(施工管理担当)
発注者側の監督員
本工事は幅員6mの市道に下水道管(φ200mm)L=320mを開削工法で布設するもので,掘削深さは1.8~3.2m,掘削幅は1.0mであった。試掘の結果,地山は緩い砂質土で地下水位はGL-1.5mと高く,素掘りでは掘削側面が崩れやすかった。作業員は溝の中で管の据付けや接合を行うため,掘削側面の崩壊による作業員の災害を防止することが安全管理上の技術的課題であった。
182 字(品質管理を選んだ例)下水道管(φ200mm)L=320mの縦断勾配は3.0‰と緩く,区間の多くは地下水位の高い緩い砂質土であった。据付け高さに誤差が生じたり基礎が沈下して管がたるんだりすると,汚水が滞留して流下能力が落ち,継手のずれから地下水が浸入するおそれもある。このため,設計どおりの勾配と継手の水密性を確保することが品質管理上の技術的課題であった。
(別の例:既設管への接続の安全管理)本工事の終点では,供用中の既設下水道マンホール(深さ3.5m)に新設管を接続する作業があった。マンホールの内部は汚水の腐敗で酸素が消費され硫化水素も発生しやすい第二種酸素欠乏危険場所に当たるため,接続作業中の作業員の酸素欠乏症と硫化水素中毒を防止することが安全管理上の技術的課題であった。
①土留めの工法:砂質土で掘削側面が自立しないため,掘削と並行して土留めができる方法として,軽量鋼矢板工法と建込み簡易土留め工法を,安全性・施工速度・騒音振動で比較した。②地下水の処理:掘削底が地下水位より最大1.7m深く,湧水で側面が緩みボイリングも生じるおそれがあるため,地下水位を下げる方法を検討した。③点検:土留めの変形や湧水の変化を早く見つけるため,点検の時期・項目と担当者を検討した。
197 字(左の品質管理の例の続き)①据付け高さの管理:勾配が緩く数mmの誤差でも逆勾配になるため,丁張りとレーザーによる勾配管理を精度と手間で比較した。②管の基礎:地下水位が高く基礎が緩むと管がたるむため,基礎材の種類と締固めの方法を検討した。③水密性の確認:継手の不良で地下水が浸入するのを防ぐため,接合の方法と水密性の確かめ方を検討した。
(左の接続作業の例の続き)①作業前の測定:汚水の流量や時間帯によって濃度が変わるため,測定の時期・位置と測定器を検討した。②換気の方法:マンホールは開口が小さく自然換気では不十分なため,送風機の能力と送気の方法を検討した。③作業体制:内部の異常を外から早く知るため,監視人の配置と連絡の方法,救出の用具を検討した。
①掘削に先行して土留め板を建て込むスライドレール式の建込み簡易土留めを採用し,1日の開削延長を20m以内として当日中に埋め戻した。②ウェルポイントを管路の片側に1.5m間隔で設け,地下水位を掘削底面より0.5m以上下げてから掘削した。③技能講習を修了した作業主任者を選任して作業を直接指揮させ,作業開始前と大雨の後に土留めの変形と湧水を点検し記録した。その結果,崩壊や災害なく完了でき,土留めを先行させた工夫は有効であったと評価する。
217 字(左の品質管理の例の続き)①レーザー式の管芯測定器で1本ごとに管底高を測り,社内の管理値を設計高±10mm以内として据え付けた。②基礎は砂基礎とし,厚さ10cmに敷き均してタンパで締め固め,管の側部は20cmごとに突き固めた。③ゴム輪の挿入長さを管に印を付けて確認し,マンホール間ごとに水張りの漏水試験を行った。その結果,全区間で管理値内に収まり漏水もなく,工夫は有効であったと評価する。
(左の接続作業の例の続き)①酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者を作業主任者に選任し,作業開始前と再開前に上・中・下の3点で酸素と硫化水素の濃度を測らせた。②送風機で連続して換気し,酸素18%以上,硫化水素10ppm以下を確かめてから入坑させた。③坑口に監視人を置き,入退坑時に人員を点検した。その結果,事故なく接続でき,工夫は有効であったと評価する。
記述例は当サイトが作成した架空の工事の例です。ご自身の工事にあてはめて書いてください。管理項目別の例文と書き方のポイント →
解き方
- 設問1は,実際に携わった土木工事について工事名・発注者名・工事場所・工期・主な工種・施工量と施工管理上の立場を漏れなく書く。設問2で使う工種・数量・時期を工事概要に入れておき,内容を一致させる。
- 設問2は「現場で工夫した安全管理」か「現場で工夫した品質管理」のどちらか1つを選んで明記し,(1)工事固有の条件(数値)→技術的課題,(2)検討した項目ごとに理由と内容,(3)項目ごとの対応処置(数値)→結果と評価の順に書く。(2)と(3)を①②③で対応させると読みやすい。
- この記述例は当サイトが作成した架空の小規模な下水道管渠工事で,模範解答は溝掘削の土砂崩壊の防止(安全管理),別解に管の勾配と水密性の確保(品質管理)と,既設マンホールへの接続作業の酸素欠乏症・硫化水素中毒の防止(安全管理)を示した。溝掘削では土留めを掘削に先行させる方法(厚生労働省「土止め先行工法に関するガイドライン」)が推奨されている。
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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した2級土木施工管理技士 第二次検定 平成28年度(2016年10月23日(日)実施) 問題1。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する