技術用語の技術的な内容(12の用語から4つ選んで2つずつ)
これは1級電気工事施工管理技士 第二次検定 令和2年度(2021年2月21日(日)実施) 問題4の問題です。論点は「技術用語の記述」(重要度A・解答の形は記述・五肢択一)。採点すると、解き方 2 手順・引っかけの指摘が読めます。
電気工事に関する次の用語の中から4つを選び,番号と用語を記入のうえ,技術的な内容を,それぞれについて2つ具体的に記述しなさい。
ただし,技術的な内容とは,施工上の留意点,選定上の留意点,動作原理,発生原理,定義,目的,用途,方式,方法,特徴,対策などをいう。
1. 水車のキャビテーション
2. モールド変圧器
3. 送電系統の中性点接地方式
4. 架空電線路と比較した地中電線路の特徴
5. パーセントインピーダンス(%Z)
6. 電動機のインバータ制御
7. サージ防護デバイス(SPD)
8. LANのスイッチングハブ
9. 電気鉄道の閉そく装置
10. 電気鉄道のインピーダンスボンド
11. 交通信号の半感応制御
12. 絶縁耐力試験
(本試験では12の用語から4つを選んで解答する。ここではすべての用語に2つずつ記述例を示すので,自己採点は選んだ4つの用語で行う。)
解答欄
正解
水車内で流速が上がり圧力が飽和蒸気圧以下に下がると気泡が発生し,その気泡が高圧部でつぶれる現象である。
51 字流水中の圧力低下で生じた気泡が,圧力の高い所で急激に崩壊し,衝撃圧を生じる現象である。
ランナや吸出し管の壊食,振動・騒音,効率低下の原因となるので,吸出し高さを低くし比速度を適正に選ぶ。
50 字ランナにステンレス鋼など壊食に強い材料を用い,部分負荷や過負荷での運転を避ける。
巻線をエポキシ樹脂などで注型(モールド)した乾式変圧器で,絶縁油を使わないので難燃性・自己消火性がある。
52 字コイルを樹脂で固めて絶縁した乾式の変圧器で,油入変圧器に比べ火災の危険が少ない。
小形・軽量で保守が容易なため,ビルや病院の電気室に用いるが,樹脂表面が充電部なので接触しないよう保護する。
53 字油入変圧器に比べ騒音がやや大きく,衝撃性の過電圧に弱いので,必要に応じて避雷器やサージアブソーバを設ける。
変圧器の中性点の接地方法により,直接接地・抵抗接地・消弧リアクトル接地・非接地の方式がある。
46 字送電系統の変圧器の中性点を,直接,又は抵抗やリアクトルを介して大地に接続する方式である。
地絡時の健全相の電圧上昇を抑えて機器の絶縁を軽減し,保護継電器を確実に動作させる目的で設ける。
47 字直接接地は187kV以上の超高圧系統に用い,健全相の電圧上昇が小さいが,地絡電流が大きく誘導障害に注意を要する。
雷や風雨などの自然災害の影響を受けにくく供給の信頼度が高い。また,電線が露出しないので都市の景観を損なわない。
55 字電線が地中にあるので感電事故のおそれが少なく,保安上有利で,市街地の景観の向上に役立つ。
建設費が高く,事故時の故障点の発見や復旧に時間がかかる。また,静電容量が大きく充電電流が大きい。
48 字ケーブルの熱放散が悪いため,同じ太さの電線では架空電線路より送電容量が小さくなる。
定格電流を流したときのインピーダンスによる電圧降下が,定格電圧に対して何%になるかを表したものである。
51 字%Z=(定格電流×インピーダンス)÷定格相電圧×100で表し,基準容量を決めて換算して用いる。
短絡電流は定格電流×100/%Zで求められ,遮断器の遮断容量の選定や変圧器の並行運転の検討に用いる。
50 字変圧器の%Zが大きいと短絡電流は小さくなるが,電圧変動率が大きくなる。
商用電源を直流に変換した後,インバータで電圧と周波数を変えた交流をつくり,誘導電動機の回転速度を制御する方式である。
58 字電源周波数を変えて誘導電動機の速度を連続して制御する方式で,電圧と周波数の比を一定に保つV/f制御などがある。
ファン・ポンプの風量・流量を回転数で調整すると,ダンパや弁で絞るより大幅に省エネになり,始動電流も小さくできる。
56 字インバータは高調波を発生するので,交流リアクトルやフィルタを設けて電源側への高調波の流出を抑える。
雷などの過渡的な過電圧を制限し,サージ電流を大地へ分流して,電源・通信回路に接続された機器を保護する装置である。
56 字過電圧が加わったときに低インピーダンスとなってサージを接地へ流し,機器に加わる電圧を抑える保護装置である。
分電盤や通信機器の引込口に設け,接続線はできるだけ短く太くして,機器の接地と同じ接地に接続する。
48 字SPDの故障時に電路を切り離すためSPD用分離器を直列に設け,保護レベルは機器の耐電圧より低いものを選ぶ。
受信したフレームの宛先MACアドレスを読み取り,該当する機器が接続されたポートにだけ転送する集線装置である。
54 字MACアドレステーブルを学習して宛先のポートにのみデータを送るレイヤ2の中継装置である。
不要なポートにデータを送らないので衝突が起きにくく,ネットワーク全体の通信速度の低下を防げる。
47 字VLAN機能で論理的にネットワークを分割でき,PoE対応品は端末にLANケーブルで給電できる。
線路を一定の区間(閉そく区間)に分け,1区間に1列車しか運転させないようにして列車の衝突を防ぐ装置である。
53 字一つの閉そく区間に同時に2本以上の列車が入らないようにする保安装置で,自動閉そく式などがある。
自動閉そく式は軌道回路で列車の在線を検知し,閉そく区間の入口の信号機を自動で停止信号にする。
46 字単線区間では対向列車との衝突を防ぐため,駅間の閉そくを連動させる方式(特殊自動閉そく式等)を用いる。
軌道回路の境界でレールの絶縁継目の両側に設け,電車の帰線電流(直流・商用周波)は通し,信号電流は通しにくくする装置である。
61 字レールを帰線と軌道回路の両方に使うため,絶縁継目の箇所で帰線電流を隣の区間へ流すための中性点付きのコイルである。
左右のレールに等しい帰線電流が流れると磁束が打ち消し合うので,鉄心が飽和せず信号電流に高いインピーダンスを保つ。
56 字中性点を使って帰線を変電所に接続したり,左右のレール間の帰線電流の不平衡を少なくするのに用いる。
交通量の少ない従道路側だけに車両感知器を設け,従道路に車両を感知したときだけ青信号を出す感応制御である。
52 字主道路は通常青を表示し,従道路の車両を感知したときに従道路へ必要な青時間を与える制御である。
主道路と従道路の交通量の差が大きい交差点に用い,主道路の不要な停止を減らして円滑な通行を確保する。
49 字従道路の青時間は感知した車両台数に応じて延長し,最大青時間を設けて主道路の待ちが長くならないようにする。
電路や機器に最大使用電圧に応じた試験電圧を連続して10分間加え,絶縁が破壊しないことを確かめる試験である。
53 字高圧の電路では最大使用電圧の1.5倍の交流電圧を10分間印加し,異常がないことを確認する。
ケーブルが長く充電電流が大きい場合は,直流で交流試験電圧の2倍の電圧を加えるか,補償リアクトルを用いる。
52 字試験前後に絶縁抵抗を測定し,試験中は立入禁止区域を設け,終了後は残留電荷を確実に放電させる。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- 選んだ用語ごとに,定義・原理・目的と,特徴・用途・選定や施工上の留意点など,異なる観点から2つ書く。
- 数値や方式名(例:短絡電流=定格電流×100/%Z,最大使用電圧の1.5倍を10分間)を入れると具体的になる。電気設備の技術基準の解釈や内線規程・高圧受電設備規程に関わる数値は,一般的な値として書けばよい。
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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級電気工事施工管理技士 第二次検定 令和2年度(2021年2月21日(日)実施) 問題4。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する