第30回 第5問 論点:精算表重要度 A配点 30点未着手

精算表(現金過不足・仮設材料のすくい出し・仮払金の利息前払・仮受金3区分・機械の予定計上)

これは建設業経理士2級 第30回(2022年3月13日(日)実施) 第5問(配点 30点)の問題です。論点は「精算表」(重要度A・解答の形は精算表(約70欄))。採点すると、解き方 14 手順・引っかけの指摘・決算整理仕訳が読めます。

決算整理仕訳の入力欄(問題文の各項目の下):仕訳は本試験では採点されないので点数には入りません。合っているかの確認と弱点分析に使います。

次の<決算整理事項等>に基づき、解答用紙の精算表を完成しなさい。なお、工事原価は未成工事支出金を経由して処理する方法によっている。会計期間は 1 年である。また、決算整理の過程で新たに生じる勘定科目で、精算表上に指定されている科目はそこに記入すること。

(1) 期末における現金の帳簿残高は ¥12,500 であるが、実際の手元有高は ¥9,500 であった。調査の結果、不足額のうち ¥2,500 は郵便切手の購入代金の記帳漏れであった。それ以外の原因は不明である。

仕訳 (1)
借方貸方

(2) 仮設材料費の把握についてはすくい出し方式を採用しているが、現場から撤去されて倉庫に戻された評価額 ¥1,200 の仮設材料について未処理であった。

仕訳 (2)
借方貸方

(3) 仮払金の期末残高は、以下の内容であることが判明した。① ¥1,800 は借入金利息の 3 か月分であり、うち 1 か月は前払いである。② ¥26,600 は法人税等の中間納付額である。

仕訳 (3)①
借方貸方

(4) 減価償却については、以下のとおりである。なお、当期中に固定資産の増減取引は発生していない。① 機械装置(工事現場用)実際発生額 ¥62,000。なお、月次原価計算において、月額 ¥5,000 を未成工事支出金に予定計上している。当期の予定計上額と実際発生額との差額は当期の工事原価(未成工事支出金)に加減する。② 備品(本社用)以下の事項により減価償却費を計上する。取得原価 ¥48,000 残存価額 ゼロ 耐用年数 3 年 減価償却方法 定額法

仕訳 (4)①
借方貸方
仕訳 (4)②
借方貸方

(5) 仮受金の期末残高は、以下の内容であることが判明した。① 当期中に完成した工事の未収代金の回収分 ¥10,000 ② 当期末に施工中の工事代金 ¥8,000 ③ 現場で発生したスクラップの売却代金 ¥5,000

仕訳 (5)
借方貸方

(6) 売上債権の期末残高に対して 1.2% の貸倒引当金を計上する(差額補充法)。

仕訳 (6)
借方貸方

(7) 完成工事高に対して 0.2% の完成工事補償引当金を計上する(差額補充法)。

仕訳 (7)
借方貸方

(8) 退職給付引当金の当期繰入額は本社事務員については ¥3,600、現場作業員については ¥9,400 である。

仕訳 (8)
借方貸方

(9) 上記の各調整を行った後の未成工事支出金の次期繰越額は ¥137,900 である。

仕訳 (9)
借方貸方

(10) 当期の法人税、住民税及び事業税として税引前当期純利益の 30% を計上する。

仕訳 (10)
借方貸方

解答欄

精算表(単位:円)
勘定科目残高試算表整理記入損益計算書貸借対照表
借方貸方借方貸方借方貸方借方貸方
現金12,500
当座預金203,000
受取手形47,000
完成工事未収入金693,000
貸倒引当金7,500
未成工事支出金157,100
材料貯蔵品5,700
仮払金28,400
機械装置150,000
機械装置減価償却累計額65,000
備品48,000
備品減価償却累計額16,000
支払手形83,000
工事未払金115,000
借入金150,000
未払金61,000
未成工事受入金141,000
仮受金23,000
完成工事補償引当金10,500
退職給付引当金187,000
資本金100,000
繰越利益剰余金215,040
完成工事高5,550,000
完成工事原価4,484,500
販売費及び一般管理費875,000
受取利息配当金5,560
支払利息25,400
6,729,6006,729,600
通信費
雑損失
前払費用
備品減価償却費
貸倒引当金繰入額
退職給付引当金繰入額
未払法人税等
法人税、住民税及び事業税
当期純利益

金額はカンマなしでも入力できます。表は横にスクロールできます。空欄のままにする欄には何も入力しないでください。同じ欄に複数の金額が入るとき(本試験では2段に書く)は合計を入力します。

正解

精算表(単位:円)
勘定科目残高試算表整理記入損益計算書貸借対照表
借方貸方借方貸方借方貸方借方貸方
現金12,5003,0009,500
当座預金203,000203,000
受取手形47,00047,000
完成工事未収入金693,00010,000683,000
貸倒引当金7,5001,2608,760
未成工事支出金157,10012,00031,200137,900
材料貯蔵品5,7001,2006,900
仮払金28,40028,400
機械装置150,000150,000
機械装置減価償却累計額65,0002,00067,000
備品48,00048,000
備品減価償却累計額16,00016,00032,000
支払手形83,00083,000
工事未払金115,000115,000
借入金150,000150,000
未払金61,00061,000
未成工事受入金141,0008,000149,000
仮受金23,00023,000
完成工事補償引当金10,50060011,100
退職給付引当金187,00013,000200,000
資本金100,000100,000
繰越利益剰余金215,040215,040
完成工事高5,550,0005,550,000
完成工事原価4,484,50025,0004,509,500
販売費及び一般管理費875,000875,000
受取利息配当金5,5605,560
支払利息25,4001,20026,600
6,729,6006,729,600
通信費2,5002,500
雑損失500500
前払費用600600
備品減価償却費16,00016,000
貸倒引当金繰入額1,2601,260
退職給付引当金繰入額3,6003,600
未払法人税等9,5809,580
法人税、住民税及び事業税36,18036,180
123,040123,0405,471,1405,555,5601,285,9001,201,480
当期純利益84,42084,420
5,555,5605,555,5601,285,9001,285,900

決算整理仕訳

借方貸方
(1)
通信費2,500
雑損失500
現金3,000
(2)
材料貯蔵品1,200
未成工事支出金1,200
(3)①
支払利息1,200
前払費用600
仮払金1,800
(4)①
未成工事支出金2,000
機械装置減価償却累計額2,000
(4)②
備品減価償却費16,000
備品減価償却累計額16,000
(5)
仮受金23,000
完成工事未収入金10,000
未成工事受入金8,000
未成工事支出金5,000
(6)
貸倒引当金繰入額1,260
貸倒引当金1,260
(7)
未成工事支出金600
完成工事補償引当金600
(8)
退職給付引当金繰入額3,600
未成工事支出金9,400
退職給付引当金13,000
(9)
完成工事原価25,000
未成工事支出金25,000
(10)
法人税、住民税及び事業税36,180
仮払金26,600
未払法人税等9,580

解き方

  1. 決算整理仕訳を (1) から順に書き、整理記入欄に転記する。未成工事支出金は借方 2,000 + 600 + 9,400、貸方 1,200 + 5,000 + 25,000 と両側に複数の金額が入る。仮払金の貸方は (3)① の 1,800 と (10) の 26,600 で合計 28,400。
  2. 整理記入が終わったら、残高試算表に整理記入を加減し、資産・負債・純資産は貸借対照表へ、収益・費用は損益計算書へ移す。当期純利益は損益計算書の借方と貸借対照表の貸方に同額を書く。
  3. (1) 現金の不足額 12,500 − 9,500 = 3,000。うち 2,500 は郵便切手代なので通信費、原因不明の残り 500 は雑損失。現金を実際有高まで減らす。 〔借方〕通信費 2,500・雑損失 500 /〔貸方〕現金 3,000
  4. (2) すくい出し方式では、倉庫に戻った仮設材料の評価額を工事原価から差し引いて材料貯蔵品に戻す。 〔借方〕材料貯蔵品 1,200 /〔貸方〕未成工事支出金 1,200
  5. (3)① 1,800 は 3 か月分の利息なので 1 か月 600。当期分 2 か月 1,200 は支払利息、前払いの 1 か月 600 は前払費用。仮払金の残り 26,600 は法人税等の中間納付額で、(10) で充当する。 〔借方〕支払利息 1,200・前払費用 600 /〔貸方〕仮払金 1,800
  6. (4)① 予定計上額 5,000 × 12 か月 = 60,000。実際発生額 62,000 との差額 2,000 は計上不足なので工事原価に加える。 〔借方〕未成工事支出金 2,000 /〔貸方〕機械装置減価償却累計額 2,000
  7. (4)② 備品の減価償却費 = 48,000 ÷ 3 年 = 16,000。本社用なので指定科目の備品減価償却費(販管費)。 〔借方〕備品減価償却費 16,000 /〔貸方〕備品減価償却累計額 16,000
  8. (5) 仮受金 23,000 を内訳で振り替える。①完成工事の未収代金の回収は完成工事未収入金の減少、②施工中の工事代金は未成工事受入金、③現場のスクラップ売却代金は工事原価の控除(未成工事支出金の減少)。 〔借方〕仮受金 23,000 /〔貸方〕完成工事未収入金 10,000・未成工事受入金 8,000・未成工事支出金 5,000
  9. (6) (5) 整理後の売上債権で計算する。(受取手形 47,000 + 完成工事未収入金 683,000) × 1.2% = 8,760。残高 7,500 との差額 1,260 を繰り入れる。 〔借方〕貸倒引当金繰入額 1,260 /〔貸方〕貸倒引当金 1,260
  10. (7) 完成工事高 5,550,000 × 0.2% = 11,100。残高 10,500 との差額 600。工事原価なので未成工事支出金。 〔借方〕未成工事支出金 600 /〔貸方〕完成工事補償引当金 600
  11. (8) 本社事務員分 3,600 は指定科目の退職給付引当金繰入額(販管費)、現場作業員分 9,400 は未成工事支出金。貸方は合計 13,000 を退職給付引当金。 〔借方〕退職給付引当金繰入額 3,600・未成工事支出金 9,400 /〔貸方〕退職給付引当金 13,000
  12. (9) 未成工事支出金 = 157,100 − 1,200 + 2,000 − 5,000 + 600 + 9,400 = 162,900。次期繰越額 137,900 を残し、差額 25,000 を完成工事原価に振り替える。 〔借方〕完成工事原価 25,000 /〔貸方〕未成工事支出金 25,000
  13. (10) 税引前当期純利益 120,600 × 30% = 36,180。中間納付額(仮払金の残り 26,600)を充当し、残り 9,580 を未払法人税等にする。 〔借方〕法人税、住民税及び事業税 36,180 /〔貸方〕仮払金 26,600・未払法人税等 9,580(税引前当期純利益 120,600)
  14. 損益計算書の貸方合計 5,555,560 − 借方合計 5,471,140 = 当期純利益 84,420。損益計算書の借方と貸借対照表の貸方に同じ金額を書き、4つの合計欄がそれぞれ貸借一致することを確認する。
引っかけ:(2) の仮設材料の戻りと (5)③ のスクラップ売却代金は、どちらも未成工事支出金の「貸方」(工事原価の減少)になる。(6) の貸倒引当金は (5)① で完成工事未収入金が 683,000 に減った後の残高で計算する。(3)② の中間納付額 26,600 は精算表に仮払法人税等の行がないので、仮払金のまま残しておき (10) で法人税等と相殺する。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第30回(2022年3月13日(日)実施) 第5問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する