建設業会計における負債の分類(発生原因・支出を伴うか否か・損益計算から生じた債務の性質)
これは建設業経理士1級 財務諸表 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第2問(配点 14点)の問題です。論点は「負債・引当金・偶発債務」(重要度B・解答の形は記号(ア〜チ/ア〜ネ)を空欄 7 個に記入)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
建設業会計における負債に関する次の文中の空欄の中に入れるべき最も適当な用語を下記の<用語群>の中から選び、その記号(ア〜ネ)を解答用紙の所定の欄に記入しなさい。
負債は、その発生原因により、【1】取引から生じた債務、【2】取引から生じた債務、損益計算から生じた債務の 3つに区別される。また、これらの負債は、【3】支出を伴うか否かにより【3】債務と非【3】債務の 2つに区別される。
【1】取引から生じた債務のうち【3】債務は、手形債務とその他の【3】債務とに分けられる。これらのうちその他の【3】債務には、①原料・資材などの購入、発注工事の引き渡しなどの生産活動に関連して発生した債務、②経費および一般管理活動にもとづいて発生した債務、③固定資産の購入その他の通常の取引以外の取引により発生した債務がある。これらのうち、①は【4】の項目で、②と③は未払金またはその発生原因を示す名称の項目で貸借対照表に記載される。非【3】債務については、たとえば工事の請負代金の前受分は債務となるが、これは将来、建設物の引き渡し等のサービスの提供を通じて決済される。この点で【3】債務とは異なり、これは貸借対照表において【5】の項目で記載される。
【2】取引から生じた債務には借入金と社債の 2つがある。これらのうち借入金は、貸借対照表上、期間の長短・借入先の違いなどにより、区別して記載される。
損益計算から生じた債務とは、期間利益の計算を正確に行うための期間収益・期間費用の帰属計算の結果生じた貸方項目をいう。これには、【6】、未払費用、および【7】がある。これらのうち、【6】と未払費用については、見越負債あるいは累積中の債務という一定の債務性が認められるが、【7】は条件付債務や非債務などであり、法的な性質は異なる。
- <用語群>
- ア 投資 イ 財務 ウ 資本 エ 積立金
- オ 準備金 カ 引当金 キ 営業 ク 経常
- コ 臨時 サ 完成工事未収入金 シ 未収入金 ス 工事未払金
- セ 未収収益 ソ 前受収益 タ 前受金 チ 未成工事受入金
- ト 未成工事支出金 ナ 流動 ニ 固定 ネ 金銭
解答欄
正解
| 空欄1 | キ |
|---|---|
| 空欄2 | イ |
| 空欄3 | ネ |
| 空欄4 | ス |
| 空欄5 | チ |
| 空欄6 | ソ |
| 空欄7 | カ |
解き方
- 【1】【2】負債を発生原因で分けると、営業取引(キ)から生じた債務(手形債務・工事未払金など)、財務取引(イ)から生じた債務(借入金・社債)、損益計算から生じた債務の 3つになる。第 3 段落の「借入金と社債」から【2】が財務と決まり、残る営業が【1】に入る。
- 【3】支出を伴うか否かによる区分は、金銭(ネ)債務と非金銭債務。「流動」(ナ)「固定」(ニ)は返済期限の長短による区分なので入らない。本文の 5 か所すべてに同じ「金銭」が入る。
- 【4】原料・資材の購入や発注工事の引渡しなど生産活動に関連して発生した債務は、建設業では工事未払金(ス)で表示する。【5】工事の請負代金の前受分は、建設物の引渡しというサービスの提供で決済される非金銭債務で、建設業では未成工事受入金(チ)の項目で表示する。一般の商企業の科目である前受金(タ)を選ばない。
- 【6】【7】損益計算から生じた債務は、前受収益(ソ)・未払費用・引当金(カ)。前受収益と未払費用は経過勘定として一定の債務性が認められ、引当金は条件付債務や非債務を含み法的な性質が異なる。「準備金」(オ)「積立金」(エ)は純資産の項目なので入らない。
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第32回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務諸表 第32回(2023年3月12日(日)実施) 第2問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する