偶発債務の発生確率に応じた財務諸表での表示方法
これは建設業経理士1級 財務諸表 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第1問 問2(配点 12点)の問題です。論点は「負債・引当金・偶発債務」(重要度B・解答の形は記述(各問 200〜300 字以内、原稿用紙形式))。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
偶発債務に関する以下の問に答えなさい。各問ともに指定した字数以内で記入すること。
問2 偶発債務は、その発生確率の高低に応じて財務諸表における表示が異なっている。それぞれの場合における表示方法を説明しなさい。(300 字)
解答欄
正解
模範解答
発生の確率が低く、金額も正確に見積れない偶発債務は、引当金の計上要件のうち「発生の可能性が高いこと」を欠くため、負債として貸借対照表に計上することはできない。この場合には、受取手形割引高や子会社等に対する債務保証の額といった形で、内容と金額を財務諸表に注記して開示する。一方、発生の確率が高く、しかも金額を合理的に見積れる偶発債務は、引当金の四つの計上要件をすべて満たすので、引当金の計上が強制される。このとき引当額は、債務保証損失引当金や損害補償損失引当金などの科目により、貸借対照表の負債の部に計上される。注記にとどまるか負債に計上されるかは、発生確率と金額の見積可能性によって分かれる。
296 字要点(書けていたものにチェック)
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。配点は要点の数で按分します。
解き方
- 発生確率が低い場合:引当金の要件のうち「発生の可能性が高い」を満たさないので負債計上できず注記で開示する、と注記の具体的な形を添えて書く。
- 発生確率が高い場合:四要件をすべて満たすので引当金として計上しなければならない、と書く。
- 科目名(債務保証損失引当金・損害補償損失引当金)と表示場所(負債の部)まで書いて締める。
引っかけ:「低い→注記」「高い→引当金」の対比だけでは要素不足。引当金の計上要件との関係、注記の形、科目名、負債の部への計上まで書く。発生確率が高くても金額を合理的に見積れないものは引当金にできず注記にとどまる点も押さえておく。
同じ論点の過去問
第33回 第1問 問1偶発債務の意義と発生原因の例示
第32回 第2問 建設業会計における負債の分類(発生原因・支出を伴うか否か・損益計算から生じた債務の性質)
論点ページ:負債・引当金・偶発債務の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第33回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 財務諸表 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第1問 問2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する