第34回 第3問 論点:車両費の予定配賦率(コストセンター化)重要度 B配点 16点未着手

車両費率の算定と現場別の車両費配賦額(共通費の配賦基準別按分)

これは建設業経理士1級 原価計算 第34回(2024年3月10日(日)実施) 第3問(配点 16点)の問題です。論点は「車両費の予定配賦率(コストセンター化)」(重要度B・解答の形は金額(+記号A/B)、第30回のみ配賦表)。採点すると、解き方 10 手順・引っかけの指摘が読めます。

S建設工業株式会社は、近隣に多くの工事現場を同時に保有することが多く、建設機械や資材等の運搬に多くのコストを要する。この原価管理のために、重要な保有車両であるA、B、Cをコスト・センター化し、走行距離 1 km 当たり車両費率(円/km)を予め算定し、これを用いて各現場に予定配賦している。次の<資料>によって、当月の各現場(No.101〜No.104)への車両費配賦額を算定しなさい。なお、走行距離 1 km 当たり車両費率の算定に際しては小数点第 3 位を四捨五入し、当月の各現場への車両費配賦額の算定に際しては円未満を四捨五入すること。

当月の各現場(No.101〜No.104)への車両費配賦額を算定しなさい。

  • 1.走行距離 1 km 当たり車両費率を予め算定するための資料
  • (1) 車両関係予算額
  • ① 個別費の車両別内訳(単位:円)
車両A車両B車両C
減価償却費827,600620,700620,700
修繕費245,90099,500111,500
燃料費522,000387,700349,500
税金161,00077,00097,000
保険料165,60076,000131,900
  • ② 共通費 油脂代 ¥288,650 消耗品費 ¥379,500 福利厚生費 ¥235,300 雑費 ¥105,500
  • (2) 共通費の配賦基準と基準数値
配賦基準車両A車両B車両C
油脂代走行距離8,600 km8,400 km8,100 km
消耗品費車両重量12 t11 t10 t
福利厚生費関係人員9 人8 人9 人
雑費減価償却費額個別費の車両別内訳を参照のこと
  • 2.当月の現場別車両使用実績(単位:km)
車両A車両B車両C
No.101 現場275――285
No.102 現場21518055
No.103 現場6311085
No.104 現場――385305

解答欄

円
円
車両ごとの配賦額を円未満四捨五入してから合計する(合計してから四捨五入した 102,175 は別解)
円
円
車両ごとの配賦額を円未満四捨五入してから合計する(合計してから四捨五入した 134,230 は別解)

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

No.101 現場130,407 円
No.102 現場102,174 円(別解 102,175 円)
No.103 現場54,641 円
No.104 現場134,229 円(別解 134,230 円)

解き方

  1. 個別費の車両別合計:A 827,600 + 245,900 + 522,000 + 161,000 + 165,600 = 1,922,100。B 620,700 + 99,500 + 387,700 + 77,000 + 76,000 = 1,260,900。C 620,700 + 111,500 + 349,500 + 97,000 + 131,900 = 1,310,600。
  2. 共通費を配賦基準で按分する。油脂代 288,650 ÷ (8,600 + 8,400 + 8,100) km = 11.5 円/km → A 98,900、B 96,600、C 93,150。消耗品費 379,500 ÷ 33 t = 11,500 円/t → A 138,000、B 126,500、C 115,000。
  3. 福利厚生費 235,300 ÷ 26 人 = 9,050 円/人 → A 81,450、B 72,400、C 81,450。雑費 105,500 は減価償却費額 827,600:620,700:620,700 = 0.4:0.3:0.3 で按分 → A 42,200、B 31,650、C 31,650。
  4. 車両別の予算額:A 1,922,100 + 98,900 + 138,000 + 81,450 + 42,200 = 2,282,650。B 1,260,900 + 96,600 + 126,500 + 72,400 + 31,650 = 1,588,050。C 1,310,600 + 93,150 + 115,000 + 81,450 + 31,650 = 1,631,850。
  5. 走行距離 1 km 当たり車両費率(小数点第 3 位を四捨五入):A 2,282,650 ÷ 8,600 km = 265.424… → 265.42 円/km。B 1,588,050 ÷ 8,400 km = 189.053… → 189.05 円/km。C 1,631,850 ÷ 8,100 km = 201.462… → 201.46 円/km。
  6. 現場別の配賦額(車両ごとに円未満を四捨五入してから合計)。No.101:A 275 km × 265.42 = 72,990.5 → 72,991、C 285 km × 201.46 = 57,416.1 → 57,416。合計 130,407。
  7. No.102:A 215 km × 265.42 = 57,065.3 → 57,065、B 180 km × 189.05 = 34,029、C 55 km × 201.46 = 11,080.3 → 11,080。合計 102,174。
  8. No.103:A 63 km × 265.42 = 16,721.46 → 16,721、B 110 km × 189.05 = 20,795.5 → 20,796、C 85 km × 201.46 = 17,124.1 → 17,124。合計 54,641。
  9. No.104:B 385 km × 189.05 = 72,784.25 → 72,784、C 305 km × 201.46 = 61,445.3 → 61,445。合計 134,229。
  10. 別解:現場ごとに車両分を合計してから円未満を四捨五入すると、No.102 は 102,174.6 → 102,175、No.104 は 134,229.55 → 134,230 になる(No.101 は 130,406.6 → 130,407、No.103 は 54,641.06 → 54,641 で同じ)。当サイトの採点では、車両ごとに円未満を四捨五入した値(No.102 は 102,174、No.104 は 134,229)を正解としている。
引っかけ:雑費の配賦基準は「減価償却費額」で、車両B・Cの減価償却費が同額なので 0.4:0.3:0.3 になる。車両費率は円未満を切り捨てず、小数点第 3 位を四捨五入して 2 桁まで残す(265.42 など)。配賦額の端数処理は車両ごとに四捨五入するか合計後に四捨五入するかで 1 円ずれることがあり、No.102・No.104 は別解が生じる。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 原価計算 第34回(2024年3月10日(日)実施) 第3問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する