管工事施工管理技士の合格率の読み方:年度ごとの変動と「何問で受かるか」
管工事施工管理技士の合格率は、直近では 1級 第一次検定が 4 割前後、1級 第二次検定が 6〜7 割台、2級 第一次検定が 6 割前後、2級 第二次検定が 5〜6 割台です。数字の上下には、問題の難しさのほかに受検資格や問題の構成の変更が重なっているので、表をそのまま「難しくなった・易しくなった」と読まないことが大切です。
合格基準は「点数」で決まる
管工事施工管理技術検定の合格基準は、得点 60% 以上という絶対基準です。1級の第一次検定だけは、これに加えて施工管理法(応用能力)の得点が 50% 以上という条件があります。上位何%を合格にする方式ではないので、合格率が低い年は「基準を超えた人が少なかった」という意味で、周りの受検者と競う試験ではありません。
ただし受検の手引には「試験の実施状況等を踏まえ変更する可能性があります」と書かれています。基準ぎりぎりを狙わず、本番で 7 割を取れる状態を目標にしてください。
年度ごとの受検者数・合格者数・合格率の一覧は難易度・合格率のページにあります。ここでは、その数字の読み方を説明します。
1級 第一次検定:受検者は増え、合格率は 4 割前後
直近 3 年度は、令和6年度 52.3%(受検者 23,240 人・合格者 12,147 人)、令和7年度 38.7%(23,826 人・9,224 人)、令和8年度 39.6%(27,740 人・10,979 人)です。その前の令和5年度は 37.5%(14,990 人・5,628 人)でした。
大きな変化は、令和6年度に受検者が 14,990 人から 23,240 人へ約 1.5 倍に増えたことです。この年度から、第一次検定はその年度中に 19 歳以上になる人なら学歴・実務経験を問わず受けられるようになりました。受検者の層が広がった年に合格率は 52.3% に上がり、翌年度には 38.7% に下がっています。受検者が増えたから合格率が下がる、という単純な関係ではなく、年度ごとの問題の難しさの差のほうが大きく表れていると読めます。
もう 1 つ目立つのが、令和3年度の 24.0%(15,827 人・3,792 人)です。学科試験が第一次検定に変わった最初の年度で、応用能力の問題(適当でないものを二つ選ぶ形式)と、その区分の合格基準が新しく加わりました。平成29年度から令和8年度までの 10 回の合格率は 24.0%〜52.3% の間にあり、半数の年度は 30% 台です。「半分は受かる試験」と思わず、4 割前後を前提に準備するのが現実的です。
1級 第二次検定:直近は 6〜7 割台
第二次検定の合格率は、令和3年度 73.3%(受検者 4,540 人・合格者 3,330 人)、令和4年度 57.0%(6,618 人・3,769 人)、令和6年度 76.2%(8,736 人・6,661 人)、令和7年度 63.3%(6,886 人・4,360 人)でした。令和5年度は受検者数と合格率を一次資料で確かめられなかったので、ここでは扱いません。
第二次検定を受けるのは第一次検定の合格者(と免除者)なので、第一次検定より合格率が高くなります。令和6年度は問題の構成が変わった年度で、施工経験記述の問題がなくなり、工程表と法規が両方とも必須になりました。その年度の合格率が 76.2% と高く、翌年度は 63.3% に戻っています。構成の変化と合格率の関係を 1 年分で言い切ることはできませんが、問題の型が変わった直後は過去問の対策が効きにくい、という点は意識しておくとよいでしょう。
不合格の人には、得点が 40% 以上で基準に届かなかった「B」と、40% 未満の「C」の評定が通知されます。B なら記述の精度を上げれば届く位置、C なら型の練習からやり直す位置と考えると、翌年の計画を立てやすくなります。
2級 第一次検定:前期・後期とも 6 割前後
直近の回は、令和6年度後期 65.1%(受検者 9,413 人・合格者 6,131 人)、令和7年度前期 63.1%(4,895 人・3,087 人)、令和7年度後期 61.1%(9,409 人・5,752 人)、令和8年度前期 62.5%(5,570 人・3,483 人)です。令和3・4年度は 49.8%〜56.8% とやや低く、平成29年度から令和2年度の学科試験の時期は 55.4%〜65.2% でした。
後期の数字は、第一次検定だけを受けた人と、第二次検定と同じ日に受けた人の合計です。令和7年度後期は、第一次検定のみが 61.1%、同日受検の第一次検定が 61.2% と、ほぼ同じでした。前期と後期で、どちらかが特に易しいという傾向は見られません。
2級 第二次検定:5〜6 割台、同日受検はやや低い
令和3年度 67.7%(受検者 8,938 人・合格者 6,054 人)、令和4年度 59.7%(8,316 人・4,962 人)、令和6年度 62.4%(7,550 人・4,708 人)、令和7年度 50.0%(7,552 人・3,776 人)です。
内訳を見ると、令和7年度は第一次検定と同じ日に受けた人が 47.4%、第二次検定のみの人が 51.6%、令和6年度は同日受検が 58.1%、第二次検定のみが 65.8% で、どちらの年度も同日受検のほうが低くなっています。同日受検は第一次検定の準備と並行するぶん、記述の練習に回せる時間が限られることを考えると、記述の型の練習を早めに始める意味がわかります。
何問正解すれば受かるか
合格基準を各検定の解答数に当てはめると、次のとおりです。
| 検定 | 解答数 | 合格ライン | 補足 |
|---|---|---|---|
| 1級 第一次検定 | 60 問(73 問から) | 36 問 | かつ施工管理法(応用能力)8 問中 4 問(令和7・8年度) |
| 2級 第一次検定 | 40 問(52 問から) | 24 問 | 分野ごとの基準はない(令和8年度前期) |
| 1級 第二次検定 | 記述(問題 1〜5 から 4 問) | 得点の 60% | 配点・解答は非公表 |
| 2級 第二次検定 | 記述(問題 1〜5 から 4 問) | 得点の 60% | 配点・解答は非公表。同日受検で第一次が不合格なら採点されない |
1級で落とし穴になるのが応用能力の基準です。8 問すべてが「適当でないものを二つ選ぶ」形式で、2 つとも当てて 1 問です。全体で 36 問以上取れても、応用能力が 3 問以下なら不合格になります。なお令和3・4年度の応用能力の基準は 7 問中 4 問で、年度によって問題数と基準が違うので、その年の受検の手引と合格発表資料で確かめてください。
2級は、必須の 15 問(一般基礎 6・設備機器と設計図書 5・基礎的な能力 4)で 12 問取れれば、選択の 25 問のうち 12 問で合格ラインに届きます。選択問題の範囲を絞り込みすぎず、必須問題を 8 割取ることを先に考えてください。
第二次検定は配点が公表されていないので「何問」とは言えません。問題 1〜3 が必須で、問題 4・5 は 1 問だけを選ぶ構成なので、どれか 1 つを白紙にすると 60% に届きにくくなります。全部の問題で解答欄を埋めることが前提です。
よくある質問
1級と2級ではどちらが難しいですか?
出題範囲はほぼ同じですが、1級は問題数が多く、一般基礎の計算と応用能力の基準があります。直近の第一次検定の合格率は、1級が 4 割前後、2級が 6 割前後です。
受検者が増えると合格しにくくなりますか?
合格基準は得点 60% の絶対基準なので、受検者数は自分の合否に直接関係しません。1級 第一次検定は令和6年度に受検者が約 1.5 倍になりましたが、その年度の合格率はむしろ上がっています。
合格基準の 60% は毎年同じですか?
受検の手引に「試験の実施状況等を踏まえ変更する可能性があります」と書かれています。1級の応用能力の基準も、令和3・4年度の 7 問中 4 問から、令和7・8年度は 8 問中 4 問に変わっています。
第二次検定で不合格だったとき、自分の点数は分かりますか?
点数そのものではなく評定が通知されます。B は得点 40% 以上で合格基準未満、C は 40% 未満です。
あわせて読む
出典・参考:一般財団法人 全国建設研修センターの合格発表資料(令和6〜8年度の受検者数・合格者数・合格率、合格基準)と国土交通省の報道発表(令和4年度以前)、令和8年度 1級管工事施工管理技術検定 第一次検定 受検の手引(合格基準)、第二次検定 受検の手引(評定の通知)
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