クスノキの移植:溝掘り式根回しの根の処理・積込みと運搬で樹木の損傷を防ぐ作業
これは2級造園施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年11月20日(日)実施) 問題2 設問(4)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
(4) 高木移植工に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。
【問題2】次に示す〔工事数量表〕及び〔工事に係る条件〕に基づく造園工事の施工管理に関する以下の設問(1)〜(4)について答えなさい。
注)表中の*の欄に入る語句は、出題の趣旨から記入していない。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、関東地方の近隣公園の未供用区域において、上記の工事数量表に基づき施工するものである。
・地被類植栽工の施工箇所は、平坦地であり、その土壌は事前の調査により植栽土壌として良好であることを確認している。
・高木移植工は、あらかじめ溝掘り式根回しを行ってあるクスノキを、約1km離れた圃場から移植する。
(イ) 溝掘り式根回しの一般的な施工方法で実施される、下記の①、②に関する作業内容について、根の処理に関する作業をそれぞれ具体的に記述しなさい。(ただし、薬品の塗布に関する内容は除く。)
① 支持根に対して行う作業
② 支持根以外の根に対して行う作業
(ロ) 掘取り及び根巻きを終えた樹木の積込み及び運搬に当たり、樹木の損傷防止のために行う作業内容を具体的に2つ記述しなさい。(ただし、使用する移動式クレーンなどの機材の選定・据付け・操作、幹巻きや根巻きに関する内容は除く。)
| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽工 | 高木植栽工 | ハナミズキ | H(m) 2.5、C(m) 0.10、W(m) 0.6 | 本 | 7 | * |
| 植栽工 | 中低木植栽工 | ベニカナメモチ | H(m) 1.5、C(m) ―、W(m) 0.4 | 本 | 40 | * |
| 植栽工 | 地被類植栽工 | ノシバ | 36cm×28cm×10枚 | m² | 500 | 目地張り、整地を含む |
| 移植工 | 高木移植工 | クスノキ | H(m) 10.0、C(m) 1.2、W(m) 8.0 | 本 | 1 | * |
解答欄
正解
支持根は切らずに三方又は四方に残し、幅10〜15cm程度で形成層まで環状はく皮をする。
43 字樹体を支える太根を3〜4方向に残して切断せず、その樹皮を形成層まで環状にはぎ取る。
鉢の外周で残した支持根の樹皮を、木部を傷めないよう形成層まで一周はぎ取る。
支持根以外の根は根鉢の外周に沿って切断し、切り口は鋭利な刃物で平らに切り直す。
39 字鉢の外周で側根や下へ伸びる根を切り、のこぎりで切った根は切り口を刃物で平滑に切り返す。
支持根以外の根は鉢の大きさで全て切断し、割れや傷のある根は傷の手前で切り戻す。
枝をしおって縄で幹に引き寄せて縛り、運搬中に枝が折れたり荷台からはみ出したりしないようにする。
47 字荷台に古タイヤや毛布などの緩衝材を敷き、根鉢を前方に置いて、幹の接する部分を保護してロープで固定する。
根鉢の両側に角材などの歯止めを置いて固定し、運搬中に根鉢が転がったり崩れたりしないようにする。
運搬中は樹木全体をシートで覆い、風による枝葉の損傷と乾燥を防ぐ。
荷台に古タイヤや毛布などの緩衝材を敷き、根鉢を前方に置いて、幹の接する部分を保護してロープで固定する。
51 字枝をしおって縄で幹に引き寄せて縛り、運搬中に枝が折れたり荷台からはみ出したりしないようにする。
根鉢の両側に角材などの歯止めを置いて固定し、運搬中に根鉢が転がったり崩れたりしないようにする。
運搬中は樹木全体をシートで覆い、風による枝葉の損傷と乾燥を防ぐ。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (イ) 溝掘り式根回しは、根元直径の3〜5倍程度の鉢を定めて周囲に溝を掘り、根を処理してから埋め戻す方法である。樹体を支える太根(支持根)は三方又は四方に残して切断せず、一般に10〜15cm程度の幅で形成層まで環状はく皮を行う。はく皮により葉で作られた養分が根の先へ流れるのが止まり、はく皮部の上端から新しい根(細根)が出る。支持根を残すのは、移植までの間に樹木が倒れないようにするためである。公園緑地工事共通仕様書(令和2年5月) 2-4-3 1 も、一部の太根は切断せず、適切な幅で形成層まで環状はく皮を行うとしている。
- 支持根以外の根は鉢の外周で切断し、のこぎりなどで切って荒れた切り口は鋭利な刃物で平らに切り直す(切り返し)。切り口が平滑だと腐りにくく、切り口付近から細根が出やすい。根回しの後は根鉢の周りを埋め戻し、十分に灌水する(同 2-4-3 2)。薬品(発根促進剤・癒合剤)の塗布は除外されている。
- (ロ) 同 2-4-1 5 は、樹木の運搬に当たり枝幹などの損傷、鉢崩れなどがないよう十分に保護養生を行うとしている。H10.0m・W8.0mのクスノキは枝張りが大きいので、枝しおりで枝を幹に引き寄せて縄で縛り、運搬中の枝折れや荷台からのはみ出しを防ぐ。荷台には緩衝材を敷いて幹や根鉢との接触部を保護し、根鉢を前方(運転席側)にして積んでロープで固定し、根鉢の両側に歯止めを置いて転がりを防ぐ。約1kmの運搬でも、シートで覆うと風による枝葉の傷みや乾燥を防げる。
- クレーンの選定・据付け・操作、幹巻き・根巻きは除外されているので、吊り上げの方法や幹の保護材の巻き方は答えにしない。
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令和4年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した2級造園施工管理技士 第二次検定 令和4年度(2022年11月20日(日)実施) 問題2 設問(4)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する