令和5年度 問題2 設問(1)論点:土壌・肥料重要度 A未着手

植栽基盤工(物理的な条件の調査項目と調査方法・固結した粘性土層がある区域の土層改良工と土性改良工)

これは1級造園施工管理技士 第二次検定 令和5年度(2023年12月3日(日)実施) 問題2 設問(1)の問題です。論点は「土壌・肥料」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。

(1) 植栽基盤工に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。

【問題2】次に示す〔図面〕、〔工事数量表〕及び〔工事に係る条件〕に基づく造園工事の施工管理に関して、以下の設問(1)〜(6)について答えなさい。

注)表中の※欄に入る語句及び数値は、出題の趣旨から記入していない。

〔工事に係る条件〕

・本工事は、供用開始している地区公園の一部を再整備する工事であり、工事数量表に基づいて施工するものである。

・本公園の位置は関東地方にあり、周辺は主に住宅地が広がっている。

・根回し工のケヤキは、供用区域内(図の範囲外)に植栽されているものについて、次年度以降に移植することを予定している。

・移植工のクスノキは、供用区域内(図の範囲外)から移植するものであり、前年の3月に根回し済みである。

・構造物撤去工は、割板石張舗装を行う箇所でコンクリート平板の撤去を、土舗装を行う箇所でアスファルト舗装の撤去をそれぞれ行う。

・工期は7月20日から翌年の1月20日までとする。

(イ) 植栽地土壌の物理的な条件を確認する目的で一般的に行う調査項目と、それに対応した現場での調査方法を、それぞれ具体的に2つずつ記述しなさい。

(ロ) 植栽基盤工を行う区域については、事前の土壌調査により次のような結果が確認されている。

「地表面から深さ50cmまでの土壌については良質土であるが、深さ50cm〜80cmまでについては、全域にわたり厚さ30cmほどの固結した粘性土の層が広がっている。また、80cmより下層の土壌については、良質土である。」

この調査結果をふまえ、施工すべき土層改良工、土性改良工のそれぞれについて、具体的な作業方法を記述しなさい。

(ただし、土壌pHの改良方法に関する内容は除く。)

〔図面〕造園工事の平面図(縮尺バー0〜50m、方位記号のNは右上を向く)。図の左に縦方向の道路、下に横方向の道路があり、敷地はその角に面する。一点鎖線の工事区域は、道路沿いのL字形の植栽地(左側と下側。灰色=土層改良工・土性改良工の区域)、その内側に沿う帯状の土舗装(点々)、中央の広いノシバ(細かい点)の区域、左の道路から入る割板石張舗装(格子)の通路を含む。ノシバの区域には等高線(破線)があり、右上に向かって203、205、207mと高くなる小山がある。L字形の植栽地に、クスノキ(ク)5本(左上に4本、右下の角に1本)、サルスベリ(サ)8本、ソヨゴ(ソ)7本がある。工事区域の右下にトイレ(工事区域外)がある。工事区域の外(上側・右側=供用区域)に既存木(白丸)がある。凡例:一点鎖線=工事区域、サ=サルスベリ、ソ=ソヨゴ、ク=クスノキ、白丸=既存木、細かい点=ノシバ、灰色=土層改良工・土性改良工、点々=土舗装、格子=割板石張舗装、破線=等高線(数値は標高を示す)。ただし、図中の表示は位置のみを示している。
〔工事数量表〕
工種種別細別規格単位数量備考
植栽基盤工土層改良工※※m²3,000
植栽基盤工土性改良工※※m²3,000
植栽工高木植栽工サルスベリH(m) 2.5、C(m) 0.12、W(m) 1.0本8二脚鳥居型支柱(添え木あり)
植栽工高木植栽工ソヨゴH(m) 2.5、C(m) ―、W(m) 0.7本7二脚鳥居型支柱(添え木あり)
植栽工地被類植栽工ノシバ36cm×28cm×10枚m²6,000※
移植工根回し工ケヤキH(m) 7.0、C(m) 0.60、W(m) 5.0本2溝掘式根回し
移植工高木移植工クスノキH(m) 7.0、C(m) 0.80、W(m) 4.0本1八ツ掛支柱(丸太三本)
移植工高木移植工クスノキH(m) 6.0、C(m) 0.70、W(m) 3.5本1八ツ掛支柱(丸太三本)
移植工高木移植工クスノキH(m) 5.0、C(m) 0.60、W(m) 3.0本1八ツ掛支柱(丸太三本)
移植工高木移植工クスノキH(m) 5.0、C(m) 0.50、W(m) 2.5本1八ツ掛支柱(丸太三本)
移植工高木移植工クスノキH(m) 4.0、C(m) 0.40、W(m) 2.0本1八ツ掛支柱(丸太三本)
構造物撤去工構造物取壊し工舗装版切断コンクリート平板m²200
構造物撤去工構造物取壊し工舗装版切断アスファルト舗装版m²500
構造物撤去工構造物取壊し工舗装版破砕※※※
構造物撤去工運搬処理工殻運搬※※※
構造物撤去工運搬処理工殻処分※※※
園路広場整備工土系舗装工土舗装m²600
園路広場整備工石材系舗装工割板石張舗装m²250
公園施設等撤去・移設工樹木伐採・抜根工高木伐採幹周0.6m以上0.9m未満本3樹勢不良

解答欄

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本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

(イ) 調査項目 1 模範解答

土壌の硬さ(土壌硬度)

11 字
別解

有効土層の厚さ

土壌の透水性(排水性)

土性(土壌の粒径組成)

(イ) 調査項目 1 に対応した現場での調査方法 模範解答

長谷川式土壌貫入計を地表から鉛直に打ち込み、深さごとの1回落下当たりの貫入量(S値)を測る。

46 字
別解

(有効土層の厚さ)検土杖を地中に突き刺して抜き、付いた土の層の深さと硬さを見て有効土層を確かめる。

(透水性)長谷川式簡易現場透水試験器で、試験孔に注水して水位の低下を測り、最終減水能を求める。

(土性)採取した土を湿らせて指でこね、ざらつきと粘りから砂と粘土の割合を判定する(指触法)。

(イ) 調査項目 2 模範解答

土壌の透水性(排水性)

11 字
別解

土壌の硬さ(土壌硬度)

有効土層の厚さ

土性(土壌の粒径組成)

(イ) 調査項目 2 に対応した現場での調査方法 模範解答

長谷川式簡易現場透水試験器で、試験孔に注水して一定時間ごとの水位の低下を測り、最終減水能を求める。

49 字
別解

(土壌の硬さ)土壌断面を掘り、山中式土壌硬度計を断面に押し当てて、層ごとの硬度(指標硬度)を測る。

(有効土層の厚さ)試験孔を掘って土壌断面を観察し、根が伸びられる層の深さと土層の構成を確かめる。

(土性)採取した土を湿らせて指でこね、ざらつきと粘りから砂と粘土の割合を判定する(指触法)。

(ロ) 土層改良工の作業方法 模範解答

バックホウで深さ80cmを超えるまで掘り起こし、固結した粘性土層を破砕して上下の良質土と混ぜ、締め固めずに戻す。

56 字
別解

固結層を心土破砕で砕いた後、バックホウで上層・下層の良質土と混層耕し、土層を連続させて過度に締め固めない。

降雨直後を避け、バックホウで深さ80cm以上まで掘って固結層を砕き、上下の土と混合耕うんして埋め戻す。

(ロ) 土性改良工の作業方法 模範解答

破砕した粘性土の層にバーク堆肥やパーライトなどの土壌改良材を設計量投入し、むらなく均一に混合する。

49 字
別解

粘性土に透水性・通気性を改善する土壌改良材(黒曜石パーライトなど)を所定量入れ、バックホウで均一に混ぜる。

土壌改良材を設計図書の量だけ散布し、改良効果が出るよう粘性土と十分にかき混ぜてから敷き均す。

要点(書けていたものにチェック)(イ) 調査項目 1(イ) 調査項目 1 に対応した現場での調査方法(イ) 調査項目 2(イ) 調査項目 2 に対応した現場での調査方法(ロ) 土層改良工の作業方法(ロ) 土性改良工の作業方法
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. (イ) 植栽基盤の物理的な条件は、土壌の硬さ(根が伸びられるか)、透水性(排水性)、有効土層の厚さ、土性などで、現場では長谷川式土壌貫入計・山中式土壌硬度計(硬さ)、長谷川式簡易現場透水試験器(透水性)、検土杖・試験孔の断面観察(有効土層の厚さ・土層構成)などで調べる。pH・EC・養分は化学的な条件なので、この設問には当たらない。
  2. 判定の目安:長谷川式土壌貫入計のS値(1回落下当たりの貫入量)は0.7cm/drop以下が固結、1.0cm/drop未満が不良、1.5〜4.0cm/dropが良(一般的な目安)。長谷川式簡易現場透水試験の最終減水能は30mm/hr未満が不良、100mm/hr以上が良。
  3. (ロ) 土層改良工:公園緑地工事共通仕様書(令和6年5月) 第1章1-5-4は、普通耕(表層20cm程度)、深耕(有効土層40〜60cmを必要とする場合)、混層耕(表層と下層の性質が異なる場合に混合耕うんして土層構造を連続させる)、心土破砕(下層の硬い層を破砕する)を定め、過度の締固めをしない、降雨直後に耕起しないとしている。
  4. この区域は深さ50〜80cmに厚さ30cmの固結した粘性土層があり、その上下は良質土である。深耕(40〜60cm)では固結層を抜けないので、バックホウで80cmを超える深さまで掘って固結層を破砕し、上下の良質土と混ぜて排水できる連続した土層にする(混層耕・心土破砕)。
  5. 土性改良工:同1-5-5は、土性改良は植栽基盤の物理性の改良を図るもので、改良効果が十分発揮されるよう土壌改良材を均一に混合するとしている。粘性土には透水性・通気性を良くする改良材(バーク堆肥などの有機質改良材、黒曜石パーライトなど)を使う。土壌pHの改良(中和剤施用)は除外されている。
引っかけ:(ロ)の固結層は深さ50〜80cmにあり、深耕(通常40〜60cm)だけでは下の良質土に届かない。上下の良質土と混ぜて水が抜ける土層にするのが要点。土性改良に石灰などの中和剤を書くと、除外されたpHの改良になる。

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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 令和5年度(2023年12月3日(日)実施) 問題2 設問(1)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する