令和3年度 問題2 設問(2)論点:土壌・肥料重要度 A未着手

植栽基盤工(屋上の植栽基盤の層・人工軽量土壌の課題・屋上に植える中木の課題・黒曜石パーライトの効果)

これは1級造園施工管理技士 第二次検定 令和3年度(2021年12月5日(日)実施) 問題2 設問(2)の問題です。論点は「土壌・肥料」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。

(2) 植栽基盤工に関し、以下の(イ)〜(ニ)について答えなさい。

【問題2】次に示す図面、工事数量表及び工事に係る条件に基づく造園工事の施工管理に関する以下の設問(1)〜(3)について答えなさい。

注)表中の*の欄に入る語句及び数値は、出題の趣旨から記入していない。

〔工事に係る条件〕

・本工事は、供用中の地区公園内のビジターセンターの建替え及び雨水地下貯留槽の設置に伴う公園再整備工事であり、左記の工事数量表に基づく工事を施工するものである。

・ビジターセンター建築工事及び雨水地下貯留槽設置工事、園路広場工事は終了している。

・本公園の位置は関東地方である。

・雨水地下貯留槽(プラスチック製)の上部には、同施設の設置に伴い発生した現場発生土に黒曜石パーライトとピートモスを混合した土を敷き均し、張芝を行う。

・ビジターセンターの屋上部には、人工軽量土壌を用いて屋上緑化を行う。

・移植するシラカシは、供用区域内に生育しているものを掘り取り、移植する。

・工期は9月1日から翌年の3月20日までとする。

(イ) 下図は、ビジターセンター屋上部の植栽基盤の模式断面図である。図中の(A)、(B)についてそれぞれ名称とその役割を記述しなさい。

(ロ) ビジターセンター屋上部には人工軽量土壌を用いることとしている。自然土壌を用いた場合と比較して、人工軽量土壌を用いた場合に発生する課題とその対策を具体的に記述しなさい。

(ハ) 追加工事として、ビジターセンター屋上部にサザンカ(H1.8m、W0.4m)5本を前記(イ)に示す植栽基盤に植え付けることになった。この場合、地上部に植栽する場合と比較して対応すべき、生育上の課題とその対策を具体的に記述しなさい。

(ただし、灌水に関する内容は除く。)

(ニ) 雨水地下貯留槽(プラスチック製)の上部に用いる黒曜石パーライトについて、その効果を2つ記述しなさい。

〔図面〕造園工事の平面図(縮尺バー0〜50m、方位記号のNは左上を向く)。上に横方向の道路、右に縦方向の道路がある。一点鎖線の工事区域は、上の道路に面したビジターセンター(中に屋上の植栽の表示)とその周りの植栽地、左上の園路に囲まれた小さな植栽地、その下の雨水地下貯留槽(破線の長方形)を含むノシバの区域。ビジターセンターの右にクロマツ(ク)3本、左上の植栽地にクロマツ2本、ビジターセンターの右下の植栽地にシラカシ(シ)1本がある。屋上部の植栽は、上下の縁にハマヒサカキ(俵形の帯)、左右の縁にキリシマツツジ(斜線の帯)がある。工事区域の外の左側・右側の道路沿いに既存木(白丸)が並び、下側は(供用区域)。凡例:一点鎖線=工事区域、シ=シラカシ、ク=クロマツ、俵形の帯=ハマヒサカキ、斜線の帯=キリシマツツジ、点々=ノシバ、白丸=既存木。ただし、図中の表示は位置のみを示している。
〔工事数量表〕
工種種別細別規格単位数量備考
植栽基盤工土性改良工土性改良黒曜石パーライト、ピートモスm²5,000雨水地下貯留槽の上部を含む
植栽基盤工人工地盤工****ビジターセンターの屋上部
植栽工高木植栽工クロマツH(m) 3.0、C(m) 0.18、W(m) 1.5本5二脚鳥居支柱(添木無)
植栽工中低木植栽工ハマヒサカキH(m) 0.4、C(m) ―、W(m) 0.3本200ビジターセンターの屋上部
植栽工中低木植栽工キリシマツツジH(m) 0.3、C(m) ―、W(m) 0.25本300ビジターセンターの屋上部
植栽工地被類植栽工ノシバ36cm×28cm×10枚m²*目地張り(目土あり)
移植工高木移植工シラカシH(m) 8.0、C(m) 1.0、W(m) 3.5本1ワイヤー張り支柱
ビジターセンター屋上部の植栽基盤の模式断面図。上から順に、人工軽量土壌(厚さ0.2m)、その下の境界の線(A)、排水層(礫状の材料)、その下の境界の線(B)、押えコンクリート、防水層、スラブコンクリート(ビジターセンター躯体部分)。(A)は人工軽量土壌と排水層の間、(B)は排水層と押えコンクリートの間にある層を指している。

解答欄

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本試験は解答用紙の枠に手書きです。書き終えたら「採点する」で模範解答と要点を表示し、書けていた要点にチェックを入れて記録します。

字数は本試験の解答欄に入るおおよその量です。「〜する」「〜を行う」の形で、具体的な数値や方法まで書くと要点が入りやすくなります。

正解

(イ) (A)の名称 模範解答

透水シート

5 字
別解

フィルター(透水層)

(イ) (A)の役割 模範解答

人工軽量土壌の細かい粒子が排水層へ流れ込むのを止め、水だけを通して排水層の目詰まりを防ぐ。

45 字
別解

水は下へ通しながら上の土壌の流出を防ぎ、排水層のすき間が土で詰まって排水できなくなるのを防ぐ。

(イ) (B)の名称 模範解答

防根シート

5 字
別解

耐根シート(耐根層)

(イ) (B)の役割 模範解答

植物の根が押えコンクリートの目地や防水層まで伸びて防水層を傷め、漏水させるのを防ぐ。

42 字
別解

根の貫通を防いで防水層と建物の躯体を根から守り、根による漏水や躯体の損傷を防ぐ。

(ロ) 人工軽量土壌を用いた場合に発生する課題 模範解答

軽くて粒子が細かいため、乾くと強風で飛散し、豪雨のときは流出したり浮き上がったりしやすい。

45 字
別解

(別の課題1)保肥力が小さく養分を保ちにくいため、植物が肥料不足になりやすい。

(別の課題2)土が軽くて根鉢を押さえる力が小さいため、植えた樹木が風で揺れて倒れやすい。

(ロ) その対策 模範解答

表面をバークチップなどでマルチングし、地被で早く覆い、縁に見切り材を設けて飛散と流出を防ぐ。

46 字
別解

(別の課題1への対策)植付け時に緩効性肥料を混ぜ込み、生育を見ながら定期的に追肥を行う。

(別の課題2への対策)地下支柱で根鉢を固定し、樹木が風で揺れないようにする。

(ハ) 屋上部に植え付けるサザンカの生育上の課題 模範解答

土壌の厚さが0.2mしかなく、H1.8mのサザンカの根が十分に張れずに生育が衰え、風で倒れやすい。

49 字
別解

(別の課題)屋上は風が強く日射の照返しも大きいため、枝葉が傷み、土壌が高温で乾燥しやすい。

(ハ) その対策 模範解答

屋上の積載荷重の範囲内で植栽部分を人工軽量土壌で盛り上げて土層を厚くし、地下支柱で根鉢を固定する。

49 字
別解

(別の課題への対策)風上側に防風ネットを設け、根元をマルチングして乾燥と地温の上昇を抑える。

(ニ) 黒曜石パーライトの効果 1 模範解答

粗い孔げきをつくり、土の透水性(排水性)を良くする。

26 字
別解

土に空げきをつくって水はけを良くする。

(ニ) 黒曜石パーライトの効果 2 模範解答

土の通気性を良くし、根に酸素が届きやすくする。

23 字
別解

軽量なので、貯留槽の上にかかる荷重を軽くできる。

土を膨軟にして、根が伸びやすくする。

要点(書けていたものにチェック)(イ) (A)の名称(イ) (A)の役割(イ) (B)の名称(イ) (B)の役割(ロ) 人工軽量土壌を用いた場合に発生する課題(ロ) その対策(ハ) 屋上部に植え付けるサザンカの生育上の課題(ハ) その対策(ニ) 黒曜石パーライトの効果 1(ニ) 黒曜石パーライトの効果 2
要点の 6 割以上で「正解」扱いにします。

模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。

解き方

  1. (イ) 公園緑地工事共通仕様書(令和2年5月) 第1章1-5-7 人工地盤工は、防水・押えコンクリート・人工地盤排水層・フィルター・防根シート・人工地盤客土の施工を定め、フィルターと防根シートは破損がないことを確かめ、すき間や折れのないように施工するとしている。公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 23.5.2・23.5.3 は、屋上緑化システムを耐根層・耐根層保護層・排水層・透水層・土壌層で構成し、透水層は「目詰まりにより植物の生育に支障を生じることがなく、植込み用土を流出させない構造」、耐根層は地下茎の伸長力の強い植物に対しても貫通を防ぐものとしている。
  2. 公園緑地工事積算体系 用語定義集(令和7年度版)の「人工地盤排水層の例」の図(都市公園技術標準解説書から引用)では、上から改良土、透水シート、排水層(黒曜石パーライト)、防根シート、押えコンクリート、断熱層、アスファルト防水層の順に重なっている。図の(A)は人工軽量土壌と排水層の間にある透水シート(フィルター)で、水を通して土の粒子を止め、排水層の目詰まりを防ぐ。(B)は排水層と押えコンクリートの間にある防根シート(耐根層)で、根が押えコンクリートの目地から防水層まで伸びて防水層を傷めるのを防ぐ。
  3. (ロ) 人工軽量土壌は、真珠岩パーライトなどの無機質の材料にピートモスなどの有機物を混ぜた軽い土で、建物の積載荷重を小さくできる(公共建築工事標準仕様書 23.5.3(1)(オ))。反面、一般に自然土壌より軽く粒子が細かいので、乾くと風で飛び、強い雨では流れたり浮いたりしやすい。保肥力が小さいものが多く、根鉢を押さえる力も小さい。対策は、マルチングや地被による被覆・見切り材の設置、緩効性肥料の施用と追肥、地下支柱などである。
  4. (ハ) 図の植栽基盤は人工軽量土壌の厚さが0.2mで、芝や地被・低木(ハマヒサカキ・キリシマツツジ)を植える厚さである。樹高1.8mの中木(サザンカ)は、根を張る土層が足りず生育が衰え、風当たりの強い屋上では倒れやすい。荷重の許容範囲を確かめて植栽部分の土層を厚くし(人工軽量土壌のマウンド)、地下支柱で根鉢を固定する。屋上は風が強く日射の照返しも大きいので、防風ネットやマルチングで枝葉と土壌を守る対策もある。灌水(自動灌水装置の設置など)の内容は除かれている。
  5. (ニ) 黒曜石パーライトは黒曜石を高温で焼成・膨張させた軽い粒で、粒の中の空げきが独立していて水を吸いにくい。土に混ぜると粗い孔げきができ、透水性(排水性)と通気性が良くなる。軽いので、プラスチック製の雨水地下貯留槽の上にかかる土の重さを軽くできる。保水性の改善に使うのは真珠岩パーライトである。
引っかけ:(イ)は層の位置で考える。土のすぐ下で土の流出を止めるのが透水シート(フィルター)、排水層の下で根を止めて防水層を守るのが防根シート。(ハ)は灌水の内容が除外されているので、「自動灌水装置を設ける」は答えにならない。(ニ)の黒曜石パーライトは透水性・通気性の改善で、保水性の改善は真珠岩パーライト。

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出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 令和3年度(2021年12月5日(日)実施) 問題2 設問(2)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する