樹木整姿工の安全管理(高所作業車の配置・据付け、作業床での留意事項、薬剤散布で周辺への影響を防ぐ措置)
これは1級造園施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年12月1日(日)実施) 問題5 設問(1)(ハ)の問題です。論点は「安全管理」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
(ハ) 樹木整姿工における安全管理に関し、以下の1)〜3)について答えなさい。
【問題5】安全管理に関する以下の設問(1)、(2)について答えなさい。
(1) 次に示す工事数量表及び工事に係る条件に基づく造園工事に関し、以下の(イ)〜(ハ)について答えなさい。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、供用後30年を経過した近隣公園(4.0ha)の一部区域において、上記の数量表に基づき施工するものである。
・樹勢回復工は、オオシマザクラの樹勢回復と病虫害防除のため、液肥と殺菌剤を混合して動力噴霧器で葉面散布するものである。
・工期は、6月1日から9月30日までとする。
・工事区域及びその周辺は平坦であり、架空線等の障害物はない。
・公園の周辺は、主に住宅地が広がっている。
1)高所作業車を用いてクスノキの剪定を行うこととした。この場合、高所作業車の転倒又は作業員の転落の危険を防止するため、高所作業車の配置・据付けを行う際に留意すべき事項を具体的に2つ記述しなさい。
(ただし、高所作業車の運転に係る資格や講習に関する内容は除く。)
2)前問1)の場合、高所作業車の作業床で剪定作業を行う作業員が、自らの安全を確保するために留意すべき事項を具体的に2つ記述しなさい。
3)オオシマザクラへの薬剤等の散布を行うこととした。公園利用者や公園周辺の住民などへの影響を防ぐために取るべき措置を具体的に2つ記述しなさい。
(ただし、農薬の選択及び使用方法(使用回数、使用量、使用濃度等)、作業後の農薬の処理、作業員の健康管理に関する内容は除く。)
| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽工 | 高木植栽工 | ケヤキ | H(m) 7.0、C(m) 0.60、W(m) 4.0 | 本 | 10 | 支柱取付け |
| 樹木整姿工 | 高中木整姿工 | クスノキ | H(m) 10.0、C(m) 0.80、W(m) 5.5 | 本 | 15 | |
| 樹木整姿工 | 樹勢回復工 | オオシマザクラ | H(m) 7.0、C(m) 0.45、W(m) 4.0 | 本 | 20 | 薬剤等散布 |
解答欄
正解
平坦で堅固な地盤に据え付け、軟弱な箇所では敷鉄板を敷いて、アウトリガーを最大限に張り出して確実に接地させる。
54 字据付け場所の地下埋設物や側溝・マンホールの位置を確かめ、それらの上にアウトリガーや車輪を置かない。
据え付けたら車両の水平を確かめて歯止めをし、作業中も地盤の沈下やアウトリガーの浮きがないかを点検する。
剪定する枝に作業床が無理なく届く位置に配置し、ブームの作業範囲と作業床の積載荷重の範囲内で作業できるようにする。
56 字クスノキの樹冠の大きさに合わせて、作業床を身を乗り出さずに枝へ寄せられる位置を選んで車両を据える。
墜落制止用器具を作業床の取付け設備に掛けて使用し、手すりに乗ったり身を乗り出したりして作業しない。
49 字作業床の上で脚立やはしごなどを使って高さを稼がず、作業床の床面に立って作業する。
作業床の積載荷重を超えて人や剪定枝を載せず、切った枝が作業床に当たって揺れや衝撃を与えないようにする。
51 字作業床を上下・旋回させるときは周りの枝や障害物との接触を確かめ、挟まれたり体をぶつけたりしないようにする。
チェーンソーなどの刃物は体から離して作業床の外側へ向けて使い、自分の体や墜落制止用器具のランヤードを切らないようにする。
散布の日時・区域・薬剤名を事前に掲示や回覧で公園利用者と周辺住民に知らせ、窓を閉めるなどの協力を求める。
52 字散布後も薬剤が乾くまで区域の立入禁止を続け、葉や地面に触れないよう看板で注意を呼びかける。
散布中は区域の周りをロープと看板で立入禁止にし、誘導員を置いて公園利用者を近づけない。
43 字風の強い日を避け、風向きに注意して住宅や園路の方へ薬剤が飛ばないよう、風の弱い早朝などに散布する。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- 1)労働安全衛生規則第194条の11は、高所作業車を用いて作業を行うときは、高所作業車の転倒又は転落による労働者の危険を防止するため、アウトリガーを張り出すこと、地盤の不同沈下を防止すること、路肩の崩壊を防止すること等必要な措置を講じなければならないとしている。同第194条の9は、作業に係る場所の状況、高所作業車の種類及び能力等に適応する作業計画を定めて作業するとしている。本工事は平坦な区域で架空線もないが、据付け地盤の強さや地下埋設物・側溝は確かめる。作業床が剪定する枝に届かない位置に据えると、作業員が身を乗り出して転落の危険が増す。
- 2)同第194条の22は、作業床が接地面に対し垂直にのみ上下する構造のもの以外の高所作業車を用いて作業を行うときは、作業床上の労働者に要求性能墜落制止用器具等を使用させ、労働者はこれを使用しなければならないとしている。ブーム式の高所作業車での剪定では、墜落制止用器具を使い、手すりに乗ったり身を乗り出したりしない。作業床の積載荷重を守り、作業床の上で脚立などを使わない。
- 3)薬剤散布では、農林水産省・環境省の通知「住宅地等における農薬使用について」(平成25年4月26日)が、公園などで農薬を使用するときは、事前に周辺住民などに散布の日時・農薬の種類などを十分な時間的余裕をもって知らせること、散布中・散布後に関係者以外が立ち入らないよう立て札などで表示すること、風の強いときを避け、風向きなどに注意して飛散を防ぐことなどを求めている。農薬の選択・使用方法(回数・量・濃度)、作業後の農薬の処理、作業員の健康管理は除外されているので書かない。
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令和元年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した1級造園施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年12月1日(日)実施) 問題5 設問(1)(ハ)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する