第33回 第4問 問2論点:工事別原価計算表重要度 A配点 14点未着手

工事別原価計算表(予定賃率・直接原価基準の予定配賦・配賦差異の月末残高)

これは建設業経理士2級 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第4問 問2(配点 14点)の問題です。論点は「工事別原価計算表」(重要度A・解答の形は記号+表)。採点すると、解き方 7 手順・引っかけの指摘が読めます。

問2 次の<資料>により、解答用紙の「工事別原価計算表」を完成しなさい。また、工事間接費配賦差異の月末残高を計算しなさい。なお、その残高が借方の場合は「A」、貸方の場合は「B」を、解答用紙の所定の欄に記入しなさい。

1. 当月は、繰越工事である No.501 工事と No.502 工事、当月に着工した No.601 工事と No.602 工事を施工し、月末には No.501 工事と No.601 工事が完成した。

2. 前月から繰り越した工事原価に関する各勘定の前月繰越高は、次のとおりである。(1) 未成工事支出金は下表のとおり。(2) 工事間接費配賦差異 ¥3,500(借方残高)。(注)工事間接費配賦差異は月次においては繰り越すこととしている。

3. 労務費に関するデータ。(1) 労務費計算は予定賃率を用いており、当会計期間の予定賃率は 1 時間当たり ¥2,100 である。(2) 当月の直接作業時間は下表のとおり。

4. 当月の工事別直接原価額は下表のとおり(労務費は資料により各自計算)。

5. 工事間接費の配賦方法と実際発生額。(1) 工事間接費については直接原価基準による予定配賦法を採用している。(2) 当会計期間の直接原価の総発生見込額は ¥56,300,000 である。(3) 当会計期間の工事間接費予算額は ¥2,252,000 である。(4) 工事間接費の当月実際発生額は ¥341,000 である。(5) 工事間接費はすべて経費である。

前月繰越 未成工事支出金(単位:円)No.501No.502
材料費235,000580,000
労務費329,000652,000
外注費650,0001,328,000
経費115,000218,400
当月の直接作業時間No.501No.502No.601No.602
直接作業時間153 時間253 時間374 時間192 時間
当月の工事別直接原価額(単位:円)No.501No.502No.601No.602
材料費258,000427,000544,000175,000
労務費(各自計算)(各自計算)(各自計算)(各自計算)
外注費765,000958,0002,525,000419,000
経費95,700113,700195,60062,800

解答欄

工事別原価計算表(単位:円)
摘要No.501No.502No.601No.602計
月初未成工事原価――――
当月発生工事原価
材料費
労務費
外注費
直接経費
工事間接費
当月完成工事原価――――
月末未成工事原価――――
円
A=借方残高、B=貸方残高

金額はカンマなしでも入力できます。

正解

工事別原価計算表(単位:円)
摘要No.501No.502No.601No.602計
月初未成工事原価1,329,0002,778,400――――4,107,400
当月発生工事原価
材料費258,000427,000544,000175,0001,404,000
労務費321,300531,300785,400403,2002,041,200
外注費765,000958,0002,525,000419,0004,667,000
直接経費95,700113,700195,60062,800467,800
工事間接費57,60081,200162,00042,400343,200
当月完成工事原価2,826,600――4,212,000――7,038,600
月末未成工事原価――4,889,600――1,102,4005,992,000
工事間接費配賦差異月末残高1,300 円
記号(AまたはB)A

解き方

  1. 月初未成工事原価は前月繰越高の合計。No.501:235,000 + 329,000 + 650,000 + 115,000 = 1,329,000。No.502:580,000 + 652,000 + 1,328,000 + 218,400 = 2,778,400。計 4,107,400。当月着工の No.601・No.602 は「―」。
  2. 労務費 = 予定賃率 2,100 × 直接作業時間。No.501:2,100 × 153 = 321,300。No.502:2,100 × 253 = 531,300。No.601:2,100 × 374 = 785,400。No.602:2,100 × 192 = 403,200。計 2,041,200。
  3. 材料費・外注費・直接経費は資料の数字をそのまま書く。計は材料費 1,404,000、外注費 4,667,000、直接経費 467,800。
  4. 工事間接費の予定配賦率 = 予算額 2,252,000 ÷ 直接原価の総発生見込額 56,300,000 = 0.04(直接原価の 4%)。各工事の当月直接原価(材料費+労務費+外注費+直接経費)は No.501:1,440,000、No.502:2,030,000、No.601:4,050,000、No.602:1,060,000。予定配賦額は 4% を掛けて No.501:57,600、No.502:81,200、No.601:162,000、No.602:42,400。計 343,200。
  5. 当月完成工事原価(No.501・No.601)= 月初 + 当月直接原価 + 工事間接費。No.501:1,329,000 + 1,440,000 + 57,600 = 2,826,600。No.601:4,050,000 + 162,000 = 4,212,000。計 7,038,600。
  6. 月末未成工事原価(No.502・No.602)。No.502:2,778,400 + 2,030,000 + 81,200 = 4,889,600。No.602:1,060,000 + 42,400 = 1,102,400。計 5,992,000。検算:4,107,400 + 1,404,000 + 2,041,200 + 4,667,000 + 467,800 + 343,200 = 13,030,600 = 7,038,600 + 5,992,000。
  7. 当月の配賦差異 = 予定配賦額 343,200 − 実際発生額 341,000 = 2,200 の貸方差異(予定のほうが多い)。前月繰越の借方残高 3,500 と相殺して、月末残高 = 3,500 − 2,200 = 1,300 の借方残高 → A。
引っかけ:工事間接費配賦差異の月末残高は「当月の差異」ではなく、前月からの繰越 3,500(借方)を加減した残高で答える。当月は貸方差異 2,200 だが、借方残高 3,500 のほうが大きいので月末はまだ借方残高 1,300(A)になる。予定配賦率は直接作業時間ではなく直接原価に対する率(4%)である点にも注意する。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第33回(2023年9月10日(日)実施) 第4問 問2。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する