制約条件下の最適セールスミックス(機械時間の単一制約と検査時間・材料制約の追加)
これは建設業経理士1級 原価計算 第38回(2026年3月8日(日)実施) 第4問(配点 18点)の問題です。論点は「直接原価計算・CVP・最適セールスミックス」(重要度C・解答の形は金額+記号(X/Y、A/B)、個数、記号選択)。採点すると、解き方 7 手順・引っかけの指摘が読めます。
SG社では 2 種類の建設資材のC製品とD製品を機械で組み立てており、営業利益が最大になる製品の組み合わせで製造・販売を行う計画である。次の<資料>に基づいて、下の設問に答えなさい。なお、計算の過程で端数が生じた場合は、計算途中では四捨五入せず、最終数値の円未満を四捨五入すること。
問1 上の<資料>に基づき、営業利益を最大にする月間の各製品の製造・販売量の組み合わせによる場合の営業利益を求めなさい。
問2 上の<資料>に次の条件を追加する。このとき、(1) 営業利益を最大にする月間の各製品の製造・販売量と、(2) その組み合わせによる場合の営業利益を求めなさい。
① 両製品とも顧客に出荷する前に高価な機械で検査を行わなければならない。検査部門で両製品を検査するのに利用できる時間は月間で 120 時間であるとする。1 個当たりの検査時間は次のとおりである。 C製品 1 時間 D製品 0.5 時間
② D製品は、材料制約のため、最大でも月間 110 個までしか製造することができない。
- 1.各製品 1 個当たりの販売価格、変動費、機械時間
| C製品 | D製品 | |
|---|---|---|
| 1 個当たりの販売価格 | 80,000 円 | 100,000 円 |
| 1 個当たりの変動費 | 56,000 円 | 62,500 円 |
| 1 個当たりの機械時間 | 2 時間 | 5 時間 |
- また、両製品に個別に発生する固定費はなく、両製品に共通して発生する月間の固定費は 2,000,000 円である。
- 2.組立部門で両製品を組み立てるのに利用可能な機械時間は月間で 600 時間であるとする。
- 3.製造した両製品はすべて販売できると仮定する。
- 4.仕掛品と製品の在庫はないと仮定する。
- <問2 の追加条件①> 1 個当たりの検査時間
| C製品 | D製品 | |
|---|---|---|
| 1 個当たりの検査時間 | 1 時間 | 0.5 時間 |
解答欄
正解
| 問1 月間営業利益 | 5,200,000 円 |
|---|---|
| 問2 (1) C製品の製造・販売量 | 75 個 |
| 問2 (1) D製品の製造・販売量 | 90 個 |
| 問2 (2) 月間営業利益 | 3,175,000 円 |
解き方
- 1 個当たりの貢献利益:C製品 80,000 - 56,000 = 24,000、D製品 100,000 - 62,500 = 37,500。固定費 2,000,000 は製品の組合せによって変わらないので、貢献利益の合計が最大になる組合せが営業利益を最大にする。
- 問1:制約条件は機械時間 600 時間の 1 つだけなので、制約 1 単位(機械 1 時間)当たりの貢献利益で比べる。C製品 24,000 ÷ 2 時間 = 12,000 円/時、D製品 37,500 ÷ 5 時間 = 7,500 円/時。1 個当たり貢献利益はD製品のほうが大きいが、機械時間当たりではC製品が有利なので、機械時間をすべてC製品に使う。
- C製品 600 時間 ÷ 2 時間 = 300 個、D製品 0 個。貢献利益 = 300 × 24,000 = 7,200,000。営業利益 = 7,200,000 - 2,000,000 = 5,200,000。
- 問2:制約が 3 つになる(C製品を x 個、D製品を y 個とする)。機械時間 2x + 5y ≦ 600、検査時間 x + 0.5y ≦ 120、材料 y ≦ 110。問1 の組合せ(x = 300)は検査時間 300 時間 > 120 時間で実行できない。
- 線形計画法の考え方で、制約線の交点(端点)ごとに貢献利益を比べる。①検査時間だけを使い切る x = 120、y = 0:貢献利益 120 × 24,000 = 2,880,000。②機械時間と検査時間の交点:x = 120 - 0.5y を 2x + 5y = 600 に代入 → 240 - y + 5y = 600 → y = 90、x = 75:貢献利益 75 × 24,000 + 90 × 37,500 = 1,800,000 + 3,375,000 = 5,175,000。③機械時間と材料制約の交点 y = 110、x = (600 - 550) ÷ 2 = 25(検査時間 25 + 55 = 80 ≦ 120 で実行可能):貢献利益 25 × 24,000 + 110 × 37,500 = 600,000 + 4,125,000 = 4,725,000。
- 貢献利益が最大なのは②のC製品 75 個・D製品 90 個(機械時間 150 + 450 = 600 時間、検査時間 75 + 45 = 120 時間で両方を使い切る)。営業利益 = 5,175,000 - 2,000,000 = 3,175,000。
- 別の見方:検査時間当たりの貢献利益はC製品 24,000 円/時、D製品 75,000 円/時でD製品が有利、機械時間当たりはC製品が有利なので、どちらか一方だけを造るより両方の制約を同時に使い切る組合せが最も多くの貢献利益を生む。
引っかけ:問1 で 1 個当たり貢献利益の大きいD製品を優先しない。制約が 1 つのときは制約単位当たりの貢献利益で決める。問2 では制約が複数になるので単位当たり貢献利益の大小だけでは決まらず、制約線の交点を列挙して比べる。材料制約 y ≦ 110 の端点(C 25 個・D 110 個)も候補に入れて比較し、検査時間の制約を満たしているか確認する。営業利益を答えるので、貢献利益から固定費 2,000,000 を引き忘れない。
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論点ページ:直接原価計算・CVP・最適セールスミックスの要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第38回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士1級 原価計算 第38回(2026年3月8日(日)実施) 第4問。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する