令和8年度 No.73論点:構内電気設備の施工重要度 A配点 1点未着手

高圧ケーブルのシールド接地とZCT

これは1級電気工事施工管理技士 第一次検定 令和8年度(2026年7月12日(日)実施) No.73の問題です。論点は「構内電気設備の施工」(重要度A・解答の形は四肢択一)。採点すると、解き方 4 手順・選択肢 4 つそれぞれの解説・引っかけの指摘が読めます。

高圧ケーブルの地絡事故を検出するシールド接地工事を示す図として,不適当なものはどれか。

4つの図。図1・図2は引込用ケーブルで,左が電源側,ケーブルの右端(CB側)にZCTがある。図1はZCTより負荷側でシールドを接地し,接地線をZCTの中を電源側へくぐらせてから大地へ接続している。図2はZCTより負荷側でシールドを接地し,接地線をZCTに通さずにそのまま大地へ接続している。図3・図4は送出し用ケーブルで,左の電源側にCBとZCTがある。図3はケーブルの両端でシールドを接地し,電源側の接地線はZCTにくぐらせてから接地している。図4はケーブルの電源側の端でシールドを接地し,接地線をZCTにくぐらせてから接地している。

解答欄

選択肢を 1 つ選んで「採点する」を押してください。

正解

正解:1.図1(引込用ケーブル)

解き方

  1. ZCTは,貫通する電流のベクトル和(零相電流)から地絡を検出する。高圧ケーブルの絶縁が破れて導体とシールドの間で地絡すると,地絡電流は導体からシールドに移り,シールドを通って接地点から大地へ流れる。このシールドの電流がZCTを何回,どちら向きに通るかで,ケーブルの地絡を検出できるかどうかが決まる。
  2. 引込用ケーブル(図1・図2)は,ケーブルがZCTの電源側にあり,シールドはZCTを貫通して負荷側の端で接地されている。ケーブルで地絡が起きると,地絡電流はシールドを負荷側の接地点へ流れ,ZCTを1回通る。接地線をZCTに通さずに接地すれば(図2),この電流を検出できる。図1のように接地線をZCTにくぐらせて電源側へ戻すと,地絡電流がシールドと接地線でZCTを往復して打ち消し合い,ケーブルの地絡を検出できない。
  3. 送出し用ケーブル(図3・図4)は,ケーブルがZCTの負荷側にあり,ケーブルの地絡電流は導体でZCTを負荷側へ通る。ZCTより電源側の端で接地すると,シールドを戻る地絡電流がZCTを逆向きに通って導体の電流を打ち消すので,接地線をZCTにくぐらせて打ち消しを戻す(図4)。両端で接地する図3も,電源側の接地線をZCTにくぐらせているので,導体を流れる地絡電流を検出できる。
  4. よって,ケーブルの地絡を検出できない選択肢1(図1)が不適当である。なお,実際の受電設備では,受電側のケーブルの地絡を上位の保護に任せるため,あえて接地線をくぐらせて検出範囲から外す施工もあるが,この問題はケーブルの地絡を検出する接地工事を問うている。

選択肢ごとの解説

  1. 1.不適当。接地線をZCTにくぐらせて電源側へ戻すと,ケーブルの地絡電流がシールドと接地線でZCTを往復して打ち消し合い,検出できない。
  2. 2.適当。ZCTより負荷側でシールドを接地し,接地線はZCTに通さない。ケーブルの地絡電流がシールドでZCTを1回通るので検出できる。
  3. 3.適当。両端で接地すると,シールドの電流は両端に分かれて流れる。負荷側の端へ流れる分はZCTを通らず,電源側へ戻る分は接地線をZCTにくぐらせて打ち消しを戻しているので,導体を流れる地絡電流を検出できる。
  4. 4.適当。ZCTより電源側の端で接地するので,接地線をZCTにくぐらせる。シールドを戻る地絡電流の打ち消しが接地線で戻され,導体を流れる地絡電流を検出できる。
引っかけ:ケーブルの地絡電流がZCTを「片道」だけ通れば検出でき,「往復」すれば打ち消される。引込用(ケーブルがZCTの電源側)は接地線をZCTに通さない。送出し用でZCTより電源側の端を接地するときは接地線をZCTにくぐらせる。

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出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した1級電気工事施工管理技士 第一次検定 令和8年度(2026年7月12日(日)実施) No.73。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する