ケヤキの溝掘り式根回し後の作業の目的・望ましい移植の時期と理由
これは2級造園施工管理技士 第二次検定 令和3年度(2021年11月21日(日)実施) 問題2 設問(3)(イ)(ロ)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘が読めます。
(3) 根回し工に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。
【問題2】次に示す〔工事数量表〕及び〔工事に係る条件〕に基づく造園工事の施工管理に関する以下の設問(1)〜(3)について答えなさい。
注)表中の*の欄に入る語句は、出題の趣旨から記入していない。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、関東地方の近隣公園の未供用区域において、上記の工事数量表に基づき施工するものである。
・地被類植栽工の施工箇所は、平坦地であり、その土壌は事前の調査により植栽土壌として良好であることを確認している。
・根回し工のケヤキは、園内の別の場所に移植するために根回しを行う。
・高木移植工のコブシは、約2km離れた別の公園から移植する。
・本工事の工期は、1月15日から4月30日までとする。
(3) 根回し工に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。
(イ) ケヤキの溝掘り式根回しとして太根などの処理を行った。根の処理が終わった後に行う次の①〜③の作業について、その作業目的を具体的に1つずつ記述しなさい。
① 良質土による埋戻し
② 枝葉の剪定
③ 支柱の設置
(ロ) 本工事で根回しを行ったケヤキについて、望ましい移植の時期はいつか。また、その理由を記述しなさい。
| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽工 | 地被類植栽工 | コウライシバ | 36cm×140cm×2枚 | m² | 400 | *、整地を含む |
| 移植工 | 根回し工 | ケヤキ | H(m) 7.0、C(m) 0.60、W(m) 4.0 | 本 | 3 | 溝掘り式根回し |
| 移植工 | 高木移植工 | コブシ | H(m) 4.0、C(m) 0.21、W(m) 1.5 | 本 | 5 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
解答欄
正解
根の切断部や環状はく皮をした部分から出る新しい細根が伸びやすいよう、通気性と保水性のよい土で埋め戻し、細根の発生と伸長を促す。
63 字根鉢の周りを養分や水分を保ちやすい良質な土で埋めて、切った根の先から新しい根が出て根鉢の中に細根が充実するようにする。
根を切って吸水量が減るので、枝葉を切り詰めて葉からの蒸散を減らし、吸水と蒸散のバランスをとって樹勢の衰えを防ぐ。
56 字根の吸水力が弱っている間に、枝葉の量を減らして水分の消費を抑え、葉のしおれや枝の枯れ込みを防ぐ。
太根を切って根による支えが弱くなるので、風による倒伏や揺れを防ぎ、揺れで新しく出た細根が切れないようにする。
54 字根回しで支持力が落ちたケヤキを支柱で固定し、強風で倒れたり根鉢が動いたりして新根が傷むのを防ぐ。
根回しの翌年の春、萌芽前
12 字根回しから約1年後の早春(萌芽前)
翌年の2月下旬〜3月頃(萌芽前)
切った根から細根が出て根鉢の中に十分に充実するまでには1成長期ほどかかり、落葉樹のケヤキは蒸散の少ない萌芽前が移植に適するため。
64 字根回し後、春から秋の生育期間を経て根鉢内に細根が増えてから、休眠期で水分の消費が少ない萌芽前に移植すると、樹木の負担が少ないため。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (イ) 溝掘り式根回しは、根鉢の外周を掘り下げ、太根の一部を残して環状はく皮を行い、ほかの根は切断する方法である。公園緑地工事共通仕様書(令和2年5月) 2-4-3 は、一部の太根は切断せず適切な幅で形成層まで環状はく皮を行い(1)、根鉢の周りを埋め戻して十分な灌水を行い(2)、必要に応じて枝透かし・摘葉のほか支柱の取付けを行う(3)としている。環状はく皮の幅は一般に10〜15cm程度である。
- ① 良質土による埋戻しは、切断部やはく皮部から出る新しい細根が伸びやすい環境をつくり、発根と細根の伸長を促すために行う。② 枝葉の剪定(枝透かし・摘葉)は、根を切って吸水量が減った分だけ枝葉を減らし、蒸散を抑えて水分の収支のバランスをとるために行う。③ 支柱の設置は、太根を切って支持力が落ちた樹木を風による倒伏・揺れから守り、揺れで新根が切れるのを防ぐために行う。
- (ロ) 根回しは、移植の前に根鉢の中に細根を発生させておくための作業で、根回しから細根が充実するまでには一般に1成長期(約1年)程度かかる。本工事の工期は1月15日から4月30日までで、根回しは春の萌芽前から萌芽期(3月〜4月)に行うことになる(秋から冬の休眠期は根回しに適さない)。落葉樹のケヤキの移植の適期は落葉後から萌芽前まで(厳寒期を除く)で、細根が充実する1成長期を経てからとすると、望ましい移植の時期は、根回しの翌年の春の萌芽前(2月下旬〜3月頃)である。
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令和3年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した2級造園施工管理技士 第二次検定 令和3年度(2021年11月21日(日)実施) 問題2 設問(3)(イ)(ロ)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する