クスノキの移植:上鉢のかき取りの目的・積込みと運搬で樹木の品質管理のために行う作業
これは2級造園施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年11月17日(日)実施) 問題2 設問(4)(ロ)(ハ)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 4 手順・引っかけの指摘が読めます。
(4) 高木移植工に関し、以下の(ロ)、(ハ)について答えなさい。
【問題2】次に示す〔工事数量表〕及び〔工事に係る条件〕に基づく造園工事の施工管理に関する以下の設問(1)〜(4)について答えなさい。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、関東地方における近隣公園の未供用区域において、上記の工事数量表に基づく工事を施工するものである。
・地被類植栽工の施工箇所は、事前の調査により、植栽土として良好であることを確認している。
・高木移植工は、あらかじめ溝掘り式根回しを行ってあるクスノキを約2km離れた別の公園から移植するものである。
(4) 高木移植工に関し、以下の(イ)〜(ハ)について答えなさい。
(ロ) 掘取りの準備として、上鉢のかき取りを行うことにした。その目的を具体的に1つ記述しなさい。
(ハ) 掘取り及び根巻きを終えたクスノキの積込み及び運搬に当たり、樹木の品質管理のために行う作業内容を具体的に3つ記述しなさい。(ただし、幹巻きや灌水、使用する移動式クレーンなどの機材の選定・据付け・操作に関する内容は除く。)
| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽工 | 高木植栽工 | ケヤキ | H(m) 6.0、C(m) 0.30、W(m) 2.5 | 本 | 5 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
| 植栽工 | 地被類植栽工 | コウライシバ | 36cm×28cm×10枚 | m² | 500 | 整地含む、目地張り |
| 移植工 | 高木移植工 | クスノキ | H(m) 7.0、C(m) 0.8、W(m) 3.0 | 本 | 3 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
解答欄
正解
根鉢の上部の表土を根が見えるまでかき取り、根の付け根の位置と張り具合を確かめて、根鉢の上端の高さと大きさを決め、植付け時の深植えを防ぐ。
68 字根鉢の上部の余分な土を取り除いて鉢を軽くし、吊り上げや積込み・運搬を容易にして、鉢崩れを起こしにくくする。
表土に含まれる雑草やその種子・根茎、ごみを取り除き、移植先の公園に持ち込まないようにする。
梢に近い上部の枝から下方の枝へ、内側の枝から外側の枝へと順に縄で幹に引き寄せて縛り、枝折れを防ぐ。
49 字荷台に古タイヤなどの緩衝材を敷き、根鉢を前方にして積み、歯止めとロープで固定して鉢崩れと幹の擦れを防ぐ。
運搬中は樹木全体をシートで覆い、走行中の風による枝葉の傷みと乾燥を防ぐ。
積込みの前に枝葉を適度に切り詰め、枝透かしや摘葉を行って、枝葉からの水分の蒸散を抑える。
掘取りから植付けまでを当日中に終えるよう運搬を計画し、当日植えられない分は仮植えするか根鉢を覆土してシートで覆う。
荷台に古タイヤなどの緩衝材を敷き、根鉢を前方にして積み、歯止めとロープで固定して鉢崩れと幹の擦れを防ぐ。
52 字梢に近い上部の枝から下方の枝へ、内側の枝から外側の枝へと順に縄で幹に引き寄せて縛り、枝折れを防ぐ。
運搬中は樹木全体をシートで覆い、走行中の風による枝葉の傷みと乾燥を防ぐ。
積込みの前に枝葉を適度に切り詰め、枝透かしや摘葉を行って、枝葉からの水分の蒸散を抑える。
掘取りから植付けまでを当日中に終えるよう運搬を計画し、当日植えられない分は仮植えするか根鉢を覆土してシートで覆う。
運搬中は樹木全体をシートで覆い、走行中の風による枝葉の傷みと乾燥を防ぐ。
36 字梢に近い上部の枝から下方の枝へ、内側の枝から外側の枝へと順に縄で幹に引き寄せて縛り、枝折れを防ぐ。
荷台に古タイヤなどの緩衝材を敷き、根鉢を前方にして積み、歯止めとロープで固定して鉢崩れと幹の擦れを防ぐ。
積込みの前に枝葉を適度に切り詰め、枝透かしや摘葉を行って、枝葉からの水分の蒸散を抑える。
掘取りから植付けまでを当日中に終えるよう運搬を計画し、当日植えられない分は仮植えするか根鉢を覆土してシートで覆う。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (ロ) 上鉢のかき取りは、掘取りの前に根元の周りの表土を削り取る作業である。表土を除くと根の付け根(根張り)の位置が分かるので、根鉢の上端の高さと大きさを正しく決められ、植付けのときに深植えを避けられる。根鉢の上部の余分な土がなくなるので鉢が軽くなり、H7.0m・C0.8mのクスノキでも吊り上げや約2km先への運搬が楽になり、鉢崩れも起こりにくい。雑草やその種子・ごみを移植先に持ち込まない効果もある。
- (ロ) 公園緑地工事共通仕様書(令和元年8月) 2-4-1 11(3) は、樹木の立込みは根鉢の高さを根の付け根の最上端が土に隠れる程度に調整し、深植えは絶対に避けるとしている。上鉢のかき取りで根の付け根の位置を確かめておくことが、この調整の前提になる。
- (ハ) 公園緑地工事共通仕様書(令和元年8月) 2-4-1 5 は、樹木の運搬に当たり枝幹などの損傷、鉢崩れなどがないよう十分に保護養生を行い、掘取り・荷造り・運搬は1日の植付け量を考慮して迅速かつ入念に行い、当日中に植栽できない分は仮植えするか根部を覆土し、樹木全体をシートなどで被覆して乾燥や凍結を防ぐとしている。同 2-3-3 1 は、掘取りから植付けまでの間、乾燥・損傷に注意して活着不良とならないように処理するとし、同 2-4-4 2 は、移植の掘取りに先立って枝葉を適度に切り詰め、又は枝透かし・摘葉を行うとしている。
- クスノキはW3.0mと枝張りが大きいので、枝しおりで枝を幹に引き寄せて縄で縛り、運搬中の枝折れや荷台からのはみ出しを防ぐ。枝しおりは、梢に近い上部の枝から下方の枝へ、各段では幹に近い内側の枝から外側の枝へと順に結束する。荷台には緩衝材を敷き、根鉢を前方(運転席側)にして積んで歯止めとロープで固定する。常緑樹のクスノキは葉からの蒸散が多いので、シートの被覆や枝葉の切詰め・摘葉で乾燥を防ぐ。幹巻き・灌水とクレーンの選定・据付け・操作は除外されている。
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令和元年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した2級造園施工管理技士 第二次検定 令和元年度(2019年11月17日(日)実施) 問題2 設問(4)(ロ)(ハ)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する