溝掘り式根回しの根の処理の後に行う作業・シラカシの養生(マルチング・寒冷紗かけ)の目的
これは2級造園施工管理技士 第二次検定 平成29年度(2017年11月19日(日)実施) 問題2 設問(3)の問題です。論点は「植栽・移植」(重要度A・解答の形は記述・穴埋め)。採点すると、解き方 5 手順・引っかけの指摘が読めます。
(3) 移植工に関し、以下の(イ)、(ロ)について答えなさい。
【問題2】次の工事数量表に基づく造園工事の施工管理に関する以下の設問(1)〜(3)について答えなさい。
注)表中の*の欄に入れる語句は、出題の趣旨から記入していない。
〔工事に係る条件〕
・本工事は、関東地方の近隣公園の未供用区域において、上記の工事数量表に基づき施工するものである。
・地被類植栽工の施工箇所は、事前の調査により植栽土として良好であることを確認している。
・根回し工は、園内の他の場所に移植するための根回しを行うものである。
・高木移植工は、あらかじめ溝掘式根回しを行ってあるシラカシを約2km離れた別の公園から移植するものである。
(イ) ケヤキの溝掘り式根回しとして太根等の処理を行った。根の処理が終わった後に行う作業について、その目的及び作業内容を具体的に2つ記述しなさい。(ただし、薬剤による処理、根巻き及び作業の跡片付けに関する内容は除く。)
(ロ) シラカシの植付けに際し樹木の養生として以下の(A)、(B)の作業を行った。これらの作業の一般的な目的をそれぞれ2つずつ具体的に記述しなさい。
(A) マルチング
(B) 寒冷紗かけ
| 工種 | 種別 | 細別 | 規格 | 単位 | 数量 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 植栽工 | 高木植栽工 | ソメイヨシノ | H(m) 3.0、C(m) 0.12、W(m) 1.0 | 本 | 20 | 二脚鳥居型支柱(添え木付) |
| 植栽工 | 地被類植栽工 | コウライシバ | 36cm×28cm×10枚 | m² | 400 | *、整地を含む |
| 移植工 | 根回し工 | ケヤキ | H(m) 7.0、C(m) 0.60、W(m) 4.0 | 本 | 3 | 溝掘り式根回し |
| 移植工 | 高木移植工 | シラカシ | H(m) 7.0、C(m) 0.50、W(m) 3.5 | 本 | 3 | 八ツ掛支柱(丸太三本) |
解答欄
正解
切った根からの発根を促し、根の乾燥を防ぐため、溝に良質な土を入れて根と土が密着するよう突き固めながら埋め戻し、十分に灌水する。
63 字根を切って支えが弱くなった樹木の倒伏や揺れによる新根の切断を防ぐため、丸太で八ツ掛などの支柱を取り付けて固定する。
根の吸水量が減った分、葉からの蒸散を減らして水分の収支を保つため、枝透かしや摘葉を行って枝葉の量を減らす。
根を切って支えが弱くなった樹木の倒伏や揺れによる新根の切断を防ぐため、丸太で八ツ掛などの支柱を取り付けて固定する。
57 字切った根からの発根を促し、根の乾燥を防ぐため、溝に良質な土を入れて根と土が密着するよう突き固めながら埋め戻し、十分に灌水する。
根の吸水量が減った分、葉からの蒸散を減らして水分の収支を保つため、枝透かしや摘葉を行って枝葉の量を減らす。
根元の土の表面を覆って水分の蒸発を抑え、植え付けた根鉢の周りの土の乾燥を防ぐ。
39 字根元の土の表面を覆って日光をさえぎり、雑草の発生を抑える。
地温の急な変化を和らげて保温し、冬の凍結や霜柱から根を守る。
雨による土の跳ね返りや流出、人の踏み付けによる土の固結を防ぐ。
根元の土の表面を覆って日光をさえぎり、雑草の発生を抑える。
29 字根元の土の表面を覆って水分の蒸発を抑え、植え付けた根鉢の周りの土の乾燥を防ぐ。
地温の急な変化を和らげて保温し、冬の凍結や霜柱から根を守る。
雨による土の跳ね返りや流出、人の踏み付けによる土の固結を防ぐ。
樹冠を覆って冬の寒風や霜から守り、保温して葉の傷みや枝の枯れ込みなどの寒害を防ぐ。
41 字樹冠を覆って風当たりと日射を和らげ、葉からの蒸散を抑えて、植付け直後の乾燥による衰弱を防ぐ。
夏の強い日差しや西日をさえぎって、植え付けたばかりの樹木の葉焼けや幹焼けを防ぐ。
樹冠を覆って風当たりと日射を和らげ、葉からの蒸散を抑えて、植付け直後の乾燥による衰弱を防ぐ。
46 字樹冠を覆って冬の寒風や霜から守り、保温して葉の傷みや枝の枯れ込みなどの寒害を防ぐ。
夏の強い日差しや西日をさえぎって、植え付けたばかりの樹木の葉焼けや幹焼けを防ぐ。
模範解答・別解は当サイトが作成したものです(主催者は記述式の解答を公表していません)。
解き方
- (イ) 公園緑地工事共通仕様書(平成29年4月) 2-4-3 は、根回しでは一部の太根は切断せずに適切な幅で形成層まで環状はく皮を行い、根鉢の周りを埋め戻して十分な灌水を行い、必要に応じて枝透かし、摘葉のほか支柱の取付けを行うとしている。
- 根の処理の後に行う作業は、①埋戻し:切った根の先から新しい根が出るよう、溝に良質な土を入れて根と土を密着させ(突き固める、又は水を注いで締める)、十分に灌水する。②支柱の取付け:根を切って支える力が弱くなった樹木が風で倒れたり揺れたりすると、出てきた新しい根が切れるので、八ツ掛などの支柱で固定する。③枝透かし・摘葉:根の吸水量が減るので、枝葉を減らして蒸散を抑え、水分の収支を保つ。
- 設問は、薬剤による処理(発根促進剤の塗布・切り口の保護など)、根巻き、作業の跡片付けを除いている。
- (ロ)(A) マルチングは、遮光、保温、踏圧防止、雑草進入防止等を行うマルチング材を樹木の根元に施す作業である(公園緑地工事積算体系 用語定義集)。根元の土の表面を覆うことで、水分の蒸発を抑えて乾燥を防ぐ、雑草の発生を抑える、地温の急変を和らげて凍結や霜柱から根を守る、雨による土の跳ね返りや流出、踏み付けによる土の固結を防ぐ、などの目的がある。
- (ロ)(B) 寒冷紗巻き(寒冷紗かけ)は、樹木を寒風から守り、保温と蒸散による衰退の防止のために行う作業である(同 用語定義集)。シラカシは常緑広葉樹で冬も葉から蒸散するので、植付け直後の根の吸水が少ない時期に、寒風・霜による寒害と、蒸散による乾燥・衰弱を防ぐことが主な目的になる。夏に植え付けたときは、強い日差しによる葉焼け・幹焼けを防ぐ日よけの役割もある。
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平成29年度の前後の問題
出典:一般財団法人 全国建設研修センターが実施した2級造園施工管理技士 第二次検定 平成29年度(2017年11月19日(日)実施) 問題2 設問(3)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する