舗装施工管理技術者の合格率の読み方と難易度
舗装施工管理技術者の合格率は、一般試験と応用試験の両方に合格した人の割合として、1級・2級それぞれ1つの数字で公表されます。直近の令和7年度は1級26.9%・2級57.2%でしたが、その前年の令和6年度は1級10.8%・2級55.6%と、1級は1年で倍以上動いています。数字の意味と動き方を知っておくと、「何点取れば受かるか」の目標を正しく置けます。
公表される合格率は「級全体」の数字
この試験は、午前の一般試験(四肢択一)と午後の応用試験(記述式)を同じ日に受け、両方で合格基準(得点の60%以上)を満たした人が合格者です。日本道路建設業協会が公表する受験者数・合格者数・合格率は、この「両方に合格した人」を数えたもので、一般試験だけの合格率や応用試験だけの合格率は、当サイトが確認した公表資料には載っていません。
そのため、当サイトでは1級一般試験・1級応用試験のページに同じ合格率を載せ、「1級全体」と注記しています。一般試験のみに合格した人は、翌年度から5年間は応用試験のみで受験できますが、その人たちも翌年度の受験者数に含まれます。つまり公表される合格率は、「初めて両方を受ける人」と「応用試験だけを受け直す人」を合わせた割合です。年度ごとの一覧表は 難易度・合格率・勉強の進め方 にあるので、ここでは数字の読み方に絞ります。
直近3年度の数字
協会の公表値と、それを報じた業界紙の値を基にした直近3年度の数字です。
- 1級:令和7年度 受験者3,216人・合格者866人・26.9%、令和6年度 2,847人・308人・10.8%、令和5年度 3,086人・392人・12.7%。
- 2級:令和7年度 受験者1,398人・合格者800人・57.2%、令和6年度 1,562人・868人・55.6%、令和5年度 1,615人・615人・38.1%。
当サイトが収録している平成28年度以降の8年度分で見ると、1級は10.8%(令和6年度)から26.9%(令和7年度)、2級は26.2%(平成29年度)から57.2%(令和7年度)の間で動いていて、8年度の単純平均は1級18.5%・2級45.1%です(当サイトの計算)。受験者数は、1級が平成28年度の4,060人から令和7年度の3,216人へ、2級が1,704人から1,398人へと、どちらも減る傾向にあります。
年度ごとに合格率が動く理由
合格率の変動について、当サイトが確認した協会の公表資料には理由の説明がありません。ここでは、公表されている事実から確かめられることと、当サイトの見方を分けて書きます。
事実として分かること
- 令和2年度は新型コロナウイルスの影響で試験が中止になり、令和3年度は令和2年度の申込者だけが受験しました。このため令和3年度の受験者数は1級2,291人・2級1,028人と、前後の年度より少なくなっています。合格率そのもの(1級20.1%・2級48.0%)は前後の年度と大きく違いません。
- 合格基準は一般試験・応用試験とも得点の60%以上で、年度によって変わっていません(協会が平成25年に公表した基準)。相対評価で合格者数を決める方式ではないので、受験者の出来がそのまま合格率に出ます。
- 1級の合格率は令和5・6年度に12.7%・10.8%と低く、令和7年度に26.9%へ戻りました。2級は令和5年度の38.1%から、令和6・7年度は55%台で推移しています。
当サイトの見方
合格率が「両方に合格した人」の割合である以上、一般試験と応用試験のどちらか一方が難しい年は、もう一方が例年どおりでも合格率が下がります。記述式の応用試験は、出題される小問の分野と採点のされ方で得点が動きやすいので、1級の年度差の大きさはここから来ている可能性があります。ただしこれは公表資料から裏付けられる話ではなく、受験する側の心構えとしては「低い年に当たっても60%を取れる準備をする」以外にありません。
もう一つ、合格率は「受験した人」のうちの割合で、申込者のうち欠席した人は含まれないのが通例です。公表資料では受験者と申込者の区別まで確かめられないので、当サイトは公表された受験者数をそのまま載せています。
何点を取れば受かるか
合格基準は得点の60%以上なので、一般試験は1級が60問中36問、2級が40問中24問です。応用試験も60%以上で、1級は問1の経験記述と選択2問、2級は問1と選択3問のすべてを解答したうえで、合計で6割を取る必要があります。
過去問で目標にする正答率(当サイトの目安)
本番の合格ラインが60%でも、過去問の演習で60%ぎりぎりでは足りません。本番には、過去問に無かった肢、法改正後の数値で作られた問題、見慣れない組合せの問題が混じり、過去問の正答率より下がりやすいからです。当サイトでは、年度別の通し演習で1級45問(75%)、2級30問(75%)を安定して取れる状態を目標にすることを勧めています。この75%という値は当サイトの目安で、合格基準より1割以上の余裕を持たせた数字です。
応用試験は記述式で自己採点が難しいので、点数より「要点を落とさないこと」を目標にします。経験記述は、工事の概要と課題・対策(1級は結果も)が対応していて字数の8〜9割を埋めていること、選択問題は、小問ごとに便覧の用語で1〜2文が書けていることが基準です。当サイトの応用試験の過去問ページには、模範解答と採点の要点を載せているので、答案をその要点でチェックしてください。
1級と2級の難易度の差
2級の合格率は1級の2倍以上で推移していますが、出題される論点の範囲はほぼ同じです。差が出るのは、1級が60問・3時間で問題数の少ない論点まで出ること、応用試験の問2〜5が1級は計算と記述、2級は語群から選ぶ穴埋めであること、1級の経験記述は結果(100字)まで書く必要があることの3点です。実務経験の年数が足りれば1級から受けられるので、受ける級は合格率ではなく受験資格と業務上の必要で決めるのが普通です。
よくある質問
一般試験だけの合格率は分かりますか?
当サイトが確認した日本道路建設業協会の公表資料には、一般試験のみの合格率は載っていません。公表されるのは、一般試験と応用試験の両方に合格した人の割合です。
合格率が低い年度は、問題が難しかったということですか?
合格基準が得点の60%で固定されているので、合格率が低い年度は受験者の得点が全体に低かったことを意味します。問題の難しさ、応用試験の採点、受験者の層のどれが要因かは、公表資料からは分かりません。
令和3年度の受験者数が少ないのはなぜですか?
令和2年度の試験が新型コロナウイルスの影響で中止になり、令和3年度は令和2年度の申込者だけが受験したためです。合格率は1級20.1%・2級48.0%で、前後の年度と大きな差はありません。
合格率が高い年度を狙って受けることはできますか?
年1回の試験で、受験する年度の合格率は事前に分かりません。合格基準は得点の60%で変わらないので、低い年度に当たっても取れるよう、過去問の通し演習で75%(当サイトの目安)を安定して取れる状態を目標にしてください。
あわせて読む
出典・参考:日本道路建設業協会の試験結果の公表資料(平成28〜30年度・令和7年度)と、同協会の発表を報じた業界紙(令和3〜6年度)の受験者数・合格者数・合格率、同協会が平成25年に公表した合格基準(一般試験・応用試験とも得点の60%以上)、令和8年度 受験の手引き(一般試験のみ合格者の扱い)
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