社債の発行(割引発行と社債発行費の繰延経理)
これは建設業経理士2級 第38回(2026年3月8日(日)実施) 第1問 (2)(配点 4点)の問題です。論点は「社債」(重要度C・解答の形は記号+勘定科目+金額)。採点すると、解き方 3 手順・引っかけの指摘・現行の法令・基準との関係が読めます。
次の各取引について仕訳を示しなさい。使用する勘定科目は下の<勘定科目群>から選び、その記号(A〜Y)と勘定科目を書くこと。
当期首に社債(額面総額 ¥10,000,000 償還期限 5年 利率年 3% 利払日 6月30日、12月31日の年2回)を額面 ¥100 につき ¥97.5 で発行し、全額の払い込みを受け、当座預金とした。この社債発行に際して生じた社債募集広告費などの支出 ¥80,000 は現金で支払い、繰延経理することとした。この社債発行時の仕訳を示しなさい。
A現金B当座預金C完成工事未収入金D当座E有価証券F営業外受取手形G土地H当座借越J社債K工事未払金L預り金M営業外支払手形N未成工事受入金Q未払配当金R未払法人税等S完成工事高T租税公課U支払手数料W受取配当金X社債発行費Y広告宣伝費
解答欄
正解
| 記号 | 借方科目 | 金額 | 記号 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| B | 当座預金 | 9,750,000 | J | 社債 | 9,750,000 |
| X | 社債発行費 | 80,000 | A | 現金 | 80,000 |
解き方
- 払込金額 = 10,000,000 × 97.5 ÷ 100 = 9,750,000。社債は額面ではなく払込金額で「社債」(負債)に計上し、同額が当座預金に入る。
- 発行のための広告費などの支出 80,000 は、繰延経理するので費用ではなく「社債発行費」(繰延資産)に計上する。相手科目は現金。
- 利率・利払日は利息計算用のデータで、発行時の仕訳には使わない。
引っかけ:社債を額面 10,000,000 で計上しないこと。「繰延経理する」とあるので広告宣伝費(費用)ではなく社債発行費を使う。
現行基準との関係:社債発行費は現行(「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い」)では支出時に費用処理するのが原則で、本問のように繰延資産に計上する場合は社債の償還期間(本問は5年)にわたり利息法(継続適用を条件に定額法も可)で償却する。旧商法時代の「3年以内の均等償却」ではない。割引発行による額面との差額 250,000 も償却原価法で償還期までに社債の帳簿価額に加えていく。
同じ論点の過去問
第39回 第2問 (2)社債(満期保有目的債券)の償却原価法による帳簿価額
第37回 第2問 (1)社債の買入償還(社債償還益)
第35回 第1問 (2)社債の割引発行と社債発行費の繰延経理
第31回 第2問 (2)社債の買入償還による社債償還益
第29回 第1問 (5)社債発行費の償却(繰延経理)
論点ページ:社債の要点この論点の出題実績とよくある間違い
→第38回の前後の問題
出典:一般財団法人 建設業振興基金が実施した建設業経理士2級 第38回(2026年3月8日(日)実施) 第1問 (2)。問題文は本試験の問題にもとづいています。解答・解説・論点の整理は資格試験対策.netの独自コンテンツです。最終更新 。この問題の誤りを報告する